庭に何かの動物の足跡があって荒らされているとなると、何の動物か気になりますよね。
こちらでは、その動物がタヌキではないと疑っている方に、たぬきと犬と猫の違いを紹介し、タヌキと断定できた場合の対処方法を紹介していきます。
タヌキらしきものの被害に遭われている方の参考になれば幸いです。

タヌキはイヌ科に属する夜行性の動物で、里山から都市の住宅街まで広く生息し、その可愛らしい見た目とは裏腹に家屋や農地に深刻な被害をもたらす害獣です。
家屋に侵入すると、主に床下や屋根裏をねぐらにし、夜中に騒音を出すことで人々の安眠を妨げます。
最大の被害の特徴は「ため糞」と呼ばれる習性で、家族や群れが特定の場所に繰り返し排泄するため、悪臭が強烈になり、ノミやダニ、病原菌の発生源となります。
フンは黒っぽい楕円形で、雑食性ゆえに果実の種子や昆虫の殻などが混ざっているのが特徴です。
また、足跡は三~四センチ程度と小さく、犬の足跡に似ていますが、指が四本分残るのが一般的で、高い場所への移動は苦手です。
雑食性で生ゴミや農作物を食い荒らす食害も多く、一度餌場と認識されると食い荒らし被害は拡大します。
【この記事で参考にした文献】
決定版!タヌキの足跡を画像で特定する3つのポイント
タヌキの足跡は、猫や犬といった身近な動物の足跡と比べると、いくつかの決定的な違いがあります。この3つのポイントを把握すれば、足跡がたぬきかどうかを確実に突き止められます。
ポイント1:大きさ


タヌキの足跡は、縦約4〜6cm、横約4〜5cm程度の大きさです。このサイズは、一般的な大人の飼い猫(約3〜4cm)よりも一回り大きく、中型犬(約6〜7cm)よりは小さいことが多いです。
- 特徴: ほぼ正方形に近い丸みを帯びた形をしています。
- 確認方法: 現場の足跡の横に定規を置いて撮影するか、スマホ画面に表示した実寸大イラストと見比べてみましょう。
ポイント2:指の形と肉球(他の動物との決定的な違い)
このポイントが、タヌキの足跡を特定する上で最も重要です。
- 指の数と配置: 足跡は指が4本はっきり残ります。
- 爪の跡: すべての指の先に爪の跡が残っているのが最大の特徴です。爪は比較的鋭利で、泥や雪の上ではっきり確認できます。
- 肉球の形: 親指の下にある掌球(しょうきゅう/メインの肉球)は、幅広でどっしりとした形をしています。
| 動物 | 爪の跡 | 指の数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
タヌキ![]() | 爪の跡がはっきり残る | 4本 | 親指が小さく、全体が丸っこい |
猫![]() | 原則として残らない | 4本 | 肉球が小さく丸い。足跡全体が丸い |
犬![]() | 爪の跡が残る | 4本 | 足跡がタヌキより細長く、縦長になる |
ポイント3:歩き方(独特の足跡のパターン)


タヌキは、猫に近い歩行パターンをします。前足と後ろ足が同じ場所に落ちる「重ね足」や、足跡がほぼ一直線に並ぶ傾向があります。
- 確認ポイント: 泥や砂の上で複数の足跡が残っている場合、一直線またはジグザグが少ない歩行パターンになっていれば、タヌキである可能性が高いです。
- 他の動物との比較:
- アライグマ: 手足を広げたような不規則な歩き方になり、足跡が前後左右にばらつきやすいです。
- 猫: タヌキと同様に直線的ですが、足跡がより小さく丸いです。
これらの3つのポイント、特に「爪の跡の有無」と「足跡のサイズ」を参考に、地面に残された足跡がタヌキのものかどうかを判別してください。
正体が特定できれば、次は適切な対策を検討するステップに進めます。
知っておきたい!タヌキと間違えやすい動物の足跡【早見表】
タヌキの足跡の特徴は理解できましたが、念のため、他の動物と見間違えていないか確認ましょう。
郊外の住宅地では、タヌキの他にも、アライグマ、ハクビシン、イタチといった害獣、そして飼い猫の足跡が混在していることがよくあります。
ここでは、特にタヌキと間違えやすい動物たちの足跡を比較し、最終的な特定をサポートします。
タヌキ?アライグマ?ハクビシン?見分けの難しい足跡の比較
| 動物名 | 足跡のサイズ(縦/横) | 指の数・特徴 | 爪の跡 | 歩き方・備考 |
|---|---|---|---|---|
タヌキ![]() | 約4〜6cm / 約4〜5cm | 4本。丸みを帯びた形。 | はっきり残る | 猫のように直線的。肉球と爪のバランスが犬と猫の中間。 |
アライグマ![]() | 約6〜8cm / 約5〜7cm | 5本。ヒトの手に似た形(非常に特徴的)。 | はっきり残る | 不規則な歩行。手首の関節が曲がりやすいので、かかとの跡が残ることもある。 |
ハクビシン![]() | 約3〜6cm / 約2〜4cm | 5本。細長く、非常に華奢な印象。 | 残るが細い | 非常に細く、雪や泥の上では線のように見えることが多い。木登りが得意。 |
イタチ![]() | 約2〜3cm / 約1〜2cm | 5本。非常に小さく細い。 | 残る | 足跡が小さすぎて、地面の状態によってはほとんど見えないこともある。 |
飼い猫![]() | 約3〜4cm / 約3〜4cm | 4本。丸く、ふっくらしている。 | 原則、残らない | 直線的な歩行。爪の跡がないため、タヌキとは判別が容易。 |
識別時の重要ポイント
- 指の数: 4本ならタヌキや猫、犬。5本ならアライグマやハクビシンを強く疑ってください。
- 爪の跡: 爪の跡があり、指が4本ならタヌキまたは犬。爪の跡がなければ猫です。
- 大きさ: 6cmを超えるような大きな手跡で、5本指ならアライグマの可能性が高いです。
もし庭の足跡が、タヌキではなくアライグマやハクビシンだと特定できた場合、被害の深刻度や対策方法が大きく異なります。
アライグマやハクビシンの対策についてはこちらの記事で紹介していますので、是非ご確認ください。


タヌキの足跡を見つけたら!放置してはいけない3つの理由
タヌキの足跡を特定できてホッとされたかもしれませんが、足跡が見つかったということは、タヌキが家の敷地を「安心できる場所」として認識し始めているサインです。
タヌキは見た目こそ可愛らしいですが、野生動物であるため放置すると家庭の安全や衛生を脅かす深刻な問題に発展する可能性があります。
被害が深刻化する前に、次の3つの理由から早めの対策が必要です。
理由1:衛生被害と感染症のリスク
タヌキがもたらす最大の懸念の1つは、フンなどが引き起こす健康被害のリスクです。
- ため糞による汚染: タヌキには、特定の場所(屋根裏、床下、庭の隅など)に集中的に糞をする「ため糞」の習性があります。この糞が溜まると悪臭や異臭が発生するだけでなく、ノミやダニを大量に発生させます。
- 人獣共通感染症: タヌキは、人やペットに感染するリスクのある病原菌や寄生虫を保有している可能性があります。
特に、タヌキ回虫(目や脳に寄生するリスク)や、激しいかゆみを引き起こす疥癬(かいせん)などは注意が必要です。
小さなお子様やペットがいるご家庭では、糞や体毛に触れないよう特に警戒しなければなりません。
理由2:家屋への侵入と建物の破損
タヌキは、安全で暖かい隠れ場所を常に探しています。
足跡が庭にあるということは、家屋への侵入を試みているあるいはすでに侵入している可能性も否定できません。
- 侵入経路の発見: わずかな隙間(換気口、床下の通風孔、屋根のひび割れなど)から侵入し、床下や屋根裏をねぐらにします。
- 断熱材や配線の被害: 一度侵入されると、巣作りのために断熱材を破いたり、物を噛んだり引っ掻いたりして配線を傷つける恐れがあります。
その結果、騒音だけでなく、修理に高額な費用がかかる建物被害に繋がります。
理由3:農作物・庭木を荒らされる被害
タヌキは植物の身だけでなく、昆虫を食べたり土を掘り起こしたりします。
- 食害の拡大: タヌキは雑食性で、特に果物や野菜、昆虫などを好みます。家庭菜園の収穫物を食い荒らしたり、ペットの餌を狙って庭に侵入し続けたりします。
- 景観の破壊: 餌を探すために土を掘り返したり、特定の場所を往復することで芝生や花壇を荒らしたりします。タヌキの行動範囲が定着すると、庭の景観が損なわれる原因となります。
足跡の確認は、問題を解決する最初の一歩です。
被害が深刻化する前に、タヌキをこれ以上寄せ付けないための具体的な対策をしてください。
タヌキをこれ以上寄せ付けない!被害を防ぐための具体的な対策
ここでは、被害を未然に防ぎ、タヌキを家から遠ざけるための具体的な対策を、自力でできることからプロに任せるべきことまで段階的に解説します。
ステップ1:まず「タヌキが好む環境」を取り除く
タヌキが訪れる最大の動機は「餌」と「安心」です。これらを取り除くことが、最も安価で効果的な初期対策となります。
- 生ゴミの徹底管理:
- タヌキは嗅覚が鋭く、生ゴミの臭いに強く引き寄せられます。ゴミは収集日の朝に出すように徹底し、夜間はフタ付きで頑丈なゴミ箱に入れ、ゴミは絶対に屋外に放置しないでください。
- 庭の餌源の撤去:
- ペットフードや鳥の餌は、夜間は必ず室内にしまってください。
- 家庭菜園や果樹がある場合は、熟した実はすぐに収穫し、落ちた実も放置せずに片付けましょう。
- 隠れ場所の整理:
- 庭の物置の下、使っていない資材の山、茂りすぎた藪などは、タヌキにとって格好の隠れ家やねぐらになります。定期的に整理し、風通しと見通しを良くしてください。
ステップ2:自宅でできる!タヌキが嫌がる追い払い方
タヌキを一時的に怯ませ、侵入を思いとどまらせるための方法です。ただし、タヌキは賢く慣れやすいため、これらの対策は「一時的な威嚇」と考え、根本的な解決ではないことを理解しておきましょう。
- 光や音による威嚇:
- センサー式のライト(人感センサーで急に強く光るもの)を設置し、夜間の侵入時に驚かせます。
- タヌキが嫌うとされる柑橘系の臭いや、木酢液などを、侵入経路や足跡のある場所に撒いてみるのも1つの方法です。
- 防護ネットの設置:
- 庭の家庭菜園やゴミ置き場など、特に被害に遭っている場所の周囲を、目の細かいネットで囲い、物理的に侵入を防ぎます。
ステップ3:最も確実なのは「侵入経路の封鎖」(プロの領域)
タヌキがすでに床下や屋根裏といった家屋内に侵入している場合、ステップ1と2だけでは解決しません。侵入経路を特定し、そこを完全に封鎖することが、再発を防ぐ唯一の方法です。
この封鎖作業は専門的な知識と技術が必要です。
素人では難しい理由
- 侵入経路の特定: タヌキはわずか数cmの隙間から侵入します。すべての侵入口を見つけ出すのは非常に困難です。
- 確実な封鎖: 侵入できないよう、強度のある素材で確実に隙間を塞ぐ必要があります。
- 追い出しの徹底: 封鎖する前に、タヌキが中に残っていないか確認し、追い出す必要があります。中に残ったまま封鎖すると、タヌキは中で餓死し、より悲惨な腐敗臭やさらなる建物被害を引き起こします。
タヌキによる被害が続いている場合や家屋への侵入の可能性がある場合は、専門の駆除業者に相談することが、最も安全で確実かつ費用対効果の高い解決策となります。
次の項目で、優良な業者選びのポイントを確認しましょう。
深刻な被害が出る前に!タヌキ駆除は専門業者に相談すべき理由
自力での対策を試みても、タヌキの足跡が消えないまたは家屋への侵入の疑いが強まった場合、問題はすでに手に負える範囲を超えている可能性が高いです。
タヌキによる被害は放置するほどに深刻化し、最終的に高額な修繕費用や健康被害に繋がります。これ以上被害を拡大させないために、専門業者に相談をしましょう。
❶ プロに任せるべき3つのメリット
タヌキ駆除を専門業者に依頼することで、自力では対応できないしっかりした駆除ができます。
- 再発防止措置の徹底(根本解決):
- 業者は、タヌキが過去に利用したすべての侵入経路を特定し、二度と入れないように頑丈な素材で完全に封鎖します。
これは素人では見逃しがちな、被害の「根」を断つ作業です。
- 業者は、タヌキが過去に利用したすべての侵入経路を特定し、二度と入れないように頑丈な素材で完全に封鎖します。
- 法律(鳥獣保護管理法)に則った安全な駆除:
- タヌキは「鳥獣保護管理法」によって保護されており、許可なく捕獲・殺傷することは法律で禁じられています。
専門業者は、自治体の許可や専門知識に基づき、違法行為とならない形で適切に追い出し作業を行います。
- タヌキは「鳥獣保護管理法」によって保護されており、許可なく捕獲・殺傷することは法律で禁じられています。
- 清掃・消毒による衛生管理:
- ため糞による汚染は、カビや悪臭、病原菌の温床となります。
業者は単にタヌキを追い出すだけでなく、残された糞の清掃、汚染された断熱材の撤去そして強力な消毒・消臭作業まで行い衛生的な状態を回復させます。
- ため糞による汚染は、カビや悪臭、病原菌の温床となります。
❷【重要】優良なタヌキ駆除業者を選ぶ3つのポイント
こちらでは、初めて業者に依頼する方が失敗しないためのポイントをお伝えします。
- 明朗会計で相場を明確にしているか:
- 「現地調査無料」であっても、追加料金についてあいまいな業者は避けてください。被害状況に応じた見積もりを明確に出し、作業内容ごとの費用を具体的に説明してくれるか確認しましょう。
- 実績と経験が豊富か(特にタヌキ駆除の実績):
- タヌキはアライグマやハクビシンと習性が異なります。タヌキの生態や行動パターンを熟知し、捕獲・追い出し、そして侵入経路の特定・封鎖に関して十分な実績がある業者を選びましょう。
- 長期のアフターフォローがあるか:
- 再発のリスクはゼロではありません。駆除後、数年間の保証や、再発時の無料点検・再駆除などのアフターフォローが付いている業者を選んでください。
これが、不安を最終的に解消する決め手となります。
- 再発のリスクはゼロではありません。駆除後、数年間の保証や、再発時の無料点検・再駆除などのアフターフォローが付いている業者を選んでください。
害獣駆除のおすすめ業者に関しては「害獣駆除おすすめ業者10選!料金相場と選び方も紹介!」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

こちらでタヌキの駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。







