ハクビシンの対策方法は!自分でできる追い出し成功術と駆除業者の選び方を紹介

夜中に天井裏から「ドドド」という音が聞こえたり、覚えのない異臭がしたりすると、不安で眠れなくなるのは当然です。

これがハクビシンの場合、そのままにしておくと建物を破損してしまうため、早急に追い出しが必要です。

こちらの記事では、侵入した動物がハクビシンかどうかを特定の上、ハクビシンの追い出し・その後の駆除についてご紹介します。

ハクビシンの被害ではないかとお悩みの方の参考になれば幸いです。

ハクビシンの特徴
ハクビシン

ハクビシンは、額から鼻先にかけてはっきりとした白い筋(白鼻)を持つ、飼い猫ほどの大きさの夜行性動物で、その高い身体能力から屋根裏などに侵入する厄介な害獣です。

木登りや電線渡りが得意で、わずか八センチメートルほどの隙間からも家屋に侵入し、断熱材を破って巣を作ります。

最大の被害は、決まった一箇所に大量の排泄物をする「ため糞」の習性です。

フンは長さ五~十五センチメートルほどの棒状で、雑食性、特に果物を好むため、未消化の種子が多く混じっているのが特徴です。

この糞尿が溜まると強烈なアンモニア臭や建材の腐食、ダニ・ノミの発生を招きます。

足跡は丸みを帯びた形状で、五本の指がはっきりと残ることが多く、壁や木に爪痕が見られる場合もあります。

目次

被害状況の確認とハクビシンを特定!

屋根裏に侵入する動物はハクビシン以外にも、アライグマやイタチ、ネズミなどがいます。動物によって対策方法や法律上の扱いが異なるため、まずは被害の主がハクビシンであるかを確認しましょう。

❶ 被害状況からハクビシンを特定するチェックポイント

以下を確認して、被害がハクビシンによるものかどうかを確認してみてください。

チェック項目ハクビシンの特徴
活動する時間帯夜行性。日没後から明け方にかけて活発に動き回る。
騒音の特徴「ドドド」と比較的重い足音。イタチやネズミよりも体が大きいため、音が響く。
鳴き声「キーキー」「ギャーギャー」という甲高い声や、威嚇するような低い唸り声を出すことがある。
糞の特徴(溜め糞)決まった場所に大量の糞をする(溜め糞の習性)。天井のシミの原因になることが多い。
糞の形・サイズ細長い形(5~15cm程度)で、果実や種子が多く混じっていることが特徴的です。
侵入経路直径9cm以上の隙間や穴から侵入する。換気口、軒下の隙間、瓦のズレなど。
足跡前足・後ろ足ともに5本指。指が細く、比較的はっきりとした足跡が残る。

💡 確認のポイント
特に、「夜中の活動」と「決まった場所の溜め糞」が確認できれば、ハクビシンの可能性が非常に高いと言えます。異臭がひどい場合は、溜め糞が原因かもしれません。

❷ ハクビシン被害を放置する深刻なリスク

ハクビシン被害を放置することは、非常に危険です。特定できたら、すぐにでも対策を始める必要があります。

  • 健康被害のリスク増大
    • ハクビシンの体には、大量のノミやダニが寄生しているため、人間に被害を及ぼすことがあります。また、糞尿に含まれる病原菌や寄生虫による感染症のリスクもあります。
  • 建物の深刻な損傷と修繕費の増加
    • 断熱材を引きちぎって巣を作るため、家の断熱効果が著しく低下します。糞尿が天井板や梁に染み込むと、建材の腐食が進み、修繕費用が雪だるま式に増加します。
  • 精神的なストレス
    • 夜間の騒音や異臭は睡眠を妨げ、深刻なストレスや体調不良を引き起こします。

被害が進行すると、自力での解決はほぼ不可能になり、大規模なリフォームが必要になることもあります。

【応急処置】今すぐできるハクビシン追い出し術

ハクビシンは放っておくと、被害が拡大する一方です。ここでは被害を食い止めるために、すぐに実行できる「追い出しの応急処置」を解説します。

作業を行う際は、必ず厚手の長袖・長ズボン、手袋、マスクを着用し、糞や毛に直接触れないよう細心の注意を払ってください。

❶ 追い出し前の必須確認事項(鳥獣保護管理法の遵守)

まず、ハクビシン対策において、最も重要な法律上のルールを理解しましょう。ハクビシンは「鳥獣保護管理法」という法律によって守られている野生動物です。

  • 原則として、許可なく「捕獲」や「殺傷」はできません。
  • この法律があるため、自力でできるのは「追い出し」と「侵入経路の封鎖」に限定されます。

法律を遵守した上で、まずはハクビシンを家から追い出すことに集中しましょう。

❷ ハクビシンを傷つけずに追い出す具体的な方法

ハクビシンを追い出すためのカギは、本能的に嫌がる「臭い」と「光・音」を利用することです。

方法1:ハクビシンが嫌がる臭いで追い出す

ハクビシンは非常に嗅覚が発達しており、刺激の強い臭いを嫌うため、この強い臭いを利用して追い出します。

対策アイテム具体的な使用方法効果と注意点
木酢液(もくさくえき)布や皿に浸し、ハクビシンがいると思われる場所に置く。燻製のような強い臭い。液体が建材に染み込まないよう注意。
唐辛子系(カプサイシン)市販の害獣忌避スプレーを侵入口付近や通り道に散布する。非常に強力な刺激臭。噴霧時に自分も吸い込まないよう注意。
漂白剤(塩素系)水で薄めたものを、糞尿被害がひどい場所に少量使う。非常に強い臭いで一時的に忌避。他の洗剤と混ぜると有毒ガス発生の危険があるため、絶対NG。

方法2:ハクビシンが嫌がる光・音で追い出す

ハクビシンは夜行性で警戒心が強いため、突然の強い光や音を嫌うため、突然の強い光や音を使って追い出します。

対策アイテム具体的な使用方法効果と注意点
LEDライト(点滅)屋根裏全体を照らすように、強力な懐中電灯やLED照明を点滅させる。明るい環境にすることで活動を妨害。タイマー式の設置が効果的。
ラジオハクビシンがいる場所にラジオを持ち込み、大きめの音量(特に人の声)で一晩中流し続ける。人の気配を感じさせることで、強い警戒心を与えられます。

【重要】これらの対策はあくまで「一時的な追い出し」です。
ハクビシンは警戒心が薄れるとすぐに戻ってくるため、これらの方法で追い出した直後に、ハクビシンが再び侵入できないようにする作業が必須です。

❸ 【成功の鍵】追い出しと同時に行う侵入経路の特定

ハクビシンが家から出て行ったことを確認したら、1時間以内に侵入経路を封鎖しなければ、努力は水泡に帰します。

① 侵入経路の特定

ハクビシンが最もよく利用する侵入経路は、以下の場所です。

  • 軒下や屋根と壁の間のわずかな隙間(直径9cm以上)
  • 老朽化した換気口や通風孔
  • ひび割れたり、ズレたりしている瓦の下
  • 基礎コンクリートのわずかな穴や配管の引き込み口

② いますぐできる応急的な封鎖

侵入経路を特定したら、すぐに以下の道具で一時的に穴を塞ぎましょう。

応急封鎖材適した場所理由
金網(ワイヤーメッシュ)換気口などの比較的大きな開口部丈夫で破られにくい。隙間なく設置することが重要。
金属製のパンチングメタル侵入された可能性の高い小さな穴非常に強力な刺激臭。噴霧時に自分も吸い込まないよう注意。
コーキング材(パテ)壁のひび割れや、配管周りの隙間非常に強い臭いで一時的に忌避。他の洗剤と混ぜると有毒ガス発生の危険があるため、絶対NG。

ここで重要なのは、「今日、ハクビシンが家に戻って来られないようにすること」です。完全な封鎖工事はプロに任せるにしても、まずはこの応急処置で時間稼ぎをしてください。

もし、「侵入経路がわからない」「高所作業で危険だ」と感じたら、すぐに次の「III. ハクビシン対策のプロを選ぶ極意と費用相場」に進んでください。無理な自力対策で危険を冒す必要はありません。

ハクビシン対策のプロの選び方と費用相場

自力での追い出しや応急処置を試みても効果がなかった場合や、そもそも高所作業で危険、被害が広範囲に及んでいる場合は、迷わずプロの業者に依頼すべきです。

プロの駆除業者に依頼する最大のメリットは、「捕獲(許可が必要)」「徹底的な清掃・消毒」「確実な再侵入防止工事」という、自力では難しい一連の作業を任せられる点にあります。

しかし、残念ながら業者の中には不当に高額な費用を請求したり、駆除が不完全だったりする業者も存在します。ここでは、業者選び方と費用相場を紹介します。

❶ 自分でやるか、業者に頼むかの判断基準

こちらのチェックポイントを見て1つでも当てはまる場合は、プロへの依頼をおすすめします。

プロに依頼すべき状況理由
侵入箇所が特定できない侵入口がわからないと、一時的に追い出してもすぐに戻ってくるため、根本解決にならない。
被害が広範囲に及んでいる糞尿の清掃・消毒は危険で、専用の機材と知識が必要となる。
高所での作業が必要屋根や軒先など高所の作業は非常に危険であり、専門の足場や装備が必要です。
清掃・消毒まで徹底したい衛生面や建物の腐食リスクを考えると、専門業者による徹底した清掃・消毒は必須です。

❷ ハクビシン駆除業者選びで「失敗しない」3つのポイント

優良な業者を選ぶために、以下の3つのポイントを必ずチェックしてください。

Point 1:許認可と実績(鳥獣保護管理法に基づく許可)

ハクビシンを捕獲するには、「鳥獣保護管理法」に則って都道府県への申請が必要です。こうした許可は駆除業者で行うとスムーズに進みます。

  • 業者自身が「鳥獣捕獲等許可」を持っているか、または申請代行の実績があるかを確認しましょう。
  • また、過去のハクビシン駆除の実績が豊富で、地域での評判が良いかどうかも判断材料になります。

Point 2:見積もりの透明性

駆除費用は、家の構造や被害状況によって大きく変動します。追加料金や再発保証について明確な業者を選びましょう。

見積もりでどういった作業をどこまで施工するかを明確にし、何をすると追加費用がかかるのかも確認の上書類に残してもらいます。

  • 必ず現地調査を依頼し、詳細な見積もりを出してもらいましょう。
  • 「見積もり後の追加料金の有無」や、工事後の「再発保証(期間と内容)」について、書面で明確に提示させることで、トラブルを未然に防げます。

Point 3:駆除後の清掃・消毒・消臭作業が含まれているか

ハクビシンは追い出すだけでは、問題は解決しません。ハクビシンの駆除から再発防止・二次被害の防止についても首尾一貫でオーダーを行いましょう。

  • 糞尿の清掃・消毒・消臭、そして破損した断熱材の修繕まで、一連の作業が含まれているかを必ず確認してください。
  • これらの作業を怠ると、悪臭が残ったり、ダニ・ノミが残存したり、別の害獣を呼び込む原因になります。

❸ 【費用を知る】ハクビシン駆除の料金相場と内訳

ハクビシン駆除の費用は、主に被害の規模作業内容によって決まります。あくまで目安ですが、以下の相場を参考に、提示された見積もりが適正かどうかを判断してください。

サービス項目費用相場(一戸建て全体)作業内容
調査・見積もり費0円~2万円(契約で無料になることが多い)侵入経路の特定、被害状況の確認
追い出し・捕獲費5万円~15万円忌避剤散布、捕獲檻の設置と撤去(許可が必要)
侵入経路封鎖費5万円~30万円(箇所数による)金網、パテなどを使った恒久的な侵入防止工事
清掃・消毒・消臭費3万円~10万円(被害面積による)糞の除去、消毒液散布、消臭作業
合計費用の目安15万円~50万円程度被害が軽度な場合は比較的安価に収まります。

費用内訳の確認ポイント: 清掃や消毒をオプションにしている業者の場合は、必ず追加して依頼することをおすすめします。駆除後の清掃までが「本当の対策」の完了です。


害獣駆除のおすすめ業者に関しては「害獣駆除おすすめ業者10選!料金相場と選び方も紹介!」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

【再発防止】もうハクビシンに悩まされないために

ハクビシンを家から追い出し、侵入経路を塞ぎ、清掃・消毒まで完了したら、これで一安心です。しかし、ハクビシンは一度安心できる場所だと認識し住み着いた場所に、再び侵入を試みる非常に執着心の強い動物です。

大切なのは、「二度と招き入れない」ための環境づくりです。ここでは、ハクビシンに悩まされないための、最終的な再発防止策を解説します。

❶ ハクビシンを寄せ付けない環境づくり

ハクビシンは、基本的に「安全なねぐら」と「餌」を求めてやってきます。この二つの要素を徹底的に排除することが、最大の予防策になります。

餌となるものを徹底的に除去する生ゴミの管理: ハクビシンは雑食性です。生ゴミは必ずフタ付きの頑丈な容器に入れ、外に放置しないようにしましょう。
庭の果実・野菜: 庭で果物や野菜を育てている場合は、収穫時期を過ぎた実や落下した果実を放置せず、すぐに処理してください。

ペットフード: 犬や猫の餌を屋外に置きっぱなしにしないこと。これもハクビシンの立派な餌源となります。
隠れ場所や侵入の足がかりをなくす植木や庭木の剪定: 伸びすぎた木の枝は、屋根や軒先への足場になります。屋根に届きそうな枝は定期的に剪定しましょう。

家の周囲の整理: 物置の裏や廃材の山などは、ハクビシンの隠れ場所になりやすいです。家の周囲を整理整頓し、隠れる場所をなくしましょう。

❷ 業者に依頼した後の確認事項

プロの駆除業者に依頼した場合でも、油断せず、以下の点を最終確認することが、長期的な再発防止につながります。

封鎖工事の徹底確認すべての侵入経路が塞がれているか: 特に、換気口の金網、軒下の隙間、配管周りの穴など、過去に侵入があった場所や、業者が見積もりで指摘した箇所を、ご自身の目で確認しましょう。

使用された資材の確認: 噛み破られないように、丈夫な金属製のパンチングメタルや金網が使用されているか確認すると安心です。
保証内容と期間の再確認「再発保証」の内容: 業者が定めた保証期間(例:1年~5年)内にハクビシンが再び侵入した場合、無償で再度の追い出しや封鎖を行ってくれるかを契約書で確認してください。

保証の適用条件: 保証が適用されるために必要な条件(例:新たな侵入経路を作っていないことなど)も把握しておきましょう。

こちらでハクビシン駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。

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この記事を書いた人

さとるのアバター さとる 元駆除会社社員

普段はいくつかのWEBメディアで記事コンテンツを作っています。こちらでは害獣・害虫駆除について書いていきます。

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