庭にモグラが出てしまったら、早く退治したいものです。
こちらの記事では、お庭の害獣が本当にモグラなのかを確認する方法や、効果的なモグラ退治のグッズとその使用方法をご紹介します。
モグラ被害で困っている方のお役に立てれば幸いです。

モグラは、害獣の中でも特に土壌に被害をもたらす哺乳類です。
その存在を示す最大の特徴は、地面に現れるモグラ塚と呼ばれる円錐状の土の盛り上がりで、これはトンネルを掘る際に邪魔になった土を地上に押し上げた跡です。
この塚や地表の盛り上がり(トンネル)が、庭の景観を損ねたり、芝生を枯らしたり、畑の農作物の根を傷つけたりして大きな被害を生みます。
モグラ自体は肉食性で農作物を食べることはありませんが、ミミズなどの益虫を捕食し、トンネルが水路の役割を果たして田畑の水が抜ける原因にもなります。
地中生活が中心のため、ネズミのようなフンや足跡を地上で頻繁に見ることはほとんどありません。
被害を見つけたら、まずはこのモグラ塚を探すことが駆除の第一歩となります。
【この記事で参考にした文献】
モグラの被害と、対策前の重要確認事項
モグラの被害に気づいたとき効果的に退治を行うためには、まずモグラ側の視点を知ることが必要です。
ここでは、モグラ退治を始める前に知っておくべきモグラの被害の特徴と、法律上の重要な注意点について解説します。
❶ モグラが引き起こす具体的な被害と深刻度
モグラと聞くと、「土を掘る動物」というイメージですが、その被害は単なる穴掘り以上の深刻な問題を引き起こします。
| 被害の種類 | 具体的な内容 | 深刻度 |
|---|---|---|
| モグラ塚 | 庭や芝生上に土が盛り上がった山(塚)ができる。 | 美観の破壊(大) |
| 根の切断 | トンネルを掘る際、庭木や農作物の根を無差別に切断し、植物が枯れる原因となる。 | 植物への実害(大) |
| トンネル被害 | 地下浅い部分にトンネルが作られ、芝生が浮き上がったり、踏み抜きによる怪我のリスクが発生。 | 景観・安全性の問題 |
| 食害(間接的) | モグラが地中のミミズや昆虫を食べることで、土壌内の生態系バランスが崩れる。 | 土壌環境の悪化 |
モグラは一度気に入った場所を見つけると、餌が尽きるまであるいは追い出されるまで執拗にトンネルを掘り続けます。
放置すると被害は拡大する一方なので、早めの対処がポイントです。
❷ そもそも被害は本当にモグラ?(似た害獣との見分け方)
「穴を掘る=モグラ」と考えがちですが、似たような被害をもたらす動物もいます。
動物にょって対策方法が全く異なるため、原因を特定することが駆除の第一歩です。
| 害獣 | 穴や塚の特徴 | 被害の種類 |
|---|---|---|
モグラ![]() | 📍モグラ塚:盛り上がった山型で、トンネルの通り道が地表近くに見える。穴の周囲に排泄物がない。 | 根や芝生の被害 |
野ネズミ![]() | 📍穴:比較的垂直で小さく、穴の周りに土が散らばっていないことが多い。穴の入り口付近に食べ残しがある場合も。 | 農作物の食害(地上部や種) |
ハクビシンなど![]() | 📍穴:大きい穴を掘ることは稀で、庭の隅や物置の下などに潜り込むために掘る。 | 騒音、糞尿による被害。 |
特にモグラは「ミミズや幼虫」を食べる肉食で、農作物を直接食べることは稀です。もし作物が食べられている場合は、ネズミや他の動物の可能性も視野に入れましょう。
❸ 【重要】知っておくべき法律(鳥獣保護管理法)
モグラ退治を始める上で、最も注意しなければならないのが法律です。
日本では、モグラを含む野生の鳥獣は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(通称:鳥獣保護管理法)」によって保護されています。
もし捕獲器を使ってモグラを捕まえたい場合、お住まいの自治体への申請・許可が必要です。
これが、市販されているモグラ対策グッズの多くが「捕獲器」ではなく、「忌避剤(きひざい)」や「超音波・振動による撃退グッズ」である最大の理由です。
被害に悩む気持ちはわかりますが、安全かつ法に触れることなく問題を解決するために、「退治=追い出す(忌避)」から始めるのが最も現実的なアプローチとなります。
モグラが嫌がる環境を作る!効果的な忌避対策
モグラの最大の弱点は、地中での生活を支える「優れた嗅覚と聴覚」です。これらを刺激して「ここは危険な場所だ」「居心地が悪い」と思わせる環境を作り、自ら逃げてもらいましょう。
❶ モグラの弱点を突く「音・振動」を使った忌避グッズ
地中に響く音や振動は、モグラにとって地震のような恐怖を感じさせます。
| 対策の種類 | メリット | デメリット/注意点 |
|---|---|---|
| 超音波式 撃退器 | 地中に差し込むだけで設置が簡単。電池式やソーラー式があり電源不要。 | 効果範囲が限られるため、広範囲には複数設置が必要。機種により効果にバラつきがある。 |
| 手作りの風車 | 材料費が安く、誰でも簡単に作れる。 | 風の強さに効果が左右されるため、継続的な効果は期待しづらい。被害が深刻な場合は不向き。 |
過去にペットボトル風車などで効果がなかった方は、「振動の持続性」と「設置場所」を見直しましょう。
- 連続的な振動を選ぶ: 風任せの風車より、一定間隔で強制的に振動を発生させる電子式の撃退器(モグラセンサー)を選びましょう。
- モグラの通り道にピンポイントで: モグラは基本的に決まったルート(本道)を通ります。盛り上がったモグラ塚の間や、新しく掘られたトンネルの近くに設置することで、通り道からの離脱を促します。
- 地中の奥深くまで差し込む: 振動が地表で終わらないよう、製品の推奨に従ってしっかりと地中に埋め込みましょう。
❷ モグラが嫌う「臭い」を使った忌避剤・薬剤
モグラは視覚がほとんど効かない代わりに、嗅覚が非常に優れています。強い刺激臭は、餌を探す行動を邪魔し、モグラのストレスになります。
| 顆粒・粒剤タイプ | 煙タイプ(燻煙剤) | |
|---|---|---|
| 具体的な製品例 | 木タール(木酢液)・ニンニク・硫黄成分などを含んだ粒。 | トンネルに差し込んで火をつけ、刺激臭の煙を送り込む。 |
| 期待できる効果 | モグラの嗅覚を刺激し、トンネル内を移動しづらくする。 | 煙がトンネル全体に行き渡りやすく、即効性が高い。 |
| 注意点 | トンネルに差し込んで火をつけ、刺激臭の煙を送り込む。煙がトンネル全体に行き渡 | 使用後はトンネルを塞ぐ必要がある。煙が出るため使用場所に注意が必要。 |
- ペットや子供が触れない場所に: 忌避剤の中には、強い臭いだけでなく、誤飲や皮膚への刺激があるものもあります。設置場所をフェンスで囲うなどの配慮が必要です。
- 「追い出し」を意識した設置を: 忌避剤を庭全体にまくと、モグラはどこへ逃げていいか分からず、庭の真ん中に留まる可能性があります。庭の端や侵入経路側に集中して使用し、外へ逃げやすい状況を作り出すことが大切です。
❸ 侵入経路を断つ物理的な対策
最も確実な再発防止策は、そもそもモグラを庭に入れさせないことです。
- 防獣ネットの埋設(モグラ返し):
- モグラは地面から10〜30cmほどの深さを掘って侵入してきます。
- 庭の周囲(特に塀やフェンスの下)に、目の細かい金属製のネットやワイヤーメッシュを地中30cmほどの深さまで垂直に埋め込むことで、物理的に侵入を遮断できます。
この対策は設置に手間がかかりますが、一度行ってしまえば長く続く対策となります。
自力での忌避対策は試しやすい反面、モグラの執着心や広範囲の被害には限界がある場合があります。
捕獲による退治を検討する場合(※限定的な選択肢として)
前の項目でご紹介した忌避対策を試しても効果が出ない場合や、「一時的な追い出しではなく、確実に庭からいなくしてほしい」という根本的な解決を望む方は、「捕獲」による退治となります。
しかし、自力でのモグラの捕獲は、法律・技術・倫理の3つの観点から、非常にハードルが高く、限定的な選択肢であることをまずご理解ください。
❶ 捕獲器の種類と選び方
市販されているモグラ捕獲器は、主に以下の2種類に大別されます。
| 捕獲器の種類 | 目的と特徴 | 自力での難易度 |
|---|---|---|
| 筒型トラップ(生け捕り式) | モグラの通り道に筒状の捕獲器を仕掛け、中に入ると出られない構造。生きたまま捕獲する。 | 【高】:モグラの警戒心が強く、エサの無い筒に入りにくい。 |
| 挟み込み型(殺傷式) | モグラがトンネルを通った瞬間にバネが作動し、モグラを殺傷する。 | 【最高】:トンネル内の最適な深さ・角度への設置に高度な経験が必要。 |
❷ 鳥獣保護法を遵守するための注意点とリスク
自力で捕獲を試みる前に、次の2つの重要事項を必ず確認してください。モグラ退治で最もリスクが高いポイントです。
① 【最重要】「捕獲許可」なしの捕獲・殺傷は法律違反
モグラは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」により守られている野生動物です。
捕獲器を使用しモグラを捕まえたい場合、お住まいの自治体(市町村役場など)に事前に申請を行い、「有害鳥獣捕獲許可」を得る必要があります。
この手続きは手間がかかる上に、許可が下りないケースもあります。
② 設置の難しさとモグラの学習能力
捕獲の成功には、専門家レベルの技術が求められます。
- 本道の特定: モグラが頻繁に通る「本道」を正確に見極めなければ、捕獲器は意味をなしません。
- 臭い対策: 捕獲器に人の臭いがついていると、モグラは警戒してすぐに新しいトンネルを掘って回避してしまいます。
- トンネルの構造維持: 捕獲器を仕掛けるためにトンネルを掘り起こす際、トンネルの構造を壊さないように慎重に埋め戻す必要があります。
一度捕獲に失敗すると、そのモグラは捕獲器に対して学習してしまい、その後の対策の成功率が著しく下がってしまいます。
自力での捕獲は、法律の順守、高度な技術、そして捕獲後の適切な処理という非常に大きな壁があります。
「もう二度とモグラの被害に悩まされたくない」と根本的な解決を望むのであれば、捕獲許可の申請から、モグラの生態に合わせた正確な捕獲、その後の適切な処分まで一貫して任せられる専門の駆除業者に依頼することをおすすめします。
モグラの被害が広範囲に及んでいる、あるいは自力での対策に限界を感じている場合は、迷わずプロの駆除業者に相談しましょう。
自分でやるべきか、プロに頼むべきか?判断基準
忌避対策や振動対策など、自力でできることは試してみたものの、「本当にこれで大丈夫だろうか」と不安になるのは当然です。
モグラ退治を成功させるには、被害状況や労力、予算に応じて、「自力解決」と「プロ依頼」のどちらが最適かを見極めることが重要です。
ここでは、状況を客観的に判断するためのポイントを紹介します。
❶ 【チェックポイント】業者依頼を検討すべき深刻な被害状況
次の項目に1つでも当てはまる場合、被害は自力での解決が難しいため、専門業者への依頼を検討しましょう。
| 項目 | 業者依頼を検討すべき理由 |
|---|---|
| ① 対策失敗の経験がある | 過去に自力で対策(忌避剤、振動器など)を2回以上試したが、効果がなかった。 |
| ② 被害範囲が広大である | 庭や畑の面積が広く、モグラ塚が1週間に5個以上など、被害が進行している。 |
| ③ 法律や捕獲に抵抗がある | 捕獲には法律の許可が必要なことや、生き物を自分で処分することに抵抗がある。 |
| ④ 芝生や作物が深刻な状態 | モグラのせいで芝生の根が剥がれたり、育てている作物の生育に目に見える影響が出ている。 |
| ⑤ 時間や手間をかけられない | 対策のための時間的な余裕がなく、モグラ退治の作業自体が大きなストレスになっている。 |
❷ 業者依頼のメリット・デメリット
モグラの被害によるストレスを確実に解消するためにも、業者依頼を選択した場合のメリットとデメリットを比較検討しましょう。
| メリット(プロに任せることで得られる安心) | 確実性の高い解決: モグラの生態を熟知したプロが、トンネルの構造を見極めて最も効果的な対策(捕獲・忌避)を行うため、成功率が非常に高い。 再発防止の保証: 多くの優良業者は、駆除後の「再発保証期間」を設けており、万が一モグラが戻ってきても無償で再対応してくれる。 法律・手続きの安心: 捕獲が必要な場合も、業者側が法に基づいた手続きを行うため、法律違反を心配する必要がない。 時間と労力の節約: 試行錯誤する手間がなくなり、すぐにストレスから解放される。 |
|---|---|
| デメリット(依頼時に考慮すべき点) | 費用が発生する: 当然ながら、自力での対策に比べて費用がかかります。費用は被害の規模や駆除方法によって大きく異なります。 業者の見極めが必要: 悪質な業者に騙されないよう、料金体系や実績をしっかり比較検討する必要があります(次の章で詳しく解説します)。 |
失敗しないモグラ駆除業者の選び方と費用相場
モグラ駆除を業者に依頼すると決めたら、いよいよ「どの業者を選ぶか」が重要になります。残念ながら、駆除業界には悪質な業者も存在します。
大切な庭と費用を守るため、「適正な価格」と「確かな技術・保証」を提供する優良業者を見分けるためのポイントを解説します。
❶ 良い駆除会社を見分ける3つのポイント
モグラ駆除業者は、こちらの3つの視点から比較検討しましょう。
① 駆除方法と法律遵守の説明が明確であるか
優良業者は、駆除の前に必ず以下の点を明確に説明します。
- 駆除方法: 捕獲なのか、強力な忌避処置なのか、再侵入防止策(物理的な対策)なのか。
- 法律遵守: 捕獲を行う場合、自治体への許可申請を代行またはサポートしてくれるか。法律を無視した駆除方法を勧める業者は絶対に避けるべきです。
- 作業内容: 「モグラの本道を見極める」など、専門的な技術を伴う作業内容を具体的に説明できるか。
② 料金体系が明確で、追加費用がないか
モグラ駆除の費用は、被害の範囲や駆除方法によって変動します。
悪質な業者は、最初の見積もりを安く見せておき、後から「追加の薬剤費用」「緊急出動費」などを上乗せして高額請求するケースがあります。
必ず確認すべき点
- 現地調査・見積もりは無料か。
- 「総額」で見積書を提示してくれるか。
- 作業後の追加費用の有無を明確に保証してくれるか。
③ 再発保証(アフターフォロー)がついているか
モグラは一度追い出しても、エサや環境が好都合であれば再び侵入してくる可能性があります。
優良業者の多くは、駆除完了後、一定期間内にモグラの被害が再発した場合に無償で再施工を行う「再発保証」を設けています。保証期間(例:3ヶ月〜1年)と、保証の範囲を必ず契約前に確認しましょう。
❷ 気になる費用は?モグラ駆除の料金相場と見積もり時の注意点
モグラ駆除にかかる費用は、被害状況と依頼する業者によって大きく異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
| 駆除方法 | 費用相場(目安) | 費用の変動要因 |
|---|---|---|
| 忌避・追い出し | 10,000円〜30,000円程度 | 薬剤の種類や設置範囲 |
| 捕獲・駆除 | 20,000円〜50,000円程度 | 捕獲台数、許可申請の手間、再発保証の有無 |
| 再侵入防止工事 | 30,000円〜100,000円以上 | 物理的にネットを埋設する範囲や深度 |
※上記の費用はあくまで目安です。出張費用や再発保証の費用を含むかどうかは業者によって異なります。
高額請求や、サービス内容の不透明さを避けるためには、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が最も効果的です。
- 3社程度の業者に見積もりを依頼する。
- 料金だけでなく、「駆除方法」「保証期間」「追加費用」を必ず比較する。
- 担当者の説明が丁寧で、信頼できるかを重視する。
害獣駆除のおすすめ業者に関しては「害獣駆除おすすめ業者10選!料金相場と選び方も紹介!」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

こちらでモグラの駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。




