自分のうちにアライグマが入ってしまったとしたら、とても不安ですよね。アライグマは凶暴なため自力での駆除は避け業者に依頼するべきです。
しかし、アライグマの駆除を業者に依頼するといくらかかるのでしょうか?
こちらの記事では、アライグマの駆除費用の目安と安く済ませる方法、良い業者の選び方などを紹介します。
アライグマの被害に遭われているかたの参考になれば幸いです。

アライグマは本来北米原産の特定外来生物であり、その強い繁殖力と適応能力から、都市部や農村部で深刻な害獣被害を引き起こしています。
害獣としての大きな特徴は、手先が器用で、家屋への侵入や農作物の食い荒らしを得意とすること、そして雑食性ゆえに様々なものを食べることです。
痕跡としては、足跡が人間の子どもの手形に似ており、前足と後足ともに五本の指が長く、爪痕がはっきりと残るのが特徴で、大きさは前後足ともに約五から八センチメートル程度と比較的大きめです。
一方、フンは直径二から三センチメートル、長さ五から十五センチメートル程度の細長い形状で、未消化の種子や昆虫の殻などが混ざっていることが多く、強い悪臭を放ちます。
また、アライグマには同じ場所に何度も排泄する「ため糞」の習性があるため、天井裏や屋根裏といった特定の場所に大量のフンが集中して見つかった場合は、アライグマの可能性が高いと判断できます。
【結論】アライグマ駆除の費用相場はいくら?

一般的な一軒家におけるアライグマ駆除の総額費用は、5万円〜30万円が相場です。
「ずいぶん幅があるな」と感じられるかもしれませんが、これには理由があります。アライグマ駆除の料金は、単に「追い出して終わり」ではなく、被害の進行度合いによって作業内容が大きく変わるためです。
❶ 費用帯別の被害状況と作業の目安
あなたの家の状況がどこに当てはまるか、以下の表でチェックしてみてください。
| 費用帯 | 被害状況の目安 | 主な作業内容 |
| 5万〜10万円 | 侵入して間もない。足音がたまにする程度。 | 追い出し作業、1〜2箇所の侵入口封鎖 |
|---|---|---|
| 10万〜20万円 | 住み着いて数週間。糞尿のニオイが漂っている。 | 追い出し、全侵入口の封鎖、簡易清掃・消毒 |
| 20万〜45万円以上 | 長期間住み着き、繁殖している。天井にシミがある。 | 複数匹の駆除、徹底清掃、断熱材交換、家屋の修繕 |
❷ ネット広告の「最低料金(〇千円〜)」の正体
ネット検索をすると「8,800円〜」「14,500円〜」といった格安の料金表示を目にすることがあると思います。しかし、この金額だけで駆除が完了することは、まずありません。
こうした最低料金は、あくまで「出張費」や「1箇所のみの封鎖工賃」を指していることが多く、実際には「追い出し費用+侵入口封鎖+清掃・消毒」が合算されます。
❸ なぜ放置すると「数十万円」まで膨れ上がるのか?
アライグマ駆除で最も高額になりやすいのは、駆除そのものよりも「後処理(清掃・修繕)」です。 アライグマには同じ場所に排泄する「溜め糞」の習性があります。
放置すると天井板が腐って抜け落ちたり、断熱材がボロボロに食い破られたりします。こうなると大工仕事(リフォーム)が必要になり、費用は一気に跳ね上がってしまいます。
「少し高いな」と感じるかもしれませんが、被害が最小限のうちにプロに依頼することが、結果として最も費用を安く抑える唯一の方法なのです。
費用を左右する4つの作業項目と料金内訳

アライグマ駆除の費用が「5万円〜30万円」と幅広くなるのは、主に以下の4つの作業の組み合わせで決まるからです。業者から提示された見積書にこれらの項目が含まれているか、必ずチェックしましょう。
❶追い出し・捕獲作業(相場:1.5万円〜5万円)
まずは今いるアライグマを家から追い出す、あるいは捕獲する作業です。
- 追い出し: くん煙剤(煙)や忌避剤、超音波などを使って、屋根裏から外へ追い出します。
- 捕獲: 追い出しが難しい場合や、自治体の許可がある場合は「箱わな」を設置します。 ※アライグマは鳥獣保護法で守られているため、資格を持たない人が勝手に捕獲することは法律で禁止されています。
❷侵入口の封鎖(相場:2万円〜10万円以上)
追い出した後、二度と入れないように入り口を塞ぐ「最も重要」な工程です。
- 作業内容: 屋根の隙間、通風口、軒下など、アライグマが通り道にしている穴をパンチングメタル(金属板)などで塞ぎます。
- 費用の変動理由: 箇所数によります。アライグマは5〜6cmの隙間があれば侵入できるため、家屋全体を点検して全ての穴を塞ぐ必要があります。1箇所あたり3,000円〜10,000円程度が目安です。
❸糞尿の清掃・殺菌消毒(相場:3万円〜10万円)
アライグマが残した糞尿や、付着したウイルス・寄生虫を取り除く作業です。
- 作業内容: 糞の除去、消臭剤の散布、除菌剤による消毒。
- なぜ必要か: アライグマの糞には「アライグマ回虫」などの危険な寄生虫が含まれていることがあり、乾燥して舞い上がった粉塵を吸い込むと健康被害のリスクがあります。また、ニオイが残っていると、他のアライグマを呼び寄せる「マーキング」の効果が続いてしまうため、徹底的な洗浄が不可欠です。
❹ダニ・ノミの殺虫処理(相場:1万円〜3万円)
アライグマに付着していた二次被害を防ぐための作業です。
- 作業内容: 屋根裏全体の殺虫剤散布。
- なぜ必要か: アライグマがいなくなった後、行き場を失ったダニやノミが階下の居住スペースに移動し、家族やペットを刺す被害が多発します。「駆除したはずなのに体が痒い」という事態を防ぐために必要な工程です。
【チェックリスト】被害レベル別の費用シミュレーション

アライグマ駆除の費用は、「住み着いていた期間」と「汚れの範囲」に比例して高くなる傾向があります。
レベル1:侵入直後(被害が軽い場合)
【費用目安:5万円〜10万円】 「最近、夜中に屋根裏で音がし始めた」という初期段階です。
- 夜中に「トコトコ」と歩き回る音が聞こえる
- まだ糞尿のニオイは気にならない
- 庭でアライグマを見かけたばかり
<主な作業内容> アライグマの追い出しと、1〜2箇所の侵入口封鎖だけで済むケースがほとんどです。清掃の範囲も狭いため、最も安く解決できます。
レベル2:定住中(被害が進行している場合)
【費用目安:15万円〜25万円】 「毎日音がする」「どこからか嫌なニオイがする」という、すでに住処にされている状態です。
- 毎日決まった時間帯に大きな足音がする
- 天井付近からアンモニア臭のような悪臭が漂う
- 天井に小さなシミができ始めている
- 庭に大量のフンが落ちている
<主な作業内容> 追い出しと全ての侵入口封鎖に加え、屋根裏の広範囲な清掃・消毒が必要です。また、ダニ・ノミが繁殖し始めているため、殺虫処理も必須となります。
レベル3:深刻(繁殖や家屋破壊がある場合)
【費用目安:30万円以上】 「天井から複数の鳴き声がする」「シミが広がっている」という、最優先で対処すべき末期状態です。
- 「キーキー」「クルル」といった子どもの鳴き声が聞こえる
- 天井のシミが大きく、今にも抜け落ちそう
- 断熱材がボロボロになり、一部が外に溢れ出している
- 過去に自分で対策したが、何度も再侵入されている
<主な作業内容> 親子の捕獲、建物全体の徹底封鎖、汚染された断熱材の全撤去・交換、さらには腐食した天井板の張り替えなどのリフォーム工事が必要になります。
「これってレベル2かも?」と思ったら、手遅れになる前に、まずはプロの無料現地調査を利用して、現在の正確な被害状況を確認してもらうことを強くおすすめします。
費用を少しでも安く抑えるための3つの知恵

「プロに頼まざるを得ないけれど、やっぱり出費は痛い……」というのが本音ですよね。実は、アライグマ駆除の費用は、知っているのと知らないのとでは数万円単位で差が出る場合があります。
ここでは、少しでも負担を減らすために必ずチェックしておきたい「3つの知恵」をご紹介します。
❶ 被害が拡大する前に「1日でも早く」相談する
これが最も効果的で、かつ見落とされがちな節約術です。 先述のシミュレーションの通り、アライグマが住み着く期間が長くなればなるほど、糞尿による「建物の腐食」が進みます。
- 早期(レベル1): 数箇所の穴を塞ぐだけで完了。
- 放置(レベル3): 天井の張り替え、断熱材の全交換など、駆除費よりも高い「リフォーム費用」が発生。
「まだ大丈夫かな?」と迷っている1週間が、修理代を跳ね上げさせる原因になります。違和感を覚えたら、被害が「掃除だけで済む」うちにプロを呼ぶのが、トータルで一番安く済みます。
❷自治体の補助金・助成金・捕獲器貸出を確認する
お住まいの地域によっては、アライグマの駆除に対して自治体がサポートを行っている場合がありますので問い合わせてみましょう。
- 捕獲器の無料貸出: 多くの自治体で行っています。自分で設置・見回りをする必要がありますが、捕獲作業費を浮かせられる可能性があります。
- 駆除費用の補助金: 一部の自治体では、専門業者に依頼した費用の一部(例:費用の1/2、最大数万円までなど)を補助してくれる制度があります。
- 注意点: 「家の中(屋根裏)」の作業は対象外で、あくまで「庭など屋外での捕獲」が条件となるケースが多いです。まずは「〇〇市 アライグマ 駆除 補助金」で検索するか、環境課に問い合わせてみましょう。
❸「火災保険」が適用されるケースをチェックする
「火災保険で害獣駆除ができるの?」と驚かれるかもしれませんが、以下のような条件次第では可能です。
- 適用対象: 多くの火災保険には「建物損害」の補償が含まれています。アライグマによって「屋根に穴を開けられた」「天井が重みで破損した」といった場合、その修繕費用が保険金で賄える可能性があります。
- 対象外: 残念ながら「駆除作業そのもの(追い出し代)」や「糞尿の清掃代」は保険対象外となるのが一般的です。
大規模な修繕が必要になった場合、保険が適用されれば自己負担を大幅に減らせます。
申請には写真や診断書が必要になるため、調査に来た業者に「火災保険を使いたいので、被害写真をお願いします」と一言伝えましょう。
失敗しない!信頼できる駆除業者の見極め方

アライグマ駆除は、一度の作業で終わるものではありません。「再発させないこと」が何より重要です。業者選びで後悔しないために、以下の4点を必ずチェックしてください。
① 現地調査を無料で行い、詳細な見積もりを出すか
無料の現地調査と見積もりのある業者を選びましょう。
電話だけで「一律〇万円です」と金額を確定させる業者は要注意です。アライグマの被害状況は一軒ごとに異なり、侵入口の数や屋根裏の汚れ具合を見ずには、正確な見積もりは出せません。
- 良い業者の特徴: 屋根裏に入って被害状況を写真に撮り、それを見せながら「なぜこの作業が必要か」を丁寧に説明してくれる。
- 避けるべき業者の特徴: 現地を見ずに「とりあえず契約を」と急かす、または「一式 〇〇円」と内訳が不明瞭な見積書を出す。
② 「再発保証」の内容が具体的か
再発保証があるか・どんな内容なのかを確認し納得できる業者を選びましょう。
アライグマは執着心が強く、一度塞いだ場所をこじ開けたり、別の隙間を見つけたりして戻ってくることが多々あります。
- チェックポイント: 単に「保証あり」だけでなく、**「保証期間(例:5年間)」「保証の範囲(同じ場所からの侵入のみか、家全体か)」**を確認してください。
- 信頼の証: 自信がある業者ほど、「万が一再侵入されたら無償で対応します」という長期の再発保証を明確に提示しています。
③ 無理に契約を急かさないか(当日契約の強要)
すぐに契約をせまる業者は避けましょう。
「今すぐ契約しないと家が腐りますよ」「今日ならキャンペーンで半額です」といった、不安を煽るような営業トークには注意が必要です。
- 対策: 提示された金額が妥当かどうか判断するために、「家族と相談します」「他社とも比較します」と伝えましょう。優良な業者であれば、他社との相見積もりを嫌がらず、じっくり検討する時間をくれるはずです。
④ 清掃・消毒・殺虫を「セット」で提案しているか
追い出しだけでなく、清掃・消毒・殺虫・さらに再発防止まで可能な業者を選びましょう。
アライグマ駆除において、追い出しと同じくらい大切なのが「後処理」です。
- 確認事項: 糞尿の撤去だけでなく、目に見えない寄生虫やウイルスの「殺菌」、そして壁の隙間に逃げ込むダニ・ノミの「殺虫」までプランに含まれているか確認してください。
- ここがポイント: 安さだけを売りにする業者は、こうした手間のかかる清掃・消毒を省いていることが多く、後から「家が臭う」「家族がダニに刺される」といった二次被害に繋がります。
害獣駆除のおすすめ業者に関しては「害獣駆除おすすめ業者10選!料金相場と選び方も紹介!」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

よくある質問(Q&A)
こちらでハクビシン駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。




