季節に関わらずゴミを荒らすカラスは、知能が高いため何か対策をしても慣れてしまい、なかなかいなくなってくれません。
こちらでは、そのカラスの知能の高さを逆手にとって、カラスをゴミに寄せ付けない方法を紹介します。
毎回、ゴミ出しでストレスを感じている方の参考になれば幸いです。
| ハシブトガラスの特徴 |
![]() ハシブトガラスはその名の通りくちばしが太く、おでこが丸く盛り上がっているのが特徴です。 「カア、カア」と澄んだ声で鳴き、都市部の市街地や森林に生息し、ゴミ荒らしやベランダへの営巣、騒音といった生活環境での被害を多く引き起こします。性格は大胆で好奇心旺盛です。 |
| ハシボソガラスの特徴 |
![]() ハシボソガラスはくちばしが細く、おでこが平らで、「ガア、ガア」と濁った声で鳴きます。 農耕地や河川敷などの開けた平地に多く生息し、農作物の食害など農業被害の主な原因となります。ハシブトガラスに比べると、人に対してより慎重な性質を持っています。 |
カラスの知能は3〜5歳児レベル!ゴミ荒らしを続ける理由

対策されているのにカラスに荒らされたゴミ袋を見ると、「どうしてこんなに賢いんだ?」と驚きます。動物行動学的に、カラスの知能は人間の3歳から5歳児レベルもあるそうです。
せっかく試した対策が失敗に終わるのは、カラスが非常に高い学習能力と問題解決能力を持っているからなのです。
❶ カラスの恐るべき知能とは?
カラスの具体的な知能の高さを見ていきましょう。
1. 道具を使った驚異の問題解決能力
カラスがゴミをあさる時には、単にゴミ袋をつついているわけではありません。ゴミの状態を分析し、道具を使ってネットや重りという障害を取り除いてゴミを出しているというように戦略的にゴミをあさっています。
- 道具の利用: 硬い木の実を割るために、車が行き交う道路に置いて轢かせる行動なども道具の利用のひとつです。
- 物理法則の理解: 防鳥ネットをめくる際、わずかな隙間を見つけ重り(石やレンガ)をどかす手順を学習します。カラスにとって防鳥ネットは、「ゴミにたどり着くためのパズル」なのです。
2. 強力な記憶力と環境の監視
カラスは一度経験したことを忘れず、人間の行動を注意深く観察しています。
- 学習と伝達: 「この集積所のネットは、右下の角からめくれる」という成功体験は、その集団のカラス全体に瞬時に共有され次の日から同じ方法でゴミを荒らしに来ます。
- 行動の監視: 人間がゴミを出す時間、ゴミ集積所から人がいなくなる時間、そして特に危険がない時間帯を記憶し、その一瞬を狙って行動します。人が見ている間は大人しく、目を離した瞬間に荒らすのは、カラスの状況判断能力の高さの証拠です。
3. カラスがゴミ荒らしを続ける理由
カラスがこれほどの知能を駆使してまでゴミ荒らしをする本質的な行動原理はただ一つです。
「安全で、簡単に、カロリーの高いエサ」を獲得する
人間の出す生ゴミ、特に動物性脂肪や食べ残しは、カラスにとって非常に効率の良いエネルギー源なのです。
カラスにとってリスク(人間に見つかること)よりもリターン(高カロリーなエサ)が上回る限り、学習能力をフル稼働させて餌を得ようとするため、ゴミ荒らしは止まりません。
❷ カラスの知能の高さを逆手に取った対策
カラスの知能レベルを理解できれば、「威嚇」や「騙し」といった単純な対策が効かない理由がわかります。
カラス対策は高い知能を上回るのではなく、「知能を使ってもアクセスできない、物理的な防御」と「ここにエサはない」と思わせる強い諦めによってのみ達成可能です。
この方法では勝てない!カラスの知能に負ける3つのNG対策例
カラスの知能が3〜5歳児レベルもあると知ると、「今まで試してきた対策が効かなかった理由」に合点がいくのではないでしょうか。
カラスは単に本能で動いているのではなく、人間と同じように「試行錯誤」と「学習」を繰り返します。そのため、一度は効果があったように見えても、すぐに弱点を見破り、対策を突破してしまうのです。
ここでは、多くの人が試しては失敗する、カラスの知能に負けてしまう代表的なNG対策をご紹介します。
NG対策1:キラキラした視覚的な威嚇グッズ

CD、ホログラムシール、カラスの目玉模様の風船など、光を反射させたり、天敵に見せかけたりする視覚的な対策は、最初にカラスを警戒させる効果はあります。
しかし、カラスは環境を注意深く観察する生き物です。
- 学習と慣れ: 設置後数日で「このキラキラは動かない」「この目玉は自分を襲ってこない」と判断します。新しい刺激に対する警戒心は一時的であり、安全だとわかると無視してゴミ荒らしを再開します。
- 知能による判断: 危機感のない場所や、安全が確認された場所にある威嚇物は、カラスにとってただの「飾り」でしかありません。
NG対策2:ネットを「ただ被せるだけ」の対策

おそらく最も一般的な対策ですが、ネットをただゴミの上に乗せたり、四隅に軽い重しを置いたりするだけでは、カラスにとって「餌を食べるのに少し手間のかかる」という程度でしかありません。
- 弱点の発見: ネットにシワが寄っている箇所、地面との間にわずかな隙間がある箇所を探し出します。
- チームワークと工夫: ネットのフチをくちばしで持ち上げ、中にいる仲間が潜り込む役割分担をすることもあります。また、網の目が粗い場合は、その網目を通してくちばしを差し込み、中のゴミを引き出してしまうこともあります。
- 結果: カラスの知能と執着心の前に、ネットは簡単にめくられ、中身が生ゴミだと認識されれば、対策は完全に崩壊します。
NG対策3:音や匂いによる一時的な忌避

カラスが嫌うとされる音波(超音波)や、特定の匂いを発する忌避剤を試すケースも多く見られます。
- 音波・超音波: 効果があるとされる周波数であっても、カラスは環境音と判断してすぐに慣れてしまいます。また、超音波は遠くまでは届かず、風や障害物に遮られるため、広範囲への効果が期待できません。
- 匂い(忌避剤): カラスの嗅覚は鳥類の中では比較的優れていますが、カラスをゴミから遠ざけるほどの強力で持続的な忌避効果を持つ薬剤は、人間の生活環境では使用が難しいことが多いです。
カラスにとって「匂いが不快」よりも「エサが魅力的」という動機の方が圧倒的に勝ります。
重要な結論:カラスは「知っている」
こちらのNG対策が失敗する理由は、カラスが「これは偽物だ」「これは乗り越えられる」「これは一時的なものだ」と学習することです。
カラス対策には、カラスの知能や学習能力ではどうにもできない「物理的なバリア」を築くか、カラスのエサへの「執着心を失わせる」ことです。
次のセクションでは、カラスの知能を逆手に取り、諦めさせることに特化した「防御テクニック」と「根本解決策」をご紹介します。
カラスにゴミあさりを諦めさせるゴミ出し3つの方法

カラスが高い知能を持つ以上、中途半端な対策は逆効果になりかねません。しかし、カラスの「安全で、簡単なエサ」という行動原理を逆手に取れば、個人でもゴミ荒らしを劇的に減らすことが可能です。
ここでは、カラスの視覚・嗅覚・物理的なアクセスを完全に封じ、カラスに「ここにはもうエサはない」と認識させるための方法を紹介します。
1. 嗅覚を封じる:生ゴミの完全マスキング
カラスがゴミ集積所に近づく最初の理由は、「匂い」です。生ゴミの匂いを徹底的に断つことが、最初の防御になります。
- 水分を徹底的に切る: 魚や肉の生ゴミは特に水分に匂いが凝縮されています。新聞紙や水切りネットを使い、出る前に限界まで水気を絞ってください。
- 「二重包装」で匂いを閉じ込める:
- 生ゴミを小さなビニール袋に入れ、口を固く結びます。
- それを新聞紙で何重にも包みます。新聞紙は消臭効果と断熱効果があり、匂いの拡散を防ぎます。
- さらに、外から見て中身が生ゴミだとわからないように、不透明な袋に入れて出しましょう。
- 場所の工夫: ゴミ袋の中で、生ゴミが入った袋は一番下など、カラスのくちばしが届きにくい位置に入れる工夫も有効です。
2. 視覚を封じる:ゴミ袋を「黒」ではなく「黄」にする
カラスは視覚が非常に優れています。ゴミ袋の色一つにも注意を払うことで、カラスの警戒心を高めることができます。
- 黄色い袋が有効な理由: 研究によると、カラスは人間の目で見えるスペクトルとは異なり、紫外線をカットする色の成分がカラスの色覚をかく乱することがわかっています。この成分が入る色が黄色のことが多いそうです。自治体によってはカラス対策として黄色いネットや袋を推奨している場合もあります。
- 重要なのは「中身が見えないこと」: 黒や透明な袋から白い骨や色鮮やかな野菜の皮が見えていると、カラスは「エサがある」と判断してしまいます。不透明で中身が見えない袋を使いましょう。
3. 物理的な防御:ネットの「プロ級」なかけ方
カラスは防鳥ネットを「めくって入る」ことをします。カラスの知能を逆手に取るのであれば、めくってもゴミにたどり着けないっような防御が必要です。
- ネットは「上から被せる」ものではない: 防鳥ネットはゴミの上にふわりと乗せるのではなく、集積所全体を覆うテントのように扱います。
- 四隅+周辺を完璧に固定: 防鳥ネットのフチを地面に完全に密着させ、隙間が1cmもできないように重しで固定します。軽い石ではなく、動かせないチェーンや複数のレンガを等間隔に配置してください。
- 「ネットをピンと張る」: 防鳥ネットがたるんでいると、カラスはたるんだ部分に足を乗せて安定させ、くちばしでフチを持ち上げやすくなります。防鳥ネットはピンと張って、カラスが足場にできないようにしましょう。
これらの「嗅覚を封じる」「視覚を封じる」「物理的に固定する」という三つの対策を組み合わせることで、カラスは次第に「良い場所ではない」と学習し、他の場所へ移動していきます。
まずは、「生ゴミの二重包装」と「ネットの徹底固定」なと簡単なことから実践してみてください。
カラスにゴミ置き場ではないと認識させる根本な対策

カラスによるゴミ荒らしは、一世帯の努力だけでは解決が難しいケースが多く、特に複数の住民が利用する集積所では、管理者や自治体による根本的なルールと設備の改善が不可欠です。
目標は、カラスに対して「ここはエサ場ではない」「ここは安全ではない」と集団で認識させることです。
1. 物理的なアクセスを完全に遮断する
個別の対策には限界があります。カラスの知能では絶対に突破できない下記のような物理的なバリアの導入が最も確実です。
- フタ付きコンテナボックスの導入: 頑丈なフタがついており、カラスがくちばしで開けられない構造の大型コンテナボックスや、専用のゴミ保管庫を設置します。
- カラス避けワイヤー・テグスの設置: 集積所の上部にワイヤーやテグスを格子状に張ることで、カラスが着地しにくい環境を作ります。
2. ゴミ出しのルールを統一する
カラスは、人間の行動パターンを学習します。集積所のルールを徹底し、一貫性を持たせることが、カラスの学習サイクルを断ち切ります。
- 厳格なゴミ出し時間の徹底:
- 「前日出し」の厳禁: 夜間にゴミが出ていると、カラスは早朝からゆっくりと荒らすことができます。必ず「収集日の〇時~〇時の間に出す」というルールを徹底し、管理者側もパトロールなどで違反がないか確認します。
- ゴミの残留時間を短縮: ゴミが収集された後、集積所周辺に生ゴミの匂いや残渣が残らないよう、迅速に清掃する仕組みを確立します。
- ルール違反者への指導: ルールを守らない住民がいると、その努力が全て無駄になります。粘り強く周知徹底し、必要に応じて個別指導を行うことも管理者の重要な役割です。
3. ゴミの集積所に見えないようにする
カラスがゴミ集積所を「安全な食事場所」と認識しているなら、その認識を覆す必要があります。
- 景観を変える: 可能であれば、集積所の場所を移設したり、目隠しフェンスを設置したりして、カラスから見て「慣れた、安全な場所」ではない環境に変えてしまうのも手です。
- 地域との連携: 周辺住民や店舗に協力を呼びかけ、「カラスのエサになるようなものを集積所周辺に放置しない」という意識を共有します(例:店舗裏口のゴミ管理の徹底)。
こんなサインが出たらプロに相談!自力対策の限界ライン

いくらカラス対策をしても被害が改善されない場合、プロの専門業者に依頼するタイミングでといえます。
以下のような状態になったら、自力での対策は諦めて専門業者に依頼しましょう。
1. 自力対策の「費用対効果」が崩壊したサイン
対策の労力とコストが、カラスの被害を上回れなくなったときが、専門家を呼ぶべき最初のサインです。
| 限界サイン | 具体的な状態 |
| 💸 コストの増大 | 何度も高価な防鳥ネットやグッズを買い直しているが、効果がない。 |
|---|---|
| ⏱️ 時間と労力の浪費 | 毎朝のゴミ出しに過度な時間をかけ、片付けに精神的なストレスを感じている。 |
| 💔 住民間の不和 | ゴミ出しルールの徹底や、対策費用を巡って近隣住民や管理者との間に軋轢が生じている。 |
2. カラス側の「習性」が強固になったサイン
カラスが集団でゴミの集積所を「いつもエサのある場所」として認識が定着してしまった場合、個人での対策は困難を極めます。
- サイン1:特定の個体ではない「集団」による犯行
- 被害が広範囲にわたり、複数のカラスが組織的にゴミを荒らしに来ている場合。一匹を追い払っても、すぐに別の個体が代わりに来る状態。
- サイン2:集積所周辺での「営巣(巣作り)」
- 近くの電柱や樹木にカラスが巣を作り、繁殖期(春から夏)に入っている場合、カラスのテリトリー意識と防衛本能が極限まで高まっており、威嚇行為も激化します。
- サイン3:昼間の「監視行動」の定着
- ゴミ収集時間外であっても、集積所周辺の電線や屋根からカラスが常に監視している状態になっている。これはカラスがその場所を「重要なエサ場」と明確に認識している証拠です。
3. 法的な制約とプロの介入
カラス対策を自力で行う上で、最も重要な限界が「法律」です。
- 🐦 鳥獣保護管理法: カラスは鳥獣保護管理法という法律によって保護されているため、許可なく捕獲・殺傷することは違法です。自力でできるのは「追い払う(忌避)」までです。
- プロの強み: 専門の駆除業者は、地域の自治体と連携し、必要に応じて法的に許可された範囲内での対策(捕獲や特殊な忌避策)を実行できます。また、カラスの行動ルートや巣を正確に特定し、根本的な解決策(環境改善や防鳥ワイヤーの設計・設置など )を提案できます。
信頼できるカラス駆除業者を見極める4つのポイント

カラス対策をプロに依頼することは、時間と労力の節約につながる最も確実な解決策です。しかし、悪質な業者に騙されたり、効果のない対策に高額な費用を払ったりすることは避けたいものです。
ここでは、安心して依頼できるカラス駆除業者を見極めるための重要なポイントをご紹介します。
1. 「現地調査」を無料で徹底しているか
カラスの被害状況は、場所や環境によって全く異なります。電話やメールのヒアリングだけで見積もりを出す業者は信頼できません。
- チェックポイント:
- 無料の現地調査を必ず行い、カラスの行動ルート、被害の程度、巣の有無などを詳細にチェックするか。
- 単に追い払うだけでなく、環境的な原因(特定のゴミ出しの習慣、周辺の樹木など)まで特定しようとするか。
- 調査に基づいた具体的な対策プラン(忌避剤か、物理的な防御かなど)を提示してくれるか。
2. 見積もりの内訳が明確で「一式」表記がないか
料金体系の透明性は、信頼できる業者の基本です。不透明な見積もりは、後で高額な追加料金を請求されるリスクがあります。
- チェックポイント:
- 使用する資材(ネット、ワイヤー、忌避剤など)の種類と量、作業員の人数、作業時間、高所作業費などが項目ごとに明確に記載されているか。
- 「駆除費用一式」「対策費用一式」といった、曖昧で内訳がわからない表記がないか。
- 必ず複数社から相見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討しましょう。
3. アフターフォローと「再発保証」があるか
カラスは学習能力が高いため、一度対策をしても環境の変化や時間の経過で再び戻ってくる可能性があります。再び戻ってきた時の再発保証はあるかも重要です。
- チェックポイント:
- 施工後の保証期間(例:〇ヶ月間)が設けられているか。
- 保証期間内にカラスの被害が再発した場合、無償で再対応してくれるか。
- 保証期間だけでなく、長期的なアドバイスや、被害状況の点検などのアフターフォロー体制が整っているか。
4. 法的知識と実績が豊富か
カラスは鳥獣保護管理法で守られています。この知識がない業者は、違法な手段を取るリスクがあるため、法的に問題のない駆除を行う業者は必須です。
- チェックポイント:
- カラス対策の実績が豊富で、その地域の生態や習性を熟知しているか。
- 「カラスは鳥獣保護管理法で守られているため、捕獲や殺傷には自治体の許可が必要」という基本知識を説明できるか。
- 万が一、特別な処置が必要な場合に、自治体への申請代行などもサポートしてくれるか。
これらのポイントを参考に、長期的な視点で解決を提案してくれるプロを選び、ストレスフリーな毎日を取り戻しましょう。
害獣駆除のおすすめ業者に関しては「害獣駆除おすすめ業者10選!料金相場と選び方も紹介!」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

こちらでカラスの駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。








