イタチ被害にあったら、自力での駆除はできないものと思ってください。自分で駆除できないとなると駆除業者に依頼することになりますが、駆除業者の費用は高額になることがあります。
その場合、イタチ駆除に被害場所の自治体から公的な補助金・助成金が使える場合があります。
もし、補助金がない場合でも費用負担が軽減できる場合がありますので、こちらではその方法を紹介します。
イタチ被害でお悩みの方の参考になれば幸いです。

イタチは体長数十センチ程度の細長い体躯を持つ、非常に身軽な雑食性の害獣です。
家屋に侵入すると夜行性ゆえに、天井裏を走り回る「ドタドタ」という騒音で住民の安眠を妨害します。
被害を特定する痕跡として、まずフンは細長く水分が多い形状が特徴で、最も厄介なのは強烈な悪臭を放つ点です。
これは、縄張りを示すための肛門腺の分泌液が混ざるためであり、イタチには一箇所にフンを溜める「ため糞」の習性があるため、天井が腐食したり、ノミやダニが発生したりする原因となります。
一方、足跡は2〜3cmと小さく、5本の指と爪が残り、前足よりも後ろ足が若干大きい梅の花のような形をしていますが、体重が軽いため跡が残りにくいのも特徴です。
イタチ駆除の費用を補助金で賄えるか?結論と現状

イタチによる被害に遭われている方にとって、「駆除費用を少しでも安くしたい」という願いは切実なものです。
結論からお伝えすると、残念ながら、住宅に入り込んだイタチの駆除や清掃にかかる費用を直接補助してくれる公的な制度は、ほとんどありません。
多くの場合、費用は全額自己負担となるのが現状です。
❶ 結論:イタチ駆除に特化した補助金はほとんどないのが現状
イタチは「鳥獣保護管理法」という法律で守られている「野生動物」です。この法律により、イタチの捕獲や殺傷、駆除は原則として自治体の許可が必要とされています。
しかし、ほとんどの自治体で設けられているのは、「農作物や林業への被害を防ぐための対策」を支援する制度です。
そのため、個人の家屋(屋根裏や床下など)で発生した騒音や悪臭といった「住宅被害」に対する駆除費用を補助金の対象としている自治体は、非常に少ないのが実態です。
高額な補助金を期待していた方には残念ですが、まずは「費用は自己負担が原則」であると理解しておくことで、次の具体的な対策を読み進めてください。
❷ 唯一の補助は農作物被害を防ぐための助成金
補助金が出る可能性があるとすれば被害場所が農地や山林に隣接しており、イタチによる「農作物への被害を防ぐため」の対策として駆除を行う場合です。
多くの自治体が実施している「有害鳥獣対策事業」では、主に以下の費用に対して補助金や助成金を出しています。
ただし、これはあくまで「今後の農作物被害の予防策」に対するものであり、「既に住宅内に侵入して住み着いたイタチを追い出し、清掃する費用」とは区別されることがほとんどです。
現在の状況が「農作物被害も受けている、またはその危険性が高い」場合は、一度窓口に相談してみる価値はあります。
❸ 確認すべき窓口は?お住まいの地域で補助金を調べる方法
補助金・助成金の制度は、国ではなく各市町村や都道府県が独自に定めているため、地域によって対応が大きく異なります。
お住まいの地域で補助金制度がないか確認するためには、以下の窓口に問い合わせてみましょう。
| 窓口 | 主な担当内容 |
| 市役所・区役所の「農政課」「環境課」 | 有害鳥獣の捕獲や農作物被害の対策事業を担当しています。 |
|---|---|
| 役場の「鳥獣対策担当窓口」 | 担当部署が細かく分かれていない場合は、この名称で窓口があることがあります。 |
問い合わせ時に確認すべき重要ポイント
電話で問い合わせる際は、「イタチの駆除」ではなく、より具体的な情報を伝えてください。
「補助金はない」と回答されたとしても、「捕獲器の貸し出し」や「無料相談」といったサービスを提供している自治体は多いため、費用軽減の第一歩として活用を検討してみましょう。
知らないと損する!イタチ駆除の費用を抑える3つの代替策

補助金がないからといって、高額な駆除費用を諦める必要はありません。
費用を劇的に抑える方法は存在します。特に、多くの方が「まさか適用できるとは」と見落としがちな「火災保険」の活用は、費用負担を軽減する切り札となります。
ここでは、費用を最小限に抑えるための3つの対策をご紹介します。
❶ 【最重要】火災保険の「風災・雪災補償」が適用できるケースがある
イタチ駆除費用を安く抑える上で、まず確認していただきたいのが「火災保険」です。
多くの保険では、「動物による損害(イタチが屋根裏を荒らした、糞尿で汚した)」そのものは補償の対象外とされています。
しかし、イタチの侵入原因が「風災(台風など)や雪災(積雪)による建物の損壊」だった場合、適用されるのです。
適用となる可能性が高いケース
- 台風で屋根の瓦がずれ、そこからイタチが侵入した
- 積雪の重みで建物の隙間が広がり、そこが侵入経路になった
この場合、保険金が支払われるのは「イタチ駆除費用」そのものではなく、「風災・雪災によって壊れた建物を修理する費用」です。
優良な駆除業者の中には、この火災保険の申請をサポートしてくれる会社もあります。
保険が適用されれば、自己負担するのは修理費の一部(免責金額)のみとなり、結果として駆除にかかる総費用を大きく抑えることができます。
❷ 市町村の「無料相談窓口」や「捕獲器貸し出し」制度を利用する
専門業者に依頼する前に、自治体のサービスを利用することで初期費用を抑えることができます。
- 無料相談の活用: 先述の通り、市役所などの環境課や農政課では、イタチの生態や被害対策に関する無料相談に応じてくれる場合があります。プロに依頼する前に知識を得ることで、不要な作業を省き、適正価格で依頼するための判断材料が得られます。
- 捕獲器(箱罠)の無料貸し出し: 一部の自治体では、イタチ捕獲用の箱罠を無料で貸し出しています。ただし、イタチは「鳥獣保護管理法」により勝手に捕獲・処分ができません。捕獲できたとしても、その後の手続きや処分を自治体の指示に従って行う必要があるため、必ず事前にルールを確認してください。
自己解決が難しく最終的に業者に依頼するにしても、これらの初期対応を行うことで、業者の作業範囲を減らせる可能性があります。
❸ 見積もりを比較し相場より高額な業者を選ばない
費用負担を抑える最も基本的な対策であり、失敗しないための肝となるのが、複数の専門業者から見積もりを取ることです。
イタチ駆除の費用は、業者によって数十万円単位で変動することが珍しくありません。高額な見積もりを出された場合でも、それが適正価格なのかどうかを判断するには比較が不可欠です。
見積もりで必ず確認すべき内訳
費用を比較する際は、総額だけでなく以下の3つの作業がすべて含まれているかを確認しましょう。
- 駆除・追い出し作業
- 侵入経路の封鎖・修理作業
- 清掃・消毒・消臭作業
この3点がセットになっていないと、再発や健康被害のリスクが残ります。「駆除だけ格安」に見えても、必要な封鎖や清掃が別料金で非常に高額になるケースもあるため、必ず3点セットの総額で比較してください。
見積もり比較を通じて、悪質な高額請求を避け、適正価格で信頼できる業者を見つけることが、結果として最も費用を無駄にせず、平穏な生活を取り戻す近道となります。
【早見表】イタチ駆除のリアルな費用相場と内訳

イタチ駆除の費用は、被害の状況や建物の構造によって大きく変動するため、「〇万円で完了」と断言することはできません。
しかし、費用の内訳とその相場を把握しておくことで、「なぜ高額になるのか」を理解し、不当な請求を防ぐことができます。
ここでは、イタチ駆除にかかる費用のリアルな相場を内訳ごとに解説します。
❶ イタチ駆除の費用相場
イタチ駆除は、単に追い出すだけでなく、再発防止と衛生管理を徹底するために、主に3つの工程が必要です。
| サービス内容 | 相場(目安) | 費用の説明と重要性 |
| 1. 駆除・追い出し作業 | 2万〜5万円 | 許可を得た方法でイタチを追い出すか、捕獲・搬送する作業。 |
|---|---|---|
| 2. 侵入経路の封鎖・修理 | 3万〜15万円 | わずか3cmの隙間も塞ぐ、再発防止に最も重要な作業。費用が大きく変動する要因。 |
| 3. 清掃・消毒・消臭 | 3万〜8万円 | 糞尿による悪臭やダニ、ノミ、病原菌を除去する作業。健康被害予防に必須。 |
| 合計(最低〜平均) | 10万〜40万円 | 被害が軽微で一ヶ所の封鎖で済む場合は最低額から。広範囲の場合は高額に。 |
※上記はあくまで目安であり、被害の大きさや業者の技術力、保証内容によって変動します。
❷ 駆除費用が高額になる3つの理由
なぜイタチ駆除費用は、時に数十万円と高額になるのでしょうか。それは、単に動物を追い出すだけではない、専門性とリスクの高い作業が必須だからです。
- 侵入経路の特定と封鎖作業に手間がかかる(再発防止の肝)
- イタチは非常に賢く、たった3cm程度の隙間があれば侵入できます。
プロは、建物の構造を熟知し、雨どい、換気扇フード、基礎のひび割れ、屋根の隙間など、家中の数十ヶ所を徹底的に調査して侵入経路を特定し、二度と入れないように完全に封鎖しなければなりません。
この時間と技術が必要な再発防止策こそが、費用が高額になる最大の理由です。
- イタチは非常に賢く、たった3cm程度の隙間があれば侵入できます。
- 鳥獣保護管理法に基づき、特別な許可と技術が必要
- イタチは法律で保護されているため、個人が勝手に捕獲することはできません。
駆除業者は、自治体から許可を得て作業を行います。
また、天井裏や床下といった閉鎖的で危険な場所での作業には、専用の装備と専門的な知識が必要です。
この「違法にならないための専門性とリスク」が費用に反映されます。
- イタチは法律で保護されているため、個人が勝手に捕獲することはできません。
- 清掃や消毒作業が必須(健康被害を防ぐため)
- イタチの糞尿は強烈な悪臭を放つだけでなく、病原菌や寄生虫(ダニ、ノミ)の温床となります。
これらの衛生被害を放置すると、住人の健康に深刻な影響を及ぼします。
そのため、清掃・殺菌消毒・消臭といった作業は単なるオプションではなく、被害解決後の安心な生活を取り戻すために欠かせない必須作業であり、その費用も発生します。
- イタチの糞尿は強烈な悪臭を放つだけでなく、病原菌や寄生虫(ダニ、ノミ)の温床となります。
これらの理由から、安さだけを追求して清掃や封鎖が不十分な業者を選んでしまうと、すぐに再発したり、健康被害が残ったりして、結局二重に費用がかさむことになります。
「高額=悪質」ではなく、「必要な作業が漏れなく行われているか」を内訳で判断することが重要です。
【失敗しない】信頼できるイタチ駆除業者選びのチェックポイント

補助金がなく、高額になりがちなイタチ駆除費用を無駄にしないためには、信頼できる優良な業者を選ぶことが最も重要です。
悪質な業者に騙されたり、再発して再度費用を払うことになったりする事態は絶対に避けなければなりません。
ここでは、業者選びで失敗しないための重要チェックポイントをご紹介します。
❶ 業者選びで失敗しないための重要ポイント
補助金がなく、高額になりがちなイタチ駆除費用を無駄にしないためには、信頼できる優良な業者を選ぶことが最も重要です。
悪質な業者に騙されたり、再発して再度費用を払うことになったりする事態は絶対に避けなければなりません。
ここでは、業者選びで失敗しないための重要チェックリストをご紹介します。
①「許可証」や「登録証」を持っているか確認する
イタチは法律で保護されているため、駆除を行う業者は自治体の許可が必要です。特に、以下の資格や登録があるかを確認しましょう。
- 「鳥獣捕獲等許可証」または「狩猟免許」の保有者
- 各自治体の「害獣駆除関連事業者の登録」
これらの証明がない業者は、違法な方法で駆除を行うリスクがあり、トラブルに巻き込まれる可能性があるため避けてください。
②見積もり時の現地調査が丁寧か(侵入経路の特定が肝心)
優良な業者は、必ず駆除の前に時間をかけて詳細な現地調査を行います。
- 天井裏だけでなく、屋根、床下、外壁、換気口など家全体をチェックしているか
- 調査報告書や写真などで、被害状況と侵入経路を具体的に説明してくれるか
単に「だいたいこのくらい」で済ませる業者は、侵入経路の見落としにより再発のリスクが高まります。駆除の成否は「封鎖」にかかっているため、調査の丁寧さが信頼の証です。
③「再発保証」の期間と内容が明確か(費用を無駄にしないため)
イタチ駆除で最も怖いのが「再発」です。費用を払って駆除したのにすぐにまたイタチが戻ってきてしまっては、費用がすべて水の泡になってしまいます。
- 保証期間はどれくらいか(1年~5年が一般的です)
- 保証の対象範囲はどこまでか(再発時の駆除・封鎖費用が含まれているか)
保証期間が長く、内容が明確な業者を選ぶことで、万が一再発した場合でも追加費用をかけることなく対応してもらえます。
④火災保険の申請サポートを行っているか
前述の通り、火災保険を適用できれば費用を大きく抑えることができます。優良な業者の中には、申請に必要な「被害状況の写真撮影」や「見積書の作成」など、保険会社とのやり取りをサポートしてくれるところがあります。
費用軽減に協力的な姿勢を見せてくれる業者は、それだけ顧客の不安に寄り添っている証拠です。
❷【最終比較】優良業者を3社以上比較すべき理由
業者選びの最大の失敗要因は、「最初の1社で決めてしまう」ことです。
3社以上の見積もりと対応を比較することで、以下のメリットが得られます。
- 適正価格の把握: 各社の料金やサービス内容を比較することで、相場から大きく外れた高額な請求(悪質業者)を確実に避けられます。
- 対応力の確認: 現地調査の丁寧さや保証に関する説明の分かりやすさなど、担当者の信頼性や技術力を比較できます。
- 交渉材料: 他社の見積もりがあれば、より良い条件や価格を交渉しやすくなる場合があります。
イタチの被害は一刻も早く止めたいという気持ちは理解できますが、焦って決めてしまうと後悔につながります。まずは「優良業者3社に無料調査を依頼する」ことから始めましょう。
害獣駆除のおすすめ業者に関しては「害獣駆除おすすめ業者10選!料金相場と選び方も紹介!」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

イタチの被害を放置するリスクと今すぐ駆除すべき理由

「費用が高いから…」「今は忙しいから…」とイタチの被害を放置することは、とても危険です。
イタチは家屋に侵入した後もどんどん被害を拡大させ、費用面、健康面、建物構造面のすべてにおいて、深刻なリスクをもたらします。
駆除業者に相談することで以下のような深刻なリスクを回避することができます。
❶ 健康被害:ダニ、ノミ、感染症のリスク
イタチを放置することは、健康を危険にさらすことと同義です。
- 病原菌と感染症: イタチの糞尿には、サルモネラ菌など人間に感染する可能性のあるさまざまな病原菌が含まれています。
これらの菌が空気中に舞い上がったり、生活空間に浸入したりすることで、食中毒や重篤な感染症を引き起こす可能性があります。 - ノミ・ダニの大量発生: イタチの体には、大量のノミやダニが寄生しています。イタチが屋根裏を住処にすることで、これらが繁殖し、天井を伝って室内に降りてきます。
特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、皮膚炎やアレルギーの原因となり、駆除が非常に困難になります。
❷ 建物被害:断熱材の破壊、電気配線のショート
イタチは非常にパワフルで、一度住み着くと建物の寿命そのものを縮めてしまいます。
- 断熱材の破壊と光熱費増: 巣作りや移動の際に、天井裏の断熱材(グラスウールなど)をボロボロに引きちぎってしまいます。これにより断熱効果が著しく低下し、夏は暑く冬は寒い家になり、光熱費が不必要に高騰します。
- 電気配線の噛み切りと火災リスク: 駆除で最も恐れられるリスクの一つが、イタチが電気配線やケーブルを噛み切ることです。これにより漏電やショートが発生し、最悪の場合、大規模な火災を引き起こす危険性があります。
- 建材の腐食: 糞尿が大量に蓄積すると、建材を腐食させ、シミや悪臭が家の躯体にまで染み込みます。こうなると、駆除費用だけでなく、大規模なリフォームが必要になり、修繕費用が数十倍になることもあります。
❸ 精神的苦痛:騒音と悪臭による睡眠障害
夜行性のイタチが天井裏を走り回る騒音は、夜中に繰り返されるため住人に深刻なストレスを与えます。
- 睡眠不足と体調不良: 騒音によって睡眠が妨げられ慢性的な睡眠不足となり、集中力低下や体調不良を引き起こします。
- 悪臭による生活の質の低下: 糞尿の悪臭は非常に強烈で、換気をしても解消されません。生活空間まで悪臭が広がることで、家にいることが苦痛になり精神的な負担が増大します。
費用面で悩むお気持ちは分かりますが、被害を放置して時間が経つほど、駆除費用と修繕費用、そして健康被害のリスクが雪だるま式に増大します。
駆除の依頼をするタイミングは「今すぐ駆除を依頼すること」です。なるべく早く駆除を依頼することが結果的に出費を抑えることにつながります。
こちらでイタチの駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。




