窓を閉めているのにどこからともなく現れるコバエは、衛生面の不安があります。
殺虫剤をかけても、めんつゆトラップを試しても、すぐに再発してしまうのは、「目の前のコバエ」と「発生源のコバエ」を混同しているからです。
この記事は、「もう二度とコバエに悩まされない」ための方法を紹介します。
コバエで悩む方の参考になれば幸いです。
駆除の第一歩!家のコバエはどの種類?

コバエの駆除を成功させるための最初のステップは、「家にいるコバエが何者なのか」を知ることです。
「コバエ」と一括りにしがちですが、実はその正体は数種類に分かれており、それぞれ発生源や好む場所が全く異なっています。被害を出しているコバエにあった駆除をしなければコバエは減りません。
まずは、家にいるコバエがどれなのか以下で確認してください。
| コバエの種類 | 画像 | 主な発生源・生息場所 | 見た目の特徴・動き | 対策のポイント |
|---|---|---|---|---|
| ショウジョウバエ | ![]() | キッチンの生ゴミ、三角コーナー、放置された食べ物、お酒の空き缶など | 体長約2〜3mm、赤〜茶褐色。目立つ赤い目。動きは鈍く、フワフワと飛ぶ。甘酸っぱい匂いを好む。 | 「生ゴミ・食品の密閉」と「捕獲トラップ」が有効。 |
| チョウバエ | ![]() | 風呂場や洗面所、台所の排水口、浄化槽、ヘドロが溜まった場所 | 体長約1〜4mm。黒っぽく、羽が大きく丸いハート型に見える。動きはゆっくりで、壁などに張り付いていることが多い。水周りのヘドロや汚れを好む。 | 「排水口やパイプの徹底清掃」によるヘドロ除去が必須。 |
| ノミバエ | ![]() | 腐った食品、動物のフン、ゴミ箱の底、(特に飲食店で)腐敗物のある場所 | 体長約2mm。黒っぽい体色。非常にすばしっこく、飛び回るより「這う・走る」ことが多いのが特徴。 | 発生源(腐敗物)を徹底的に除去すること。 |
| キノコバエ | ![]() | 観葉植物の土、腐葉土、湿った土壌 | 体長約2〜4mm。黒色で細長く、蚊のような見た目。動きはゆっくりで、植物の周りを飛び回る。土の中の菌や有機物を好む。 | 「水やりを控えて土を乾燥」させること。 |
即効性重視!種類別のコバエ駆除・撃退マニュアル

コバエの種類が特定できたら、次は駆除をします。ここでは、一時的な撃退ではなく、発生源に直撃し目に見える効果がすぐに出る「即効性」の高い対策を解説します。
1. ショウジョウバエの即効対策(キッチン・リビング向け)
ショウジョウバエは生ゴミや発酵した匂いを好み、動きが鈍いため、「捕獲」と「匂いの除去」が非常に効果的です。
対策1:「めんつゆトラップ」進化版の作り方と設置場所
ショウジョウバエは生ゴミや発酵した匂いを好み、動きが鈍いため、「捕獲」と「匂いの除去」が非常に容易です。
ショウジョウバエが好む「匂い」と「溺れる構造」を組み合わせたトラップです。市販の捕獲器と同等、またはそれ以上の効果を発揮します。
- 準備するもの: 小さな容器(プリンカップなど)、めんつゆ、食器用洗剤(台所用中性洗剤)、水。
- 作り方: 容器に水とめんつゆを「水:めんつゆ=2:1」の割合で入れます。
- 重要なひと手間: この液体に食器用洗剤を2〜3滴垂らして、混ぜすぎないように軽く混ぜます。
- 【即効性の秘密】洗剤を入れることで、液体の表面張力がなくなり、コバエが止まろうとしてもすぐに沈んで溺死します。洗剤がなければただの餌場になってしまうため、この一手間が駆除の鍵です。
- 設置場所: コバエが最も飛び交っている場所(ゴミ箱の横、シンク周り)に設置します。
対策2:市販の捕獲器・スプレー剤(効果的な成分・選び方)
すぐに効果を出したい場合は、プロ仕様の市販品を活用しましょう。
| グッズの種類 | 効果的な使い方 |
|---|---|
| 置くタイプ(誘引捕獲器) | ショウジョウバエの誘引剤(アルコール、酢など)が入っています。トラップが効きにくいリビングなどに設置し、ゴミ箱から離れた場所に置くことで、コバエの注意をトラップに集めます。 |
| ワンプッシュ式スプレー | 部屋全体に潜んでいるコバエをまとめて駆除します。就寝前や外出前に部屋の隅に向かって数回噴射し、そのまま放置すると翌朝には効果が見られます。 |
2. チョウバエの即効対策(風呂場・排水口向け)
チョウバエは排水口のヌメリ(ヘドロ)を繁殖源とするため、「熱」と「化学洗浄」による発生源の破壊が最優先です。
対策1:熱湯やパイプクリーナーを使った排水口・ヘドロの徹底除去手順
卵や幼虫が潜むヘドロを一掃することで、チョウバエの増殖サイクルを断ち切ります。
- 熱湯による除去: 50℃〜60℃のお湯を、排水口から一気に流し込みます。
- 【注意点】 70℃以上の熱湯は排水管を傷める可能性があるため、熱すぎないよう注意してください。
- パイプクリーナーの使用: 排水管用の強力なパイプクリーナーを規定量流し込み、指定時間放置します。幼虫が死滅し、ヘドロが溶け出します。
- ブラシによる物理除去: 排水口の蓋裏や手の届く範囲のヘドロは、ブラシを使ってゴシゴシと物理的にこそぎ落とします。
対策2:コバエ用の殺虫剤ではなく、害虫用燻煙剤の活用
燻煙剤(バルサンなど)は、排水口から飛び出してきた成虫を一度に駆除するのに役立ちます。
- 使用する場所: お風呂場や洗面所の密閉できる空間。
- 使い方: 燻煙剤を使用する際は、排水口の蓋は開けたままにし、薬剤が管の内部にまで届くようにするのがポイントです。
3. キノコバエの即効対策(観葉植物向け)
キノコバエの幼虫は植物の根や腐葉土にいるため、土壌環境の改善と捕獲で対応できます。
対策1:土の表面を覆う方法(赤玉土など)
幼虫が土の中で繁殖し、成虫が土の表面から出てくるサイクルを断ちます。
- 土の乾燥: まずは水やりを一旦止め、土の表面を徹底的に乾燥させます。
- 表面を覆う: 土の表面を「赤玉土」や「バーミキュライト」など、目の細かい無機質な用土で2〜3cm覆います。これにより、成虫が土に卵を産み付けにくくなります。
対策2:黄色い粘着シートの活用
キノコバエは黄色を好む性質があるため、黄色い粘着テープが効果的です。
- 使い方: 棒付きの黄色い粘着シートを鉢に挿しておくと、飛んできた成虫を効率よく捕獲できます。これは駆除と同時に、コバエの発生状況を把握するのにも役立ちます。
コバエの駆除は、成虫を殺すことよりも卵や幼虫を抱える「発生源をなくすこと」が最も重要です。
二度とコバエを発生させない予防法

目の前のコバエを撃退する方法は分かりましたが、一時的な駆除では、またすぐにコバエは戻ってきてしまいます。
コバエの悩みを完全に終わらせるには、「コバエが繁殖できない環境」を維持するしかありません。これは、コバエの餌と水場を断ち、住みにくい場所にするためです。
今日から実践できる、コバエの発生を根本から断つための習慣を身につけましょう。
1. 【重要】コバエの発生源を断つ「4つの徹底対策」
今日から実践できる、コバエの発生を根本から断つための習慣を身につけましょう。
対策1:ゴミの「密閉」と「捨てる頻度」のルール化
コバエは、わずかな生ゴミの匂いと水分で爆発的に増殖します。
- 完全密閉の徹底: 生ゴミは必ずビニール袋で二重に縛り、蓋つきのゴミ箱に入れます。袋の口は絶対に開けっぱなしにしてはいけません。
- 冷蔵庫の活用: 特に気温が高い時期や、魚介類・肉などのコバエが特に好むゴミが出た場合は、新聞紙に包んでビニール袋に入れ、一時的に冷凍庫に入れておくのが究極の予防策です。
- 生ゴミの水分を絞る: 発生源となる水分を減らすため、生ゴミは捨てる前にぎゅっと絞ってから捨てる習慣をつけましょう。
対策2:三角コーナーと生ゴミ入れの完璧な掃除手順
キッチンの中でも特にコバエが集まりやすい場所を徹底的にキレイにするのが効果的です。
- キッチンハイターを活用: 三角コーナーや排水口ネットを外した後、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を吹きかけ、規定時間放置します。
- 毎日空にする: 生ゴミは「その日のうちに処理する」を徹底し、三角コーナーは空にして、就寝前には必ず洗って乾燥させます。
対策3:排水口の日常的な「熱湯(50℃)」と「重曹+クエン酸」掃除
チョウバエの再発を防ぐには、見えない排水管内のヘドロ対策が不可欠です。
- 定期的な熱湯洗浄: 排水管内の油汚れやヘドロを溶かし、卵や幼虫を洗い流すため、週に1〜2回、50℃程度の熱湯を流し込みます。
- ※熱湯を流しすぎるとパイプを傷めるため、熱すぎない温度(50~60℃)で流すようようにしましょう。
- 重曹・クエン酸パック: 排水口に重曹を振りかけ、その上からクエン酸水(水200mlにクエン酸小さじ1)を流し込むと発泡します。この状態で30分〜1時間放置することで、ヘドロ汚れを浮かせて落としやすくすることで、チョウバエの繁殖環境を根本からリセットできます。
対策4:観葉植物の土の「乾燥」と「受け皿の水捨て」
キノコバエ対策は、キノコバエが好む「湿った土」を排除することに尽きます。
- 水やりを控える: 土の表面が乾いてから2〜3日経って、さらに乾ききった状態になってから水を与える「乾燥気味」の管理をします。
- 受け皿はすぐに空に: 受け皿に溜まった水はコバエにとって最高の水場・湿地となるため、水やり後はすぐに受け皿の水を捨てる、または拭き取るようにします。
2. 飲食店・店舗が今すぐ見直すべき衛生管理のポイント
衛生管理が必要な飲食店や食品取扱店舗では、一般家庭より遥かに厳しい基準での予防策が必要です。
- 厨房内の清掃頻度: グリストラップ(油水分離槽)の清掃を定期的にプロに依頼する。
- 食材の管理: 野菜くずや皮などを放置せず、蓋つきのバケツにすぐ入れ、営業時間外に徹底的に密閉・廃棄する。
- 床・壁の点検: 破損したタイルの隙間や壁の裏側など、清掃が行き届きにくい場所に繁殖源ができていないか、専門業者による定期点検を導入する。
これらの習慣を日々のルーティンに組み込むことで、コバエの発生サイクルを断ち切ることができます。
自力で駆除効果が出なければプロの出番!業者に依頼すべきケースと費用

徹底的な予防策を講じてもコバエが減らないと感じたら、それは「素人の手に負える状況ではなくなった」というサインです。
特にコバエの発生源が、壁の裏や建物の構造内部など、一般の方では手が届かない場所にある場合、プロの知識と機材が必要です。
1. 迷わず業者に相談すべき3つのサイン
コバエの悩みがこちらに該当する場合は、専門業者への依頼をおすすめします。
サイン1:駆除・予防策を講じても2週間以上コバエの数が減らない
市販の駆除剤やトラップ・徹底的な清掃を2週間継続したにもかかわらず、コバエの数が目に見えて減らない場合は、見えない場所に「発生源」がある可能性が極めて高いためプロに見つけてもらうのが良いでしょう。
特にチョウバエは、マンションの集合配管の隙間など、複雑な場所に発生源を持つことがあります。ただし、マンションなどの集合住宅の場合は、業者より先に大谷さんや管理人さんに相談することをおすすめします。
サイン2:飲食店や食品を扱う店舗など、衛生上の問題で早急な解決が必要な場合
飲食店や食品加工場・病院など、衛生管理が義務付けられている場所でのコバエの発生は、信頼の失墜や営業停止に直結する重大な問題です。
この場合、スピードと確実性が最優先となります。専門業者は「どこに発生源があるか」の調査から、強力な業務用薬剤による駆除まで短い時間で行えるため急いで解決したい場合にもおすすめです。
サイン3:発生源が特定できない、または手が届かない場所にある
排水口やゴミ箱の周辺をいくら探しても発生源がわからない場合や、壁の隙間、床下の配管、建物の構造的な欠陥からコバエが発生している疑いがある場合です。プロは専用の調査機器やノウハウを使い、目に見えない繁殖ポイントを特定し、そこを徹底的に処理できます。
2. 失敗しない「コバエ駆除業者」の選び方とポイント
費用をかけて依頼するからには、確実にコバエのいない環境を取り戻したいものです。業者を選ぶ際は、以下のポイントを必ずチェックしましょう。
| チェックポイント | 確認すべきこと |
|---|---|
| 実績と経験 | コバエ(特にチョウバエなどの特定種)の駆除実績が豊富か、飲食店など特殊な環境での経験があるか。 |
| 見積もりの明確さ | 現地調査や見積もりが無料か。追加料金が発生する可能性があるか、事前に明確に説明されるか。 |
| 再発保証の有無 | 駆除後、一定期間内にコバエが再発した場合の再施工(保証)期間や条件が提示されているか。 |
| 使用する薬剤 | 家庭や店舗の環境(特に小さなお子様やペットの有無)に配慮した、安全性の高い薬剤を使用するか。 |
3. 駆除費用の目安
コバエ駆除の費用は、発生源や建物の構造、駆除範囲によって大きく変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。
| サービス内容 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 部分的なスポット駆除 | 8,000円〜20,000円 | 排水口や特定の場所のみの処理。薬剤費含む。 |
| 一般住宅の徹底駆除 | 20,000円〜50,000円 | 発生源の特定と広範囲の処理、再発防止対策を含む。 |
| 店舗・業務用駆除 | 30,000円〜(月額契約あり) | 定期的な訪問による予防・管理を含む場合が多い。 |
まずは複数の業者に「無料診断・見積もり」を依頼し、対応の丁寧さや提示された駆除プランを比較することから始めましょう。
コバエに悩まされる生活は今日で終わりにできます。 信頼できるプロに相談し、清潔で安心できる空間を取り戻しましょう。
4. おすすめのコバエ駆除業者3選
害虫駆除のおすすめ業者に関しては「害虫駆除の優良業者おすすめ9選!料金相場と失敗しない選び方」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

コバエ駆除に関するまとめ
家に入り込んでくるコバエには特徴があります。コバエ被害のある場所によってコバエの種類・原因・対処方法が変わってきます。
自分でできる駆除方法もありますが、状況によっては根本を断つためにプロの駆除業者に依頼した方が良いこともあります。
自分で駆除を試してみて、効果がなければ駆除業者に依頼することをおすすめします。
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