トコジラミ駆除を徹底解説!自分でできる対策と業者選びの方法は

トコジラミ駆除

一時期、大繁殖するのではないかと日本中を恐怖に陥れたトコジラミは、南京虫という名前でも知られています。

繁殖力が高く、どこから連れてきてしまうかわからないと言われています。

こちらの記事ではトコジラミ(南京虫)に刺された時の対応や駆除方法・予防方法も紹介します。

トコジラミ(南京虫)でお困りの方の参考になれば幸いです。

トコジラミ(南京虫)の特徴
トコジラミ

トコジラミは南京虫とも呼ばれ、体長5mmから8mmほどの扁平な形をした赤褐色の吸血性昆虫です。

夜行性であり、主に就寝中の人や動物の血を吸って生活します。吸血だけでなく、繁殖力と生命力の強さも大きな特徴で、一度家に侵入すると短期間で大繁殖し、根絶が非常に難しくなります。

成虫は飢餓に強く、何も食べなくても数カ月生き延びることが可能です。さらに、その卵は薬剤に対する耐性が強く、一般的な殺虫剤では駆除が困難なため、専門業者による複合的な処理が必要となることが多いです。

また、従来の殺虫剤成分であるピレスロイド系に対する抵抗力を持つ個体が増えており、駆除の難易度をさらに高めています。

被害の主な症状は、刺された後の激しい痒みや発疹で、精神的なストレスや睡眠障害を引き起こす深刻な害虫です。

目次

今すぐ知るべきトコジラミ駆除の全体像

トコジラミに刺されたら、夜も眠れないほどの痒みに襲われます。

トコジラミ駆除に大切なのは、「現状の正確な把握」と「適切な対処法の選択」です。まずは、トコジラの正体と被害の深刻度を確認しましょう。

1. 最初に確認すべき「被害の正確な把握」

トコジラミ駆除の第一歩は、本当にそれがトコジラミなのか、そしてどの程度被害が拡大しているのかを正確に把握することです。

① 被害の確実な証拠を見つける

トコジラミはとても見つけづらいので、以下の痕跡を探してください。

証拠特徴と確認場所
刺され跡強い痒みを伴う赤い膨らみ。同じ箇所が線状・塊状に連続して刺されるのが特徴。
フンの痕繊維や木材に染み込んだような真っ黒な小さな点(1mm未満)。水拭きするとにじみます。ベッドの継ぎ目や壁、マットレスの裏、コンセントの隙間に多い。
1mm程度の乳白色(白~薄いクリーム色)で、粘着性があり、家具の隙間に産み付けられます。
脱皮殻半透明で、成虫と同じ形をした抜け殻。
トコジラミに刺された跡
トコジラミに刺された跡 画像引用:アース製薬(https://www.earth.jp/gaichu/wisdom/sonota/article_011.html)
トコジラミのフン
トコジラミのフン 画像引用:アース製薬(https://www.earth.jp/gaichu/wisdom/sonota/article_011.html)
トコジラミ卵
トコジラミの卵 画像引用:日本環境衛生センター環境生物部(https://www.jesc.or.jp/default.aspx)

② 被害レベル診断:取るべき対応

発見した痕跡の多さや刺されの頻度に応じて、被害レベルを診断し、取るべき対応を判断しましょう。

レベル状況の目安推奨される対応
レベル1(初期)刺され始めたばかり、黒いフンや成虫を数匹見つけたのみ。自力での初期対応(熱処理・殺虫剤)で食い止められる可能性がある。
レベル2(中度)毎晩刺される、広範囲でフンや卵が確認できる、複数箇所から発見される。すぐに専門業者へ依頼。自力駆除は困難で、時間を浪費する可能性が高い。
レベル3(重度)寝室以外にも被害が広がる、家具の裏側に多数のフンや卵、精神的なストレスが大きい。最優先で専門業者へ依頼。もはや自力での根絶は不可能。

2. 自力駆除か?業者依頼か?適切な対処方法の分かれ目

トコジラミ駆除において、最も多くの方が悩むのが「自分でやるか、プロに頼むか」です。結論から言えば、被害レベルが「レベル2」以上なら迷わずプロに依頼すべき状況です。

項目自力駆除専門業者への依頼
メリット費用が安い(市販薬代のみ)。すぐに作業に取り掛かれる。根絶の確率が極めて高い。安心保証(再発時の無償対応)がある場合が多い。
デメリット根絶が困難(卵に効きにくい)。再発リスクが高い。時間と労力を消耗する。 費用が高い。作業までに時間がかかる場合がある。
難易度高い(特に卵の処理と潜伏場所の特定)。低い(プロに任せきり)。
推奨されるケース被害レベル1(初期)かつ、手間と時間をかける覚悟がある場合。被害レベル2以上、精神的なストレスが強い、再発を絶対に避けたい場合。

経済的・精神的なメリット

「自力でなんとか費用を抑えたい」と考えてしまいがちですが、トコジラミは生命力が非常に強く、中途半端な自力駆除は失敗する可能性が高いです。

失敗すると、殺虫剤を何度も買い足す追加費用が発生するだけでなく、トコジラミが薬剤耐性をつけてしまい、最終的に業者に依頼した際の費用がさらに高くなるケースもあります。

迷うのであれば、最初から信頼できるプロに相談することで、早く安心を取り戻せます。

自分でできるトコジラミ駆除の応急処置と初期対応

被害レベルが比較的低い「レベル1(初期発見)」の場合、専門業者に依頼する前に、自力で初期の拡散を防ぎ、個体を減らすための「応急処置」を行うことができます。

ただし、この段階の目的はあくまで「初期対応」であり、「完全に根絶することではない」と心に留めておいてください。プロの力を借りるまでの時間稼ぎと考えるのが賢明です。

❶ トコジラミに効果的な市販の駆除剤・アイテム

トコジラミは一般的な殺虫剤(ピレスロイド系)に耐性を持っていることが多く、通常の家庭用殺虫剤では効果が出にくい場合があります。薬剤を選ぶ際は成分に注目してください。

場合によってはゴキブリ用スプレーでも効果があるものがありますので、お手持ちの殺虫スプレーがあれば成分を確認してみましょう。

有効な薬剤の選び方

  • 速効性のあるエアゾール(スプレー)タイプ:
    • イミプロトリンなど、速効性のある成分を含む製品を選び、発見した個体へ直接噴射します。ただし、潜んでいるトコジラミには効きません。
  • 残効性(持続効果)のある薬剤:
    • メトキサジアゾンオキサジアゾール系など、ピレスロイド系とは異なる作用を持つ成分を含む薬剤は、耐性を持ったトコジラミにも効果が期待できます。
    • 潜伏場所になりやすいベッドの継ぎ目や壁の隙間などに散布し、トコジラミが接触することで効果を発揮するようにします。

⚠️ 使用上の注意点

薬剤は説明書を厳守し、吸い込みや食品への付着に注意してください。

卵には薬剤が効きません。成虫を駆除できても、数週間後に卵が孵化し再発します。これが自力駆除の最大の壁です。

❷ 物理的な駆除(熱処理が最も重要)

薬剤が効きにくいトコジラミの卵や成虫を確実に殺す最も有効な方法は、熱処理です。トコジラミは一般的に50℃以上の熱で数分間さらされると死滅します。

① 熱処理の徹底

  • 乾燥機(ヒートサイクル): 被害の疑いがあるシーツ、布団カバー、衣類などは、すぐに袋に密閉して運び出し、高温設定の乾燥機にかけます。これが最も確実です。
  • スチームアイロン・高温スチーマー: マットレスの継ぎ目、ベッドフレーム、ソファなど、乾燥機に入らないものに対しては、高温のスチーマーやアイロンをゆっくりと当てて熱を注入します。
  • 黒いビニール袋での天日干し: 荷物を黒いビニール袋に入れて密閉し、炎天下の車内やベランダに放置するのも有効ですが、確実な温度上昇(50℃以上)が難しい場合があります。

② 掃除機での吸引

  • 目に見えるトコジラミ(成虫、幼虫)や卵を掃除機で丁寧に吸い取ります。
  • 【重要】 吸引後、掃除機のゴミはすぐに密閉できるビニール袋に入れて口を固く縛り、速やかに屋外のゴミ箱に捨ててください。吸い取ったトコジラミが掃除機内部で生き残って、他の場所に移動するのを防ぐためです。

❸ 感染拡大を防ぐための隔離と予防策

トコジラミは歩いて移動し、家中の隙間に潜伏します。被害を拡大させないための行動が、駆除の成功率を左右します。

  • 荷物の密閉: 被害のあった部屋の衣類や本、その他の荷物は、いったん全て透明なビニール袋に入れて密閉し、駆除が完了するまで開封しないでください。
  • ベッドの隔離:
    • ベッドを壁や他の家具から離し、トコジラミが侵入できないようにします。
    • ベッドの脚の下に、市販の粘着トラップや、トコジラミが登りにくい二重構造のカップなどを設置するのも有効です。
  • 移動の制限: トコジラミを他の部屋に持ち運ばないよう、被害があった部屋を出入りする際は、特に衣類やカバンに注意を払いましょう。

これらの初期対応は被害を抑える効果はありますが、トコジラミは非常にしぶとく、駆除を完全に完了させるには高い専門知識と専用薬剤、そして複数回の施工が必要となります。

「頑張ったけど再発した」とならないよう被害が深刻な場合は、速やかにプロの業者に相談することをおすすめします。

トコジラミ駆除を業者に依頼するメリットと費用相場

トコジラミに「もう二度と刺されない」ためには、専門業者への依頼をしましょう。

❶ 業者依頼が「最も確実」な理由

自力でのトコジラミの根絶が難しいのには明確な理由があります。

① トコジラミの卵と薬剤耐性への対応

市販されている多くの殺虫剤は、トコジラミの卵(タマゴ)には効果がありません。卵は固い殻に守られており成虫を駆除できたとしても、数週間後に卵が孵化し被害が再発してしまいます。

プロの業者は残効性の高い業務用薬剤を、卵にも浸透・付着させるような技術を用いて散布します。さらに、薬剤耐性を持つトコジラミに対応するため、複数の薬剤や熱処理などの複合的な方法を使い分けます。

② 潜伏場所の特定能力

トコジラミは非常に扁平な体をしており、わずか1mm以下の隙間にも潜り込みます。

一般の人が見つけられない壁の内部・コンセントの裏・家具のネジ穴といった「潜伏場所」を、プロは経験と知識で正確に特定し徹底的に処理します。

③ 複数回施工による確実な根絶

プロでも一度の施工で全てを根絶することは困難です。

業者は通常、卵が孵化するサイクルを考慮し、2回〜3回にわたる計画的な施工を行います。これにより、生き残った個体や孵化した幼虫を確実に駆除し孵化のサイクルを断ち切ります。

プロは、見つけられなかった最後の1匹まで追い詰めます。
中途半端に作業を繰り返してストレスを溜めるより、一度専門家に任せて、確実に「終わり」を目指すことが、精神衛生上も良いかもしれません。

❷ トコジラミ駆除の費用相場と内訳

業者に依頼する際の費用は、被害の深刻度・部屋の広さ、そして選択する駆除方法によって大きく変動します。

① 費用相場の目安

住宅タイプ広さの目安1回あたりの費用相場(薬剤処理中心)
単身・小規模1R~1K60,000 ~ 120,000円
ファミリー2LDK~3LDK150,000 ~ 300,000円
宿泊施設1部屋あたり30,000 ~ 80,000円

注意点: こちらの金額はあくまで目安です。トコジラミ駆除は複数回(通常2~3回)の施工が必要となるため、総額はこれに回数をかけた金額となります。

② 費用の内訳を決める主な要因

  • 被害レベル(深刻度): レベルが高いほど、使用する薬剤の量や作業時間が増え費用が高くなります。
  • 駆除方法: 薬剤処理のみよりも、熱処理(スチームや加熱乾燥車)を併用する方が、卵に対する効果は高まりますが、費用も高くなる傾向があります。
  • 付帯サービス: 室内清掃・不用品処分・再発保証期間の長さなどが費用に影響します。

③ 見積もりの際の注意点

優良な業者は必ず現地調査を行い、被害状況を見てから正確な見積もりを出します。

  • 追加料金の有無: 「見積もり以外の追加料金は一切かからないか」を事前に確認しましょう。
  • 保証期間: 万が一再発した場合の無償対応期間(例:6ヶ月~1年)が設定されているか確認してください。保証がある業者は、それだけ駆除技術に自信がある証拠です。

追加料金が発生することはありますが、見積もりの時点で追加料金の発生有無と、どのようなことが起きたら追加料金が発生するかなどを聞いておきましょう。

❸ 失敗しない「優良な駆除業者」を選ぶ3つのポイント

業者選びで失敗するとお金も時間も無駄になり、再発という最悪の結果になりかねません。良い業者を選ぶために事前に以下の3点を必ずチェックしてください。

  • 施工実績と専門知識の豊富さ
    • トコジラミ(南京虫)駆除の専門的な実績が豊富にあるかを確認しましょう。単なる一般的な害虫駆除業者ではなく、トコジラミ対策に特化したノウハウを持っているかが重要です。
    • 業者に「ペストコントロール技術者」などの資格を持つスタッフがいると、信頼性が高まります。
  • 再発時の「保証制度」の有無
    • 最も重要なポイントです。駆除完了後の一定期間(最低でも3ヶ月~6ヶ月)内に再発した場合、無償で再施工してくれる「保証制度」がある業者を選びましょう。保証がない業者は避けるべきです。
  • 現地調査と見積もりの透明性
    • 電話やメールだけで見積もりを出す業者は避けてください。被害状況を正確に把握するため、必ず現地調査を行う業者を選びましょう。
    • 見積書の内容が明確で、使用する薬剤の種類、作業工程、料金体系について、質問に丁寧に答えてくれるかも信頼の判断基準となります。

安心して眠れる日常へ!トコジラミの再発を徹底的に防ぐ方法

専門業者による駆除が完了しても安心はできません。トコジラミは非常にしぶとい害虫で、一度根絶したとしても、「再発させないための予防策」と「早期発見のための監視」が必要です。

❶ 被害後の家具・荷物の取り扱い

駆除後、被害のあった家具や荷物をどうするかは大きな悩みです。トコジラミの卵や生き残りが潜んでいる可能性があるため、慎重な判断が必要です。

  • 継続使用が可能なもの
    • 駆除処理(特に熱処理)により、トコジラミが完全に死滅したと確認できるものは継続使用が可能です。
      • 衣類・寝具: 50℃以上の高温乾燥機にかけたもの、または専門業者による薬剤処理が徹底されたもの。
      • 金属・プラスチック製品: 表面を丁寧に拭き上げ、隙間がないか確認できたもの。
  • 廃棄が推奨されるもの
    • 以下のものは、駆除が不十分で再発リスクが極めて高いため、できれば廃棄を検討してください。
    • 内部が複雑な木製家具: ベッドフレーム、タンス、本棚など、隙間が多く、解体しないと薬剤が届かない構造のもの。
    • ソファやカーペット(重度の被害の場合): 内部のクッション材まで被害が及んでいる可能性が高いもの。

⚠️ 廃棄する際の注意点

廃棄物を運搬する際は、必ず大型のビニール袋やラップで全体を厳重に密閉し、「トコジラミ付着の可能性あり」と記載することで、移動中に家の中や集合住宅の廊下、廃棄場所で被害を拡散させるのを防ぎましょう。

❷ トコジラミを家に持ち込まないための予防策

トコジラミ被害は、外から持ち込まれます。特に以下の場合にはトコジラミを持ち込まないように充分に配慮しましょう。

  • ✈️ 旅行先・出張先から帰宅したとき
    • 旅行先のホテルで刺された、またはトコジラミを発見した場合、帰宅後すぐに荷物を玄関の外や浴室で開封します。
    • 衣類は全てすぐに密閉袋に入れ、高温乾燥機または熱処理を行いましょう。
    • スーツケースやカバンは、スチームアイロンを当てたり、薬剤を噴霧したりして、隅々まで処理します。
  • 🛍️ 中古品の購入・フリマアプリの利用
    • 中古の家具や衣類、本などは、トコジラミが付着しているリスクが非常に高いです。
    • 持ち込む前に、必ず熱処理、薬剤処理、またはビニールで密閉して一定期間(数カ月)隔離するなどの対策を徹底してください。
  • 🚚 引越し時:
    • 引っ越し先の建物にトコジラミが潜んでいる可能性もゼロではありません。引っ越し前に、旧居の荷物と新居の両方をチェックすることが理想です。

❸ 定期的なチェックポイント

再発した場合でも、早期に発見できれば被害を最小限に抑えられます。駆除完了後も、定期的に以下の場所をチェックする習慣をつけましょう。

潜伏チェックポイント頻度確認すべき痕跡
ベッド周り週に1回マットレスの裏、縫い目、ベッドフレームの継ぎ目やネジ穴。
壁・床の隙間2週に1回壁と床の境目、巾木(はばき)の隙間、コンセントカバーの裏。
家具の裏月に1回ベッドサイドテーブルの裏、タンスの引き出し内部の隙間。

ここで、小さな黒い点(フン)乳白色の卵を発見した場合は、すぐに駆除業者に連絡し、保証期間内であれば無償で再施工を依頼できるでしょう。

トコジラミ駆除は、専門家の技術と注意深い予防策で初めて成功します。一度徹底的に駆除し、持ち込まないための習慣を身につければ、痒みや不安のない快適な睡眠を取り戻せます。


害虫駆除のおすすめ業者に関しては「害虫駆除の優良業者おすすめ9選!料金相場と失敗しない選び方」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

さとるのアバター さとる 元駆除会社社員

普段はいくつかのWEBメディアで記事コンテンツを作っています。こちらでは害獣・害虫駆除について書いていきます。

目次