家の中を走り回るネズミが許せない!罠を仕掛けたい!という方に、家にあるもので簡単に作るネズミの罠を紹介します。
罠の作り方と設置場所についても紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

日本の住宅に潜むネズミは主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種で、強い繁殖力と高い知能を持ちます。
衛生面で病原菌や寄生虫を媒介し、深刻な健康被害を引き起こします。また、伸び続ける歯を削る習性から電気コードやガス管をかじり、火災やガス漏れのリスクを高めます。
ネズミの痕跡であるラットサインを見つけることが対策の第一歩です。
移動経路には体表の油と汚れがこすりついた黒いスジが残り、これはネズミが同じ場所を通る習性があるためです。
さらに、ネズミの種類によってフンの形状が異なり、天井裏に細長いフンがあればクマネズミ、水回りに太いフンがあればドブネズミと推測できます。
【超簡単】家にあるもので作れるネズミの罠3選

ネズミの被害に気づいた時、一刻も早く捕まえたいものです。市販のグッズを買いに行く時間がない、または粘着シートなどが効かなかったという方でも仕掛けられます。
自宅にある身近な材料だけで、ネズミの習性を利用した非常に捕獲率の高い罠を作ることができるので、ここでは手間なく作れて効果抜群のDIY罠を3つご紹介します。
❶ 捕獲率が高い!ペットボトル式ワナの作り方
多くのネズミ駆除のプロも認めるほど捕獲率が高いのが、ペットボトルを利用した「一方向トラップ」です。ネズミが一度入ったら二度と出られない構造を利用します。
- 500ml〜2Lのペットボトル(ネズミの大きさによって調整)
- カッターまたはハサミ
- 割り箸 1膳
- 輪ゴム 2つ
- 凧糸
- ゼムクリップ 1個
- 誘引剤となるエサ(ピーナッツ、揚げ物など)
- ペットボトルの加工: ボトルの上部1/3程度の位置(フタ側)を水平に切り目を入れます。
- 入り口の作成: 全部切り離された面を下にして、切り離した上部分と下部分の両方とも、左右の壁に穴をそれぞれ1つずつ合計4つ開けます。
- 仕掛けの作成:開けた穴に割り箸を通し、割り箸に輪ゴムをかけます。
ペットボトルの底に小さな穴を開け、凧糸をボトルの口に結びつけペットボトルが程よく開く角度を見つけて凧糸の反対側に輪っかを作ります。 - エサの設置: ゼムクリップの一片を伸ばし、輪になっている方に餌を仕込みます。
- 固定:ゼムクリップの伸ばした部分をペットボトルの内側から外側に通し、そこに凧糸の輪を引っ掛けます。
❷ 米びつやバケツで代用!落ちたら出られない「落とし穴式」
高さを利用してネズミを捕獲する、シンプルながら非常に効果的な罠です。警戒心の強いネズミでも安心して登れるような仕組みを作るのがポイントです。
- 高さ30cm以上の深めのバケツまたは米びつ(ネズミが飛び出せない高さが必要)
- フタ、または厚紙、板切れ(バケツの上に渡せるもの)
- 棒状のもの
- 誘引剤となるエサ
- 足場を作る: バケツの外側から、ネズミが登ってフタ(または厚紙)まで辿り着けるような足場(木の棒や積み重ねた本など)を用意します。
- フタの設置: バケツの口の中心に棒状のものを渡し、その上に厚紙や板を乗せシーソーを作ります。
- シーソー式の工夫(上級編): 厚紙や板をバケツの口に固定せず、中心を軸にしてシーソーのようにグラグラするよう設置します。ネズミがエサを目指して中央に乗った瞬間にバランスを崩し、バケツの中に落ちるように仕掛けます。
- エサの設置: フタの真上や、シーソーの先端部分にエサを置きます。
❸ 段ボールと割り箸でOK!粘着シートを活かす誘導型ワナ
市販の粘着シートは便利ですが、広範囲に敷いてもネズミが避けて通る場合があります。そこで、家にあるもので「強制的に粘着シートの上を通らせる」道筋を作って捕獲します。
- 市販の粘着シート
- 段ボール箱(小型〜中型)
- ハサミやカッター
- 割り箸
- トンネルの作成: 段ボール箱の側面に、ネズミが出入りできる程度の小さな穴(幅3〜5cm程度)を開けます。
- 粘着シートの配置: 作った段ボールの中に、粘着シートを敷き詰めます。
- エサで誘導: トンネルの奥(粘着シートの上)にエサを置きます。
- 割り箸で固定: 粘着シートがズレて壁に密着しないよう、割り箸などでシートの端を軽く押さえておくと、ネズミが通りやすくなります。
絶対に捕まる!ネズミ罠を仕掛ける設置場所
どんなに高性能な罠を作っても、設置場所を間違えるとネズミは警戒して近づきません。ネズミを確実に捕獲するためには、ネズミの「通り道(ラットサイン)」を見つけることが何よりも重要です。
ここでは、ネズミの行動習性を利用した、捕獲成功率を飛躍的に高める「黄金の設置戦略」を解説します。
❶ ネズミの通り道を見つける3つのサイン(フン、足跡、ラットサイン)

ネズミは非常に警戒心が強く、常に同じ安全なルートを通る習性があります。ネズミの通り道(ラットサイン)を見つけることが、罠設置の第一歩です。
| サイン | 特徴と見つけ方 |
| フン | 直径3~6mm程度の黒っぽい米粒状のフンが、一箇所に集中して落ちている場所。この場所が休息場所やエサ場に近い証拠です。 |
|---|---|
| 足跡・尾の跡 | ホコリが積もった場所や、小麦粉などを薄く撒いた場所に、小さく細長い足跡や尾を引きずった跡がないか確認します。 |
| ラットサイン | 壁や柱、家具の隅などが体毛の油で黒く汚れている筋。ネズミが繰り返し通ることでできる、最も信頼性の高い通り道の証拠です。 |
❷ 罠を仕掛けるべき場所:壁際、隅、侵入経路の直上
ネズミの行動習性として、「周囲を壁や物に囲まれている場所」を好みます。これは、敵から身を守るためです。
罠を設置する際は、以下のポイントを必ず意識してください。
- 壁際(かべぎわ)に沿って設置する
- ネズミは空間の真ん中を横切ることを嫌い、必ず壁際や家具の裏側を伝って移動します。罠は必ず壁に対して垂直ではなく、平行(ネズミの進行方向と平行)に沿わせて置くことで、ネズミが避けることなく通過しやすくなります。
- 「T字」や「L字」の角に設置する
- 壁や家具の角(コーナー部分)は、ネズミが方向転換する際に立ち止まりやすいポイントです。ここに罠を設置すると、エサへの誘導が成功しやすいです。
- 侵入経路や出入り口の直上
- 天井裏や床下から室内へ入ってきている隙間や穴のすぐ近く(出口付近)は、通過を避けられないため捕獲率が非常に高い場所です。
❸ 絶対に避けるべき設置場所と注意点
罠の設置において、ネズミに警戒されてしまう場所や環境を避けることも重要です。
| 避けるべき場所 | 理由 |
| 人通りが多い場所 | ネズミは物音や光に敏感です。人やペットの往来が多い場所では警戒し、罠に近づきません。 |
|---|---|
| 湿気が多い場所 | 罠がすぐに劣化したり、粘着シートの効果が落ちたりします。また、エサがカビる原因にもなります。 |
| 普段からエサがある場所 | 台所の床など、他の食べ物が多い場所に設置しても、罠のエサに興味を示さない可能性があります。 |
さて、罠の設置場所が特定できたら、次はネズミが来なくなるための根本的な対策に移りましょう。 DIYで一時的な解決ができても、再発を防ぐことができなければまた繰返しになります。
捕獲に成功したら!その後の正しい処理と再発を防ぐ対策

ネズミの駆除は「捕獲後の処理」と「再発防止」まで完了させなくてはいけません。
ネズミは様々な病原菌や寄生虫を運んでいます。安全と衛生を確保するために、正しい手順で対応しましょう。
❶ 捕獲後のネズミの適切な処理方法
捕獲したネズミを処理する際は、絶対に素手で触らないようにしてください。
- 安全確保と準備
- マスクと手袋の着用: 病原菌やダニの感染リスクを防ぐため、必ずゴム手袋やビニール手袋、マスクを着用してください。
- 生きたまま捕獲した場合: ペットボトル罠などで生きたまま捕獲した場合、その後の処理は自治体によってルールが異なります。多くの場合、山など自然に放すことは禁止されています。お住まいの地域の役所に問い合わせて、適切な処分方法を確認してください。
- 衛生的な処理
- 二重の袋に入れる: 粘着シートやカゴ罠などで捕獲したネズミは、罠ごとビニール袋に入れ、さらにそれをもう一枚の袋で二重にします。
- 消毒を行う: 処理に使用した場所や、ネズミが接触したと思われる場所、そして罠の周辺を、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなどを希釈したもの)またはアルコール消毒液でしっかり消毒・拭き掃除します。
- 廃棄(一般ゴミではない)
- 処理後のネズミ(死骸)は、一般のゴミとして出すことが禁止されている自治体が多いです。
- 「可燃ごみ」として出せる場合でも、「ネズミの死骸」であることを明記する必要があります。必ずお住まいの市町村の清掃センターや環境課に確認し、指定された方法で廃棄してください。
❷【最も重要】ネズミが再び入ってこないための侵入経路封鎖術
ネズミの被害が再発する最大の原因は、「侵入経路」が残っていることです。ネズミはわずか1.5cm〜2cm程度の隙間(10円玉サイズ)があれば容易に侵入できます。
以下の場所を中心に、ネズミが侵入する可能性のある穴や隙間がないか、徹底的にチェックしてください。
- 水回り・配管周り: 台所や洗面台の下の排水管や給湯管が壁を貫通している隙間
- エアコン: エアコンの配管が壁を貫通している部分(パテが剥がれていないか)
- 換気扇・通気口: 換気扇の隙間や、基礎部分の通気口(金網が破れていないか)
- 建物の基礎: 基礎のコンクリートのひび割れや、戸袋の隙間、雨戸のレール
🛠️ DIYでできる具体的な封鎖方法
ネズミは非常に硬いものでもかじる力を持っているため、かじられない材料で封鎖することが必須です。
| 封鎖対象 | 使用すべき材料 |
| 小さな隙間・穴 | 建築用パテ、または防鼠用パテ(ネズミの嫌がる成分入り)を隙間に埋め込む。 |
|---|---|
| 大きな穴・通気口 | 金網(パンチングメタル)またはスチールウールを詰めた上で、その上からパテやコーキング材で固定する。 |
| 配管周り | 侵入防止用の金属性のカバーやパテを隙間なく使用する。 |
これでネズミの捕獲から再発防止までの一連の流れは完了です。しかし、もし「侵入経路が特定できない」「被害が広範囲に及んでいる」といった場合は、自力での解決は非常に困難です。
そうなってしまった場合には、プロの駆除業者に相談することも、根本的な解決の選択肢となります。
DIYで解決できない時はプロの力を借りる

ネズミの捕獲や侵入経路の封鎖を試みても、被害が収まらない、またはネズミの気配が消えない場合、自力では手に負えないレベル*に被害が拡大しているサインです。
専門のプロに頼むことは不安を完全に解消し、安心で衛生的な生活を取り戻すために良い手段です。
❶ プロに頼むべき3つのポイント
以下のうち一つでも当てはまる場合は、速やかに専門業者への相談を検討してください。
- 健康被害の不安がある
- ネズミのフンや尿が広範囲に散らばり、清掃が追いつかない。
- ネズミが運ぶ病原菌やダニによって、家族の健康に影響が出るのが心配。
- 天井裏や壁の中など、手が届かない場所の消毒・清掃を徹底したい。
- 捕獲してもすぐに再発する(個体数が多い)
- 自作の罠や市販の罠で捕獲しても、数日後にはまた物音がする。
- これは、駆除すべきネズミの数が多く、すでに家の中で繁殖している可能性が高いことを示します。
- 侵入経路や生息場所が特定できない
- ラットサイン(黒い汚れなど)が見つからない、または侵入経路と思われる穴が複雑で封鎖できない。
- 天井裏や床下など、手の届かない隠れた場所に巣を作っている可能性がある。
❷ 業者に依頼するメリット
プロの駆除業者に依頼することで、DIYではできないレベルの駆除の効果を得ることができます。
| 業者依頼のメリット | 詳細 |
| 徹底的な駆除と根絶 | ネズミの習性と生態を熟知しており、家庭用の罠では届かない場所に潜むネズミも確実に駆除できます。 |
|---|---|
| 再発防止の保証 | 侵入経路を完全に特定・封鎖し、駆除後の再発保証(保証期間は業者による)が付くことが多いため、費用対効果が高いです。 |
| 消毒・清掃による衛生管理 | 捕獲・駆除だけでなく、ネズミのフンや死骸による細菌やダニの除去(殺菌・消毒)まで行い、建物の衛生状態を回復させます。 |
❸ ネズミ駆除業者を選ぶ際のチェックポイント
不安な気持ちで業者選びを失敗しないよう、信頼できる業者を見極めるためのチェックしましょう。
- 見積もりは無料か、内訳は明確か?
- 追加料金が発生しないか、総額と作業内容を事前に必ず確認しましょう。
- 実績と経験は豊富か?
- 駆除実績や、自宅と似た環境での作業経験があるかを確認しましょう。
- 再発保証は付いているか?
- 駆除後の保証期間や、再発時の対応について書面で確認しましょう。
DIYで解決できれば一番良いのですが、それでもネズミが減らないようであれば、このチェックをして、信頼できる業者選びをしましょう。
専門業者への相談と見積もりは無料のところが多いです。まずは無料相談をしてご自宅の被害状況を正しく把握することから始めてみましょう。
害獣駆除のおすすめ業者に関しては「害獣駆除おすすめ業者10選!料金相場と選び方も紹介!」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

こちらでネズミ駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。








