野生のアライグマが家に居着いてしまったら、当然ながら被害が少ない状態で出ていって欲しいものです。
こちらでは、アライグマの追い出し方法や、駆除の注意点などを紹介します。
アライグマに悩んでいる方の参考になれば幸いです。
最初にアライグマの特徴から見ていきましょう。
アライグマは本来北米原産の特定外来生物であり、その強い繁殖力と適応能力から、都市部や農村部で深刻な害獣被害を引き起こしています。
害獣としての大きな特徴は、手先が器用で、家屋への侵入や農作物の食い荒らしを得意とすること、そして雑食性ゆえに様々なものを食べることです。
痕跡としては、足跡が人間の子どもの手形に似ており、前足と後足ともに五本の指が長く、爪痕がはっきりと残るのが特徴で、大きさは前後足ともに約五から八センチメートル程度と比較的大きめです。
一方、フンは直径二から三センチメートル、長さ五から十五センチメートル程度の細長い形状で、未消化の種子や昆虫の殻などが混ざっていることが多く、強い悪臭を放ちます。
また、アライグマには同じ場所に何度も排泄する「ため糞」の習性があるため、天井裏や屋根裏といった特定の場所に大量のフンが集中して見つかった場合は、アライグマの可能性が高いと判断できます。
なぜアライグマを自分で駆除してはいけないのか？3つのリスクを紹介！
アライグマの駆除は法律違反になるリスクや、命に関わる健康リスクが伴うため、決して自力で行うべきではありません。
安全で合法的な解決を選ぶために、必ず知っておくべき「3つの大きなリスク」を解説します。
❶ アライグマは「鳥獣保護管理法」により許可なく捕獲・殺傷は違法
アライグマは、環境省が定める「鳥獣保護管理法（鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律）」の保護対象となっている野生動物です。
これはどういうことかというと、地方自治体（都道府県知事）の許可なく、アライグマを捕獲したり、殺傷したりすることは厳しく禁じられています。
- 違反行為
- 許可を得ずアライグマを捕獲・殺傷した場合
- 罰則（法律上の最高刑）
- 1年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
法律に則って駆除を行うためには、専門的な知識と行政への申請が必要です。プロの駆除業者に依頼すれば、この複雑な手続きも代行してくれるので合法的に問題を解決することができます。
❷ アライグマが媒介する恐ろしい感染症のリスク
アライグマは、複数種類の病原体を保有している可能性があり、近くにいる人の健康を脅かす重大なリスクを伴います。特に警戒したい病原体は以下のようなものです。
- アライグマ回虫 (ラーバ・ミグラン)： アライグマの糞に潜んでおり、ヒトが摂取すると脳や中枢神経に移行し、重篤な神経障害や失明を引き起こす危険性があります。
- 狂犬病： 感染力が強く、発症すればほぼ確実に死に至る恐ろしい病気です。
- レプトスピラ症、サルモネラ菌： 糞尿や体液から感染し、深刻な体調不良を引き起こします。
自力で追い出そうとした際に噛まれたり清掃時に糞尿に触れたりするだけで、これらの感染症にかかるリスクがあります。
❸ 失敗すると被害が拡大！アライグマ追い出しの危険性
専門知識がないままアライグマを刺激したり中途半端な対策（粘着シートなど）を講じたりすると、アライグマが興奮し、予期せぬ行動をとることがあります。
- 反撃や逆襲： 追い詰められたアライグマが人間を噛む・引っ掻くなどして、怪我を負わせる。
- 「子別れ」による被害拡大： 侵入口を塞いだつもりが親アライグマだけが外に出て、屋根裏にいた子どもが餓死しその死体が強烈な腐敗臭を放つ。
アライグマの駆除は、生態を熟知し安全管理を徹底したプロの技術がおすすめです。ご自身とご家族の安全を守るためにも、絶対に無理をせず、業者への依頼を検討してください。
今起きているアライグマの被害度チェックポイント
アライグマが侵入している際に現れる代表的なサインをご紹介します。1つでも心当たりがあれば、被害が進行している可能性が高いと判断し、すぐに駆除業者に相談してください。
❶ チェックポイント：アライグマがもたらす4つの主要な被害サイン
| 発生頻度 | 被害サイン | 詳細な内容と注意点 | 深刻度 |
|---|---|---|---|
| 高 | 騒音・異音 | 特に夜間（深夜から明け方）にかけて、天井裏や壁の中で「ドタドタ」「バタバタ」と重い足音が聞こえる。ときには「キューキュー」「キーキー」という鳴き声や、ものを引き裂くような音が聞こえる。 | 高 |
| 高 | 強烈な悪臭と糞尿 | 天井裏や換気口付近から、耐えがたいほどのアンモニア臭が漂ってくる。アライグマは特定の場所に排泄する「ため糞」の習性があり、それが集中することで天井にシミができることがある。 | 極高 |
| 中 | 家屋の損傷 | 屋根の隙間や換気扇のカバー、雨樋（あまどい）の隙間、軒天などに直径10～20cm程度の穴が無理やりこじ開けられている。屋根裏の断熱材がボロボロに引き裂かれている。 | 高 |
| 中 | 庭や屋外の異常 | 庭の果物や野菜、飼育している鯉や金魚が食べられている。生ゴミ箱が荒らされている。建物の基礎付近にタヌキよりも少し大きめの足跡（指が5本で長く、人間の子どもの手に似ている）が見つかる。 | 中 |
❷ 放置するとどうなる？被害が「深刻化」するリスク
現在、軽度な被害で済んでいるとしても、アライグマの繁殖期や活動が活発になる時期には、被害は指数関数的に拡大します。
- 建物の耐久性低下： 糞尿による建材の腐食や、断熱材の引き裂きは、家の寿命を確実に縮めます。最悪の場合、天井が抜け落ちるなどの大規模な破損につながります。
- ノミ・ダニの大量発生： アライグマの体についていたノミやダニが屋根裏に蔓延し、室内にまで侵入して、皮膚炎などの二次被害を引き起こします。
- 修繕費用の高騰： 被害が広範囲に及ぶほど、単なる追い出しだけでなく、大掛かりなリフォーム工事が必要となり、数百万円単位の費用が発生しかねません。
これらのサインを確認したら、「まだ大丈夫」と見過ごすのではなく、「被害拡大を食い止める最後のチャンス」と捉えて、早急にプロへの相談することが、結果として安く・安全に解決することができます。
自力でできる応急処置と限界
アライグマの被害に遭っているとき、専門の駆除業者に連絡してから現地調査や作業が開始されるまでに、数日から数週間かかることがあります。
その間も続く騒音や悪臭に耐える必要はありません。ここでは、法律を遵守しつつ、アライグマが居心地の悪い環境を作り出し、一時的に追い出すことを目的とした「応急処置」をご紹介します。
❶ アライグマが嫌がる環境を作り出し一時的に追い出す
アライグマは警戒心が強く、静かで暗く・安全な場所を好みます。その習性を逆手にとって、「危険だ」「落ち着かない」と感じる環境を作りましょう。
| 対策の種類 | 具体的な方法 | 目的と注意点 |
|---|---|---|
| 光と音 | ラジオ・LEDライトの設置 | 普段アライグマがいる空間（屋根裏など）に、ラジオをつけて大きな音を流したり、強力なLEDライトを点滅させたりします。「常に人間がいる」と思わせることが重要です。 |
| 刺激臭 | 木酢液やハッカ油を浸した布を置く | アライグマが嫌う強い臭いを利用します。ただし、効果は限定的で、すぐに慣れてしまうことも多いため、あくまで一時的な忌避剤と認識してください。 |
❷ アライグマの侵入経路を特定し、仮の封鎖を行う
アライグマがどこから入ってきたかを特定し、プロが来るまでの間に、一時的に出入りを防ぐことが重要です。
- 侵入経路の特定： 糞尿や毛、爪痕が残っている場所を辿り、アライグマが出入りしている穴や隙間（軒天、換気口、屋根の継ぎ目など）を見つけます。
- 一時的な封鎖： アライグマが確実に外に出ている夜間や日中（※念のため注意が必要です）を見計らって、その穴を金網や木材で「仮」封鎖します。
❸ アライグマのエサになるものを徹底的に排除する
アライグマが居着く最大の理由は、「エサ」と「安全な寝床」があることです。寝床を不快にすると同時に、エサを断つことでいつかなくなります。
- 生ゴミは密閉容器に入れ、外に置かない。
- 庭のペットフードを夜間は必ず室内にしまう。
- 家庭菜園の収穫物はすぐ処理し、収穫後の残渣も片付ける。
失敗しないプロ業者選び！チェックすべき5つのポイント
❶ 【最重要】「再発防止」までサービスに含まれているか？
優良な駆除業者は、「追い出し（捕獲）」と「清掃・消毒」の先の「再発防止」までをワンストップで提供します。
- チェックすべき項目：
- 単に追い出すだけでなく、侵入口となったすべての隙間を強固に封鎖する作業が含まれているか。
- 糞尿による汚染箇所を徹底的に消毒・消臭し、病原菌を除去する作業が含まれているか。
- アライグマの再侵入を防ぐための保証期間が設定されているか。（保証期間が長いほど安心できます）
アライグマは一度侵入した場所に執着するため、封鎖と消毒が甘いとすぐにまた戻ってきてしまいます。トータルケアを前提としている業者を選びましょう。
❷ 見積もりが明確で、追加料金が発生しないか？
現地調査をせずに「一律○○円」と提示する業者は要注意です。アライグマの被害状況は家ごとに異なり、正確な費用は現場を見なければ判断できません。
- チェックすべき項目：
- 現地調査・見積もりが無料であること。（無料でない場合はその理由を明確に確認しましょう）
- 見積書に「追い出し費用」「封鎖費用」「消毒費用」「交通費」など、費用の内訳が細かく記載されていること。
- 後から発生する可能性のある追加料金（例：天井の開口費用、広範囲の清掃など）について、事前に説明があるか。
信頼できる業者は、依頼前にすべての費用を明確にし、納得した上で契約を進めます。
❸ 豊富な実績と地域密着性があるか？
アライグマの生態や被害の傾向は、地域や季節によって異なります。
- チェックすべき項目：
- その地域でのアライグマ駆除の実績や経験が豊富であること。実績はウェブサイトや口コミで確認できます。
- 駆除だけでなく、被害場所（屋根裏、床下、壁内など）の構造に関する建築的な知識も持っているか。
- 万が一再発した際に、迅速に駆けつけられる体制（地域密着）があるか。
実績豊富な業者は、難易度の高い侵入経路の特定や、複雑な構造の家屋での作業にも慣れています。
❹ 資格と法律遵守の体制は整っているか？
前述の通り、アライグマの捕獲には「鳥獣保護管理法」に基づく許可が必要です。
- チェックすべき項目：
- 捕獲・駆除に必要な行政への申請手続きを、業者が適切に代行してくれるか。
- 担当者が「狩猟免許」や「防除作業監督者」などの関連資格を持っているか。
法律を守り、安全かつ適切な方法で作業を行える業者を選ぶことが、トラブル回避の絶対条件です。
❺ スタッフの対応が丁寧で、親身になってくれるか？
アライグマ被害は精神的な負担が大きい問題です。親身になって相談に乗ってくれるかどうかも、業者選びの重要なポイントです。
- チェックすべき項目：
- 電話や問い合わせ時の対応が丁寧で迅速か。
- 被害状況の説明や、駆除作業の手順について、専門用語を避け、わかりやすく説明してくれるか。
- 不安や要望（例：ペットがいるので薬剤に配慮してほしい）に寄り添い、柔軟に対応してくれるか。
駆除作業は家の中にプロが入って行うデリケートな作業です。信頼できる人柄であるかどうかも判断材料に含めましょう。
アライグマ駆除にかかる費用の相場（内訳を解説）
アライグマ駆除の費用は、被害の状況や建物の構造によって大きく変動しますが、適正な相場を知っておけば、不当な請求を避けることができます。ここでは、費用を構成する主要な要素と相場を解説します。
❶ アライグマ駆除費用の主要な内訳の構成要素
駆除業者が提示する総額は、主に以下の3つの要素によって構成されています。優良な業者はこれらの作業をすべて明確にした見積もりを提示します。
| 費用の内訳 | 作業内容 | 費用相場の目安 (1箇所あたり) |
|---|---|---|
| ① 追い出し・捕獲費用 | 現地調査、侵入経路の特定、法律に基づいた捕獲器の設置や追い出し作業。 | 3万円〜10万円 |
| ② 侵入口の封鎖・修繕費用 | 侵入された穴の補修、再発防止のための金網やパンチングメタルによる隙間封鎖。 | 1箇所あたり 1万円〜5万円 |
| ③ 消毒・清掃・消臭費用 | 糞尿が溜まった場所の清掃、病原菌を除去する殺菌消毒、悪臭除去のための消臭作業。 | 2万円〜8万円 |
※ 上記はあくまで目安です。費用は業者や地域、被害状況により大きく変動します。
❷ 被害の深刻度別：アライグマの駆除費用相場
上記の3つの構成要素を総合し、被害の深刻度から見た費用の相場は以下の通りです。
| 被害の程度 | 総合的な費用相場（目安） | 費用の変動要因 |
|---|---|---|
| 軽度 (侵入初期、被害範囲小) | 5万円 〜 15万円 | 侵入口が1〜2箇所のみで、清掃・消毒範囲が限定的。 |
| 中度 (数週間〜数ヶ月経過) | 15万円 〜 30万円 | 侵入口が複数あり、糞尿による汚染が広範囲にわたる。断熱材の一部交換が必要。 |
| 重度 (長期間放置、繁殖・多頭) | 30万円 〜 50万円以上 | 巣作りによる建材の深刻な損傷、屋根裏全体の消毒、大掛かりな修繕が必要となるケース。 |
❸ 【注意】費用の変動要因
見積もり額が変動する要因は、アライグマの数の他に以下のような点にあります。
- 建物の構造と作業の難易度： 作業スペースが狭い、高所作業が必要など、作業に手間がかかる場合は費用が高くなります。
- 被害の場所： 屋根裏や床下など、普段アクセスしにくい場所ほど費用が高くなる傾向があります。
- 再発防止の保証内容： 駆除後の保証期間が長いほど、サービス内容が手厚くなる分、費用が高めに設定されることがあります。
- 最低でも2〜3社から見積もりを取る： 相場を把握するためにも、必ず複数の業者に現地調査を依頼し、見積もり内容（特に作業の内訳と保証内容）を比較検討しましょう。
- 「諸経費」を確認する： 提示された費用に、出張費や交通費などが含まれているかどうかも確認し、後から不明瞭な費用が追加されないようにしましょう。
費用は重要ですが、最も安価な業者が最良の業者とは限りません。「駆除後の再発防止と保証」までしっかり提供してくれる業者を選ぶことが、結果として最も費用対効果が高くなります。
比較検討して選ぶ！おすすめの優良駆除業者
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