ネズミは音で駆除できる？嫌がる音と超音波駆除の知識と正しい使い方を解説

「ネズミが嫌いな音で追い出せる」と聞いたことありませんか？ネズミの被害に遭っている方には、ぜひこの方法で駆除したいと思いますよね。

そこで、この記事ではネズミの嫌がる音や効果のない音、効果的な駆除方法を紹介します。

ネズミ被害に遭っている方の参考になれば幸いです。

ネズミが嫌がる音とは？超音波のメカニズムを解説

ネズミの被害に遭っている方にとって、「音で追い出せるなら、手軽で安全で最高だ！」と思いますよね。実際にネズミ対策として「超音波発生装置」が広く販売されていますが、なぜ「音」がネズミ対策になるのでしょうか？

ここでは、ネズミの聴覚の特徴と、超音波がネズミに与える影響のメカニズムを解説します。

❶ ネズミの可聴範囲は人間とどう違う？

ネズミが嫌がる音を理解する上で、まず知っておきたいのが、ネズミの驚異的な聴力です。

人間の耳が聞き取れる音の範囲（可聴域）は、一般的に20Hz（低い音）から20,000Hz（20kHz/高い音）までとされています。しかし、ネズミの可聴域はこれよりもはるかに広大です。

ネズミは、人間には全く聞こえない20kHz～100kHzという非常に高い周波数帯の音を聞き取ることができます。この20kHz以上の高周波数の音を「超音波」と呼びます。

ネズミは、超音波を仲間とのコミュニケーションや、危険を察知するために使っています。このネズミが常に頼りにしている周波数帯を、不快なノイズとして浴びせかけることが、超音波対策の基本的な原理となります。

❷ 超音波がネズミにストレスを与える仕組み

ネズミ駆除用の超音波発生装置は、ネズミが嫌うとされる20kHz以上の超音波を発生させます。この音をネズミが浴びると、ネズミの生活環境は以下のような状態になります。

このメカニズムは、殺鼠剤や粘着シートのように物理的に捕獲・殺傷するのではなく、あくまでネズミが「居心地の悪さ」を感じて自発的に逃げ出すことを促す安全な方法です。

ただし超音波だけではネズミが「慣れて」しまう真実

超音波対策は安全で魅力的ですが、ここで非常に重要な真実をお伝えしなければなりません。それは、超音波を長時間同じ周波数で流し続けると、ネズミは音に慣れてしまい、効果が薄れてしまうという弱点があることです。

ネズミは非常に賢く、生命力が強い動物です。最初は効果があっても、「この音は特に危険ではない」「攻撃してくるわけではない」と学習すると、ストレスに耐えてその場に留まり続けるようになります。

そのため、超音波対策を成功させるには、この「慣れ」を防ぐ工夫、そして「音」に頼りきらない根本的な対策を並行して行うことがおすすめです。

ネズミ対策として効果がないとされる音源

ネズミの超音波対策を検討している方の多くは、手軽に試せる「YouTubeの音」や「アプリの音」を最初に試そうとします。しかし、これらの音源は残念ながらネズミ対策としてはほとんど効果が期待できません。

なぜ手軽な音源が効かないのか、その理由を説明します。

❶ スマホやYouTubeの音源では効果がない理由

インターネット上には「ネズミが嫌がる音」として、超音波を謳った動画やアプリが存在します。これらは手軽に試せますが、ネズミ駆除のプロの視点から見ると以下のような決定的な弱点が3つあります。

❷ 素人が出す大きな音や特定の高音もNGな理由

「超音波がダメなら、人間が聞こえる範囲の大きな音を出せばいいのでは？」と考える方もいますが、これも得策ではありません。

ネズミ対策として「音」を試す場合は、必ずネズミ駆除専用に設計され、周波数可変機能を備えた超音波発生装置を選ぶようにしましょう。

安易な音源で時間を無駄にすることは、被害を長引かせ、ストレスを増やす結果になりかねません。

効果を最大化する超音波発生器の選び方5つのポイント

YouTubeの音源では効果がないことが分かりました。では、市販の超音波発生器を選ぶ際、何を基準に選べばネズミを確実に追い出す効果を最大化できるのでしょうか？

効果を一時的なものに終わらせずネズミにストレスを与え続けるための、重要な5つのポイントを解説します。

ポイント1：周波数可変式（ランダム変動）であること

超音波対策の最大の鍵は、ネズミを音に「慣れさせない」ことです。

ネズミは賢く、単調な音にはすぐに慣れてしまいます。そのため、周波数が一定の超音波器では、長くても数日で効果がなくなってしまいます。

最も効果的なのは、周波数が自動的かつランダムに切り替わる「周波数可変式（オートチェンジ機能）」の機種です。

これにより、ネズミは常に予測不能な高周波ノイズにさらされ続け、「この場所は危険で落ち着かない」という判断をして追い出し効果を発揮します。

ポイント2：音圧（デシベル）が高い機種を選ぶ

超音波は波の性質を持っているため、距離が離れたり家具や壁に当たったりすると、そのエネルギーが急速に減衰します。

ネズミの活動範囲全体に十分なストレスを与えるには、音圧（音の強さ、デシベル/dBで表記）が高い機種を選ぶ必要があります。

製品パッケージや説明書に記載されている音圧をチェックし、自宅の広さや部屋の数に合った強力な出力を備えたものを選びましょう。

ただし、人間には聞こえない超音波であっても、ペット（特に犬や猫、ハムスターなどの小動物）には影響を与える可能性があるため、ペットを飼っている場合は「ペットに配慮した設計」がされているかどうかも確認が必要です。

ポイント3：設置場所に適したタイプ（電池式・コンセント式）を選ぶ

超音波発生器には、主にコンセント式と電池式があります。設置場所に応じて最適なタイプを選ぶことで、効果の持続性を確保できます。

• コンセント式： リビング、キッチンなどコンセントがある場所に適しています。24時間稼働させたい場合に最適です。
• 電池式： 天井裏、床下、倉庫など、電源がない場所に設置するのに便利です。バッテリーの残量に注意して、頻繁にチェック・交換する必要があります。

ポイント4：広範囲をカバーできる複数設置の重要性

超音波は人間が話す声と同じように、壁や家具などの障害物を通り抜けることができません。

そのため、ネズミの被害が複数の部屋やエリアに及んでいる場合、一台の超音波器だけでは効果は限定的です。

ネズミの活動が確認されている場所ごとに、障害物を避けるように超音波器を複数設置することで、超音波の届く「死角」をなくし、追い出し効果を高める必要があります。

ポイント5：LEDライト（フラッシュ）機能の有無

多くの超音波発生器には、音波に加えて強力なLEDフラッシュ光を同時に発する機能が搭載されています。

夜行性のネズミにとって、この突然の強い光は聴覚的なストレスに加えて視覚的なストレスを与え、恐怖心を煽る効果があります。

音と光の複合的な攻撃は、ネズミの学習能力を上回り、その場所から早く逃げ出したいという気持ちを強めるため、駆除効果の向上が期待できます。

設置する場所と注意点：超音波が届きにくい場所は

効果の高い超音波発生器を選んでも、設置場所を間違えると効果は半減してしまいます。

ここでは、超音波が持つ物理的な特性を理解しネズミに確実にストレスを与え、かつ安全に利用するための重要な注意点を解説します。

❶ 超音波は「壁」や「家具」を通り抜けない

超音波は、基本的に光と同じように直進する性質を持っています。人間の耳には聞こえませんが、その物理的な特性は可聴音と変わりません。

❷ ペット（犬・猫）への影響は？

超音波は人間には聞こえませんが、ネズミと同じく可聴域の広い犬や猫などのペットには、少なからず影響を与える可能性があります。

音対策だけでは不十分！ネズミ駆除の3原則とは

ここまで、超音波発生器の選び方と使い方を解説してきましたが、ネズミの駆除には、「音」対策だけでは不十分です。

超音波は、あくまでネズミを一時的に「追い出す」ための手段です。しかし、ネズミは非常に執着心が強く、一度住処と決めた場所には、音が止んだり慣れたりするとすぐに戻ってきます。

被害の根を断ち、平和な日常を取り戻すための「駆除の3原則」を紹介します。

原則1：侵入経路の封鎖（必須の根本解決）

ネズミ駆除において、最も重要であり、専門家が最も時間をかける作業がこの「侵入経路の封鎖」です。

ネズミは、わずか1.5cm～2cm（種類によりますが、10円玉ほどの大きさ）の隙間があれば簡単に侵入できます。どれだけ屋内のネズミを追い出しても、新しいネズミが侵入してしまっては意味がありません。

原則2：エサとなるものの除去と清掃

エサとなるものをなくして、きれいにしましょう。

ネズミが家に留まる最大の理由は、「エサがあるから」です。ネズミの生存に必要な食料と水がなければ、そこに居座るメリットはありません。

この環境整備を行うことで、たとえ侵入を許したとしても、ネズミが長く定住することを防ぐことができます。

原則3：捕獲または駆除（粘着シート/殺鼠剤）

侵入経路を塞ぎエサを片付けたら、最後に屋内に残っているネズミを確実に駆除する必要があります。

超音波は、これら3原則を実行するための「アシスト役」として活用しましょう。

つまり、超音波でネズミを警戒させ隠れ場所から引き出し、その間に粘着シートで捕獲したり封鎖作業を終わらせたりするという連携が理想です。

被害レベル別！自力駆除とプロ依頼の判断基準

超音波対策や侵入経路の封鎖を試みたとしてもネズミ被害が収まらない場合、不安やストレスは増します。

「まだ自力で頑張るべきか？」「もう専門家に頼むべきか？」と迷うのは当然です。被害を放置せず確実に安心を取り戻すためにも、ご自身の現在の被害レベルに合わせて次の行動を判断しましょう。

被害レベル	状態の目安	推奨される対策
軽度	足音がたまに聞こえる程度（週に数回）、フンや食害は限定的	超音波器 + 侵入経路封鎖 + 環境整備
中度	毎日足音が聞こえる、フンや齧り跡が目立つ、対策後に再発した	粘着シート/殺鼠剤による捕獲強化 + 侵入経路の徹底的な再点検
重度	頻繁にネズミを見かける、大量のフンや強い悪臭、配線被害の可能性	専門業者への依頼を強く推奨

何よりも大切なのは、ネズミによるストレスを抱え続けないことです。もし今、精神的な負担が大きいと感じているなら、それはプロに頼るべきタイミングです。

自力での解決が難しいと感じたら、迷わずプロへ相談を

ご自身の被害レベルが「中度」または「重度」であると判断された方、あるいは自力での対策に疲れ果ててしまった方は、迷わずプロに相談しましょう。

❶ プロに頼むべき3つの理由

超音波器や粘着シートでは解決できない問題も、専門業者であれば以下の3つのメリットによって一掃できます。

❷ 失敗しない優良な害獣駆除会社の選び方

プロに頼むことが解決への近道ですが、悪質な業者を選んでしまうと、高額な請求をされたり、駆除が不徹底で再発したりするリスクがあります。

優良な業者を選ぶためには、以下の点に注目しましょう。