普通の掃除機でダニは取れる?布団クリーナーとの違いを徹底解説

ダニ掃除機

ダニに刺されたら、一番怪しいのが布団ですよね。ふとんが原因の場合には専用の布団クリーナーを買わないといけないのでしょうか?家にある掃除機で代用できるといいですよね。

結論から言えば、使い方次第では家にある掃除機でもダニの撃退効果が期待できます。

こちらでは、布団用クリーナーと掃除機の違い・自宅の掃除機で効果的な駆除をする方法・それでも効果が出ない場合の業者の選び方を紹介します。

ダニ刺されたり、アレルギー症状を起こさないように是非お読みください。

まずは、よく出現するダニについて紹介します。

ダニ説明
チリダニ(ヒョウヒダニ) 

チリダニ
人を刺すことはありませんが、実は家の中に最も多く生息し、そのフンや死骸がアレルゲン(アレルギーの原因物質)となります。

ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など、アレルギー症状の原因のほとんどがこのチリダニです。

チリダニが増えると、それをエサとするツメダニが増えるという悪循環も生まれます。
ツメダニ

ツメダニ
普段はチリダニやコナダニといった他の小さな虫を捕食して生きていますが、これらのエサが減ると、人間を誤って刺し、体液を吸うことがあります。

刺された直後は自覚症状がないことが多く、翌日以降に強いかゆみや赤い発疹として現れるのが特徴です。

主に布団や畳に接している太ももや脇腹などが刺されやすい場所です。
イエダニ

イエダニ
もともとネズミや鳥類に寄生して吸血しているダニです。

もし天井裏や壁の隙間にネズミの巣があり、そのネズミが死んでしまうと、新たな吸血先を求めて人間に襲いかかってきます。

刺された直後から激しいかゆみがあり、症状が重くなることも。ネズミの気配があるご家庭は、特に注意が必要です。
目次

ダニ対策における掃除機の役割とは?

「ダニが出たみたいから、とりあえず掃除機をかけておこう」。そう考えたことありませんか?実はダニ対策に使う掃除機の役割は、結構限定的ですが重要でもあります。

ダニ対策の基本を理解することで、掃除機をより効果的に使えるようになります。

❶ ダニ対策は「死滅」→「除去」の二段階である

ダニを完全に退治しアレルギーの症状を改善するには、基本的にこちらの「二段階」のステップで行います。

スクロールできます
対策のステップ目的主な手段掃除機の出番
第1段階:死滅生きているダニを殺す布団乾燥機、乾燥機、コインランドリーの乾燥機(50℃以上の熱)なし
(通常の掃除機ではダニは殺せません)
第2段階:除去ダニアレルゲンを吸い取る掃除機、布団クリーナー主役
(死骸やフンを吸い取ります)

多くの掃除機は、強い吸引力があっても、布の奥深くに潜むダニを殺すことはできません。

そのため、掃除機はあくまで「殺した後の掃除」または「アレルゲン(死骸・フン)の回収」が役割となります。

❷ アレルゲンは「死骸とフン」!生きているダニを吸っても意味がない!

「生きているダニを吸い取らないと意味がないのでは?」と思われるかもしれませんが、実はアレルギー症状を引き起こしている原因は、ダニの「死骸」と「フン」に含まれるタンパク質です。

これらを総称してダニアレルゲンと呼びます。

  • ダニアレルゲンは非常に微細で軽く、空気中に舞い上がって鼻や口から吸い込まれ、くしゃみ、鼻水、皮膚炎、喘息などのアレルギー症状を引き起こします。

そのため、ダニ対策で最も大切なのは、生きているダニを熱で確実に死滅させた後、掃除機を使って大量に存在する死骸とフン(アレルゲン)を徹底的に除去することなのです。

❸ 最もダニが潜んでいる場所は布団・カーペット・ソファ

ダニは人間のアカやフケ、汗や湿気を好みます。その結果、家の中で最もアレルゲン濃度が高くなりやすい場所は、こちらの「布製品」です。

  • 布団・枕: 人が寝ている間に出る汗と体温で常に温かく、餌(フケ・アカ)も豊富。まさにダニの理想郷です。
  • カーペット・ラグ: 掃除がしにくく、ハウスダストや食べこぼしが蓄積しやすい場所。
  • 布製ソファ: カーペットと同様に、人が長時間触れるためアレルゲンが溜まりやすい場所です。

特に布団は、最も長時間接触し、ダニアレルゲンを直接吸い込みやすい場所です。掃除機を使った除去作業は、まずこちらのアレルゲン濃度の高い場所から始めましょう。

【アレルゲン除去徹底比較】普通の掃除機 vs ダニ特化型布団クリーナー

ダニアレルゲンを除去する除機ですが、「普通の掃除機」と「布団クリーナー」の2種類があります。その違いと選び方を解説します。

❶ 普通の掃除機でダニ(アレルゲン)は取れる?

結論から言えば、普通の掃除機でもダニアレルゲンを吸い取ることは可能ですが、その効果は工夫次第です。

通常の掃除機で布団やカーペットの繊維の奥に潜り込んでいるダニアレルゲンを効率よく吸い出すには、いくつか課題があります。

⚠️ 普通の掃除機で注意すべき点

  • ヘッドの種類: 通常の床用ヘッドは布団や布製品に密着しすぎるため、吸引力が逃げたり、布を傷めたりすることがあります。布団用アタッチメント(ヘッド)を使用するか、吸引力を弱めて使用しましょう。
  • 紙パック式/サイクロン式: ダニの死骸やフンは非常に細かいため、排気口から再びアレルゲンが室内に舞い戻ってしまう可能性があります。高性能なHEPAフィルターを搭載したモデルを選ぶか、吸い込んだアレルゲンが飛散しにくい紙パック式の使用をおすすめします。

❷ ダニ特化型クリーナーの「3つの秘密兵器」

ダニ特化型の布団クリーナーは、通常の掃除機ではカバーできない「布団の奥深くに潜むアレルゲン」を除去するために、独自の機能が搭載されています。

秘密兵器機能と効果ダニ対策における役割
① 高速叩き(タタキ機能)毎分数千回もの高速振動で、布団の奥深く(繊維の根元)に絡みついたダニの死骸やフンを表面に叩き出します。除去効率の向上
② 温風・ヒーター機能布団の表面を温めることで湿気を取り除き、ダニが繁殖しにくい乾燥した環境を作ります。予防・環境改善
③ UV(紫外線)ランプ照射により除菌効果が期待できますが、布団の繊維の奥にいるダニそのものを殺す効果は限定的です。除菌(ダニ対策としては補助的)

これらの機能により、布団クリーナーは「ダニを死滅させる」ことよりも、ダニアレルゲンを徹底的に叩き出して吸い取る」という除去性能に優れています。

❸ どちらを選ぶべきか?判断基準チャート

どちらを選ぶべきか、以下の基準で判断してみましょう。

項目普通の掃除機で十分なケース布団クリーナーが必要なケース
アレルギー症状軽度で、ダニ対策をこれから始める方咳や皮膚炎など、症状が慢性的に出ている方や小さなお子様がいる家庭
主な対策場所カーペット、ラグ、ソファなど、吸引が比較的容易な場所布団(マットレス)がメイン。寝具の奥深くまで対策したい場合
予算と頻度予算を抑えたい、対策頻度が少なくて良い方予算に余裕があり、毎週〜毎日徹底的に対策したい方

もし現在すでにアレルギー症状に悩まされているなら、布団クリーナーの「高速叩き機能」によるアレルゲン除去効果は非常に大きいです。

まずは布団乾燥機などでダニを死滅させた後、高性能なクリーナーで徹底的に除去することが、症状改善への近道となります。

普通の掃除機でダニ除去!効果を最大化する正しい掃除機のかけ方

せっかく掃除機をかけるなら、最大限の効果を発揮させたいですよね。ダニアレルゲンは非常に微細で、布の奥深くに絡みついているため、ただサッと吸うだけでは不十分です。

ここでは、アレルゲン除去効果を劇的に高めるための「正しいかけ方」を、具体的な場所別にご紹介します。

❶ ダニアレルゲンを叩き出す!掃除機をかける頻度・時間・タイミング

掃除機の効果は、「吸引力」よりも「かけ方と頻度」で決まると言っても過言ではありません。

① 頻度:理想は毎日、最低でも週に2回ダニは毎日、フンや死骸(アレルゲン)を排出しています。アレルギー症状が出ている場合、アレルゲン濃度を下げるために、布団はできれば毎日、最低でも週に2回以上は掃除機をかけるのが理想です。
② 時間:1往復に「20秒」かけてゆっくり動かすこれが最も重要なコツです。ダニアレルゲンを効果的に吸い取るには、「超スローペース」で掃除機をかける必要があります。

目安:1平方メートル(約畳半畳分)あたり20秒以上

通常、無意識に早く動かしてしまいがちです。しかし、繊維の奥深くにあるアレルゲンを叩き出して吸い上げるには、「このスピードで本当に吸えているの?」と感じるくらいゆっくりと、往復で20秒ほどかけて吸引しましょう。
③ タイミング:ダニを死滅させた直後がベスト
掃除機をかける最も効果的なタイミングは、布団乾燥機やコインランドリーの乾燥機でダニを死滅させた直後です。
生きているダニは爪で繊維に絡みついていますが、死滅すると繊維から離れやすくなるため、吸引効率が格段に上がります。

❷ 布団、カーペット、ソファ別:掃除機のかけ方のコツ

場所によってアレルゲンの潜み方が異なるため、かけ方を変えることで除去効果を高めましょう。

場所かけ方のコツ理由
布団・マットレス縦・横・斜めの「三方向がけ」繊維の向きが複雑な布団に対し、方向を変えることで様々な角度からアレルゲンを叩き出し、取り残しを防ぎます。
カーペット・ラグ毛並みと「逆方向」にかける毛並みに沿ってかけるだけでなく、逆方向に押し付けてかけることで、毛の根元に溜まったアレルゲンをかき出します。
布製ソファ叩くようにヘッドを押し付け、ゆっくり滑らせるクリーナーの叩き機能がない場合、ヘッドでポンポンと軽く叩きながら吸引することで、内部のホコリやアレルゲンを浮かせます。

❸ 掃除機をかけた後の「アフターケア」

アレルゲンを吸い取った後も油断はできません。掃除機内に溜まったアレルゲンを放置すると、次に使用した際に排気口から再び放出されてしまう可能性があります。

  • ダストカップ(サイクロン式): 使用後、必ず屋外でゴミを捨て、カップ内を水洗いできる場合は清掃しましょう。
  • 紙パック(紙パック式): 紙パックが満タンになる前に交換しましょう。交換時はアレルゲンが舞い上がらないよう、ゆっくりと行いましょう。
  • フィルター: フィルターもアレルゲンが溜まりやすい部分です。定期的に確認し、取扱説明書に従って清掃または交換しましょう。

この徹底的な除去対策こそが、アレルギー症状を改善するための掃除機の掛け方です。

しかし、掃除機だけでは解決できないダニ問題が解決しない場合には、駆除のプロに相談しましょう。

掃除機の効果を上げる!ダニを死滅させる必須対策

掃除機はダニの「死骸やフン(アレルゲン)を除去する」ために使うのですが、どれだけ丁寧に掃除機をかけても生きているダニが残っている限りダニはフンを排出し続けるため、すぐにアレルゲン濃度は元に戻ってしまいます。

ダニ対策は、「死滅(殺す)」と「除去(吸い取る)」をセットで行いましょう。

❶ 【前処理】掃除機前に必ず行うべき「死滅」作業

生きているダニは、布団の繊維の奥深くに爪を引っ掛けてしがみついています。この状態では、どれだけ強力な掃除機でも完全に吸い取ることはできません。

ダニを死滅させて繊維から離れやすくするためには「熱」処理が必要です。

ダニを殺せる温度と時間: ほとんどのダニは50℃で20~30分間60℃なら瞬時に死滅します。

🔥 熱でダニを確実に殺す方法

  • 布団乾燥機の活用(最も手軽):
    • 布団を専用の袋に入れ、高温設定で90分以上使用します。熱を布団の奥まで行き渡らせることが重要です。
    • 【注意点】 乾燥機をかけた直後、熱が冷めないうちにすぐに掃除機をかけることで、効率よく死骸を吸い取れます。
  • コインランドリーの乾燥機:
    • 家庭用乾燥機よりも遥かに強力な熱風が出るため、大量の寝具を一度に、確実に殺ダニ処理できます。
  • 高温スチームクリーナー:
    • カーペットやソファなど、乾燥機に入れられない布製品には、高温スチームクリーナーが有効です。ただし、布製品の素材を傷めないよう注意が必要です。

❷ 駆除しにくい場所への対処法

熱処理と掃除機を組み合わせても、手が届かない場合は以下の対策おすすめします。

  • ダニ捕りシート(捕獲・死滅)
    • 仕組み: ダニを誘引する成分でシート内に集め、粘着物質や乾燥剤でダニを閉じ込めて死滅させます。
    • 設置場所: 布団の下、カーペットの下、ソファのクッションの下など、ダニが潜んでいる場所に置くだけでOKです。
    • メリット: 薬剤不使用のものも多く、安全性が高いため、お子様がいる家庭でも安心して使えます。
  • 燻煙剤(燻蒸剤)の活用(最終手段)
    • 効果: 部屋全体に薬剤を拡散させ、広範囲のダニを死滅させます。
    • 注意点: 部屋の換気と事前の準備が大変です。また、生きているダニは殺せますが、アレルゲン(死骸・フン)を吸い取る効果はないため、使用後には必ず徹底的な掃除機がけが必要です。

これらの「死滅」対策と「掃除機での対策」を組み合わせることで、ダニアレルゲンを大幅に減らしアレルギー症状を改善させることができます。

こうした対策をしても症状が改善しない場合、アレルゲンが蓄積しすぎているか、個人では対処不可能な可能性があります。

【最終手段】掃除機での自力対策の限界とプロに依頼するメリット

ダニを「死滅」させ、「除去」する対策を的確に行えば、アレルギー症状は改善に向かうはずです。

それでもなお、「症状が治まらない」「どれだけ掃除しても不安が消えない」という場合は、以下のような問題が潜んでいるかもしれません。

❶ ダニ以外の問題かも?

徹底的に掃除機をかけても症状が続くのであれば、家庭でできる対策の「限界」かもしれません。

  • アレルゲン濃度の蓄積: 長年蓄積されたダニアレルゲンは、布の奥深く、さらにカーペットの下の床材や畳の内部まで入り込んでいます。一般的な掃除機や布団乾燥機では到達できません。
  • 湿気とカビの問題: 結露や建物の構造上の問題で湿気が溜まりやすく、ダニが繁殖しやすい環境が根本的に改善されていない可能性があります。
  • ダニ以外の害虫: 稀に、症状の原因がダニではなく、トコジラミ(南京虫)などの別の害虫であるケースも考えられます。

特に、小さなお子様のアレルギー症状が改善しない場合、ダニアレルゲンが規定値以下になるまで徹底的に除去する必要がありますが、このレベルの対策は、プロにしかできません。

❷ プロの駆除業者に依頼するメリット

「害虫駆除業者」と聞くと大げさに感じるかもしれませんが、ダニは「安心な住環境」のプロフェッショナルです。

ダニ対策を専門業者に依頼する最大のメリットは、「アレルゲンを科学的に除去し、再発を防ぐ」ことです。

  • 専用機器による徹底的な死滅・除去: 市販品よりも遥かに強力な専用の高熱乾燥機や、人体に安全性が確認された特殊な薬剤を使用し、ダニとアレルゲンを根本から死滅・除去します。
  • アレルゲン濃度の測定: 施工前後にダニアレルゲン濃度を測定し、「安心レベルまで下がったこと」を数値で証明してくれます。
  • 保証とアドバイス: 駆除後の予防策や換気、除湿のアドバイスが受けられ、再発時の保証(アフターフォロー)が付くため、精神的な不安がなくなります。

❸ 失敗しないダニ駆除業者の選び方(3つのチェックポイント)

「プロに頼みたいけれど、どこがいいかわからない」「高額請求が怖い」と不安に感じるのは当然です。そのため、以下の3つのポイントを押さえて優良な業者を選んでください。

チェックポイント失敗しないための確認事項
① 現地調査と費用の透明性ダニの生息状況をしっかり確認するため、無料の現地調査を行っているか。見積もりが明確で、追加料金が発生しないことを事前に約束しているか。
② 薬剤と安全性の配慮小さな子どもやペットがいる場合、使用する薬剤の安全性について丁寧に説明してくれるか。熱処理など、薬剤に頼らない方法も提案してくれるか。
③ アフターフォローと保証駆除後の再発時の無償点検や保証期間が設定されているか。保証が手厚い業者は、施工の質に自信を持っています。

害虫駆除のおすすめ業者に関しては「害虫駆除の優良業者おすすめ9選!料金相場と失敗しない選び方」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

こちらでダニの駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。

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この記事を書いた人

さとるのアバター さとる 元駆除会社社員

普段はいくつかのWEBメディアで記事コンテンツを作っています。こちらでは害獣・害虫駆除について書いていきます。

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