そのコバエの種類と対策方法は?種類別に見る発生源・駆除・予防策を紹介

コバエ種類対策

気づくとなぜか飛んでいるコバエ、駆除したいけれど、コバエの正体を明らかにしないで対策をしても的外れになってしまうことがあります。

効果的な対策を打つためにも、コバエの正体を明らかにして的確な方法で対策しましょう。

こちらでは、コバエの見分け方と効果的な対策方法を紹介します。

コバエの被害に悩んでいる方のお役に立てば幸いです。

目次

般的なコバエ4種類の見分け方と発生源

私たちを悩ませるコバエは主に以下の4種類です。この4種類は見た目も好みも発生源も全く違います。

まずは、対策したいコバエがどれに当てはまるか確認してください。

コバエの種類主な特徴(見分け方)どこでよく見るか(発生源)
ショウジョウバエ
ショウジョウバエ
赤茶色。目が赤い。ユラユラと飛ぶ。キッチンの生ゴミ、三角コーナー、空き缶、残飯。
チョウバエ
チョウバエ
灰色または黒。体全体が毛深い。ハート型に見える。お風呂、洗面所、トイレなどの排水溝のぬめりやヘドロ。
ノミバエ
nomi-bae
黒っぽい。動きが非常に素早く、走るように移動する。腐敗した肉・魚、ペットの糞、飲食店の調理場の隅。
キノコバエ
キノコバエ
黒く細長い。観葉植物の土の近くを歩くように飛ぶ。植木鉢の土、腐葉土、湿度の高い場所。

【1】キッチンの周りを飛ぶ:ショウジョウバエ

コバエといえば、まずショウジョウバエを思い浮かべる方が多いでしょう。ショウジョウバエは目が赤いのが特徴です。

ショウジョウバエ
項目内容
👁️ 見分け方と特徴体色・サイズ: 赤茶色をしており、目が赤いのが特徴です。体長は約2〜3mmと小さいです。

飛び方: 毒々しい雰囲気はなく、ふらふら、ユラユラと少し酔っぱらったような飛び方をします。
🚰 最重要発生源「発酵した匂い」を好みます。

キッチンの生ゴミ、三角コーナー、放置されたジュースや酒の空き缶、野菜くずなどが代表的な発生源です。特に、夏の生ゴミは要注意。
💡 ヒントもしコバエがキッチン周辺に集中しているなら、このショウジョウバエである可能性が極めて高いです。

【2】お風呂・洗面所に出る:チョウバエ

水回りの衛生状態が気になる場所でよく見かけるコバエです。あまり動かずハート型の可愛らしい形が特徴です。

チョウバエ
項目内容
👁️ 見分け方と特徴体型: 翅が大きく、広げるとハート型のように見えます。体が毛深いため、モコモコした質感に見えます。
飛び方: 動きは鈍く、壁などにじっと止まっていることも多いです。
🚰 最重要発生源「水回りのぬめりやヘドロ」を好みます。
お風呂や洗面所、キッチンの排水溝の奥に溜まったドロドロした有機物(皮脂や石鹸カス)の中で繁殖します。排水溝のフタを開けて確認してみてください。
💡 ヒント排水溝周りを徹底的に掃除しない限り、何度駆除しても幼虫が発生源から湧き出てきてしまうため、根本的な解決には至りません。

【3】腐敗物・肉・魚の周りにいる:ノミバエ

ショウジョウバエと見た目が似ていますが、その動きには明確な違いがあり、飲食店などで特に警戒すべき種類です。

nomi-bae
項目内容
👁️ 見分け方と特徴体色・サイズ: 黒っぽく、体長は1〜2mmと非常に小さいです。
動き: 最大の特徴は、飛ぶよりも地面や壁をノミのように素早く走り回るように移動することです。
🚰 最重要発生源「腐敗した動物性の有機物」を好みます。
放置された生肉や魚、ペットの糞、またはネズミなどの小動物の死骸がどこかにある可能性を示唆します。特に飲食店や古い建物では要注意です。
💡 ヒント動きが素早すぎて捕まえにくいと感じたら、ノミバエかもしれません。ショウジョウバエのトラップには引っかかりにくい傾向があります。

【4】観葉植物の周りにいる:キノコバエ

キッチンでも水回りでもないのにコバエが出る、という場合はこのキノコバエを疑いましょう。

キノコバエ
項目内容
👁️ 見分け方と特徴体型: 黒色で細長く、蚊のようなシルエットをしています。
行動: 土の表面や植木鉢の周りを歩くようにチョロチョロと飛んでいることが多いです。
🚰 最重要発生源「湿った土とカビ」を好みます。
室内にある観葉植物の鉢の土が最大の発生源です。特に水を与えすぎている場合や、腐葉土が多用されている場合に発生しやすいです。
💡 ヒント「土から虫が出てきている気がする」と感じたら、まずこのキノコバエの対策に集中してください。

簡易診断チャート:コバエを特定!

特徴ハエの種類
キッチン、ゴミ箱の周り素早く、地面を走り回るように移動するノミバエ
ユラユラ、フワフワと漂うように飛ぶショウジョウバエ
お風呂、洗面所、排水溝周りチョウバエ
観葉植物の土の周りキノコバエ

コバエの種類は特定できましたか?種類が分かったら駆除方法を見ていきましょう。

コバエの種類別・発生源に合わせた最強の駆除マニュアル

コバエの駆除は、発生源を「叩く」対策と、成虫を「捕まえる」対策をセットで行うことが鍵です。種類ごとに最適な駆除と再発防止のための予防法を解説します。

(1) ショウジョウバエの駆除・予防法

ショウジョウバエは、キッチンやリビングの発酵した有機物を発生源とするため、主に「清掃」と「トラップ」が有効です。

❶ 発生源の徹底的な除去と清掃(最優先)

ショウジョウバエは生ゴミや残りカスに卵を産みつけます。これを放置している限り、駆除剤は効きません。

  • ゴミの管理: 三角コーナーや排水口のゴミ受けは、その日のうちに必ず処理し、水気を切って密封しましょう。
  • 清掃: ゴミ箱やシンク周りをアルコールやキッチン用漂白剤で徹底的に拭き、匂いの元となる汚れを残さないようにします。
  • 空き缶・瓶: ビールやジュースの空き缶、瓶はすぐに水で濯ぎ、フタをして密閉保管しましょう。

❷ 自作トラップで成虫を捕獲

発生源の除去と並行して、飛んでいる成虫を捕まえるために「めんつゆトラップ」が非常に有効です。

  • めんつゆトラップの正しい作り方: 小さな容器に「めんつゆ」を少量入れ、中性洗剤を2~3滴加えます。
  • 設置場所: 発生源(ゴミ箱の近くやキッチンカウンター)のそばに設置します。

☝️ 失敗しないコツ: 中性洗剤を入れることで、めんつゆに誘引されたコバエが表面張力で浮くことなく、溺死します。

(2) チョウバエの駆除・予防法

チョウバエは排水管のぬめりが住処です。トラップは効果が薄く、排水管に特化した対策が必要です。

❶ 排水管の奥に潜む幼虫を駆除

幼虫は排水管内部のヘドロの中で生活しているため、表面を掃除するだけでは駆除できません。

  • パイプクリーナーの使用: 強力なアルカリ性のパイプクリーナーを排水溝に入れ、規定時間放置してから洗い流します。ぬめり(幼虫の住処)を溶かすことが目的です。
  • 熱湯処理(注意が必要): 排水溝に50〜60℃のお湯を流すのも効果的です。ただし、熱すぎると配管を傷める可能性があるため、熱湯(100℃)は絶対に避けてください。

❷ 定期的な清掃とフタの活用

再発防止のためには、チョウバエが卵を産みつけられない環境を維持します。

  • 浴室清掃: 浴槽のエプロン内や、洗面台のオーバーフロー穴など、普段見えない場所のぬめりも定期的に清掃しましょう。
  • 排水口カバー: 排水口のフタやカバーを活用し、チョウバエが管内に侵入しにくい状態を保ちます。

(3) ノミバエの駆除・予防法

ノミバエは、腐敗物や排泄物といった「衛生的に深刻な場所」から発生します。まずは徹底的な原因究明と消毒が必要です。

❶ 発生源の探索と徹底的な廃棄・消毒

ノミバエは非常に繁殖力が強いため、発生源を完全に断つことが最優先です。

  • 探索: キッチン、床下の隙間、ペットのトイレ、見落としがちな食べ物のカスなど、異臭がする場所を徹底的に探します。
  • 廃棄と清掃: 発生源を特定したら、すぐに廃棄し、その周辺を強力なアルコールや塩素系漂白剤で消毒・除菌します。

❷ 環境整備と侵入経路の遮断

  • 食品の管理: 食品は必ず密閉容器に入れるか、冷蔵庫で保管し、ノミバエがアクセスできないようにします。
  • 侵入経路: 窓やドアの隙間、換気扇など、外部からの侵入経路となり得る場所をチェックし、塞ぐか網戸の目を細かくするなどの対策を検討します。

(4) キノコバエの駆除・予防法

キノコバエは「湿度の高すぎる土」を発生源とします。殺虫剤を撒くよりも、園芸の管理方法を見直すことが重要です。

❶ 土の環境改善で幼虫を死滅させる

幼虫は湿った土の中やカビを食べて育ちます。土を乾燥させることが最も効果的です。

  • 水やりの頻度調整: 水やりを控え、土の表面をしっかりと乾かします。コバエが出ている間は、鉢の底穴から水を吸わせる底面給水に切り替えるのも手です。
  • 土の交換: 鉢の表面から3cmほどの土を新しい清潔な土(赤玉土など無機質なもの)に交換すると、表面にいる幼虫や卵を物理的に除去できます。

❷ 駆除剤の活用と予防

  • 薬剤: 観葉植物用の粒状の殺虫剤を土に撒くと、幼虫を駆除し予防にもなります。
  • 鉢カバー: 鉢底穴からコバエが侵入しないよう、鉢カバーをしたり、受け皿の水を放置しないように注意しましょう。

コバエの対策は、「発見」→「特定」→「発生源の除去」→「成虫の駆除」→「予防の定着」という流れが非常に大切です。

自力での対策を数日〜1週間続けてもコバエの発生が収まらない場合は、配管の奥や建物の構造に問題がある可能性があります。そんなときは、「プロの活用」も視野に入れましょう。

自力駆除の限界サインと専門業者への依頼判断の基準

「やれることは全てやったのに、まだコバエがいなくならない」「どこから湧いているのか全く分からない」という状況に直面したら、それは自力駆除の限界サインかもしれません。

ここでは、専門業者への相談を検討すべき判断基準と、業者に依頼するメリットを解説します。

1. 自力での解決が難しい3つのケース

以下の状況が1週間以上続いている場合、自力での対応が難しい問題が潜んでいる可能性が高いです。

❶ 対策しても1週間以上効果がない、もしくは数が減らない

ショウジョウバエやチョウバエは、発生源を断てば数日で成虫を見かけなくなります。めんつゆトラップやパイプクリーナーを適切に使っても効果が出ない場合、以下のような見落としがあるかもしれません。

  • 手の届かない配管の奥深くに、幼虫や卵がびっしり定着している。
  • 壁や床下の予期せぬ場所(ネズミの死骸など)がノミバエの発生源になっている。

❷ 店舗や広範囲で発生源が特定できない、または複数の種類が同時発生

飲食店や食品を扱う店舗の場合、複数の発生源がある場合もあります。

  • 広い敷地内に複数の発生源が散在している場合、自力での特定はほぼ不可能です。
  • ショウジョウバエとノミバエが混在するなど、複数の種類が同時に発生している場合、それぞれの対策を同時に行うのは難しく、プロの総合的な判断が必要です。

❸ 賃貸物件や集合住宅で隣接する住戸との関連が疑われる

自分の部屋を完璧に掃除しても、隣の部屋や建物の共有配管からコバエが侵入してきている場合があります。この場合、個人の努力だけでは解決できません。

  • 賃貸物件では、管理会社やオーナーを通じて、建物全体の問題としてプロに対応を依頼するのが最も確実です。

2. 駆除業者に依頼するメリットと費用相場

「ハエくらいで業者に頼むのは大げさかな?」と躊躇する必要はありません。コバエ駆除のプロは、私たちの目の届かない場所の解決方法を熟知しています。

メリット詳細
発生源の正確な特定内視鏡や専門知識に基づき、建物の構造を理解した上で、自力では見つけられない場所(床下、壁の内部、複雑な配管)にある発生源を特定します。
強力かつ安全な薬剤一般には手に入らない、コバエの種類に応じた強力な業務用薬剤を使用し、卵や幼虫まで徹底的に駆除します。
再発防止策の提案駆除だけでなく、建物の欠陥や生活習慣に基づいた専門的な再発防止策を提案してくれます。

費用相場について

  • コバエ駆除の費用は、発生源の特定難易度や薬剤の使用量、建物の広さによって大きく変動します。
  • 一般的な相場: 数万円~十数万円(集合住宅や飲食店など規模によって大きく異なる)。
  • 注意点: 業者によっては、調査費や見積もり費が別途かかる場合があります。

3. 優良なコバエ駆除業者選びの3つのポイント

「コバエがいなくなればどの業者でもいい」と安易に選ぶと、高額請求や再発につながりかねません。以下のポイントをチェックして、信頼できる業者を選びましょう。

❶ 見積もりの明確さ

  • 作業前に総額を提示してくれるか確認しましょう。
  • 「作業中に新たな発生源が見つかった場合の追加料金の基準」について質問し、曖昧な返答をする業者は避けるべきです。

❷ 駆除後の再発保証の有無

  • 保証期間(例:3ヶ月など)と、その期間内に再発した場合の無償での再施工の有無を確認してください。保証がある業者は、駆除技術に自信を持っている証拠です。

❸ 対応のスピードと実績

  • コバエは不快なだけでなく衛生上の問題です。問い合わせから現地調査までの対応の早さは重要です。
  • 公式ウェブサイトなどで、過去の駆除事例や実績(特に状況に近い事例)を公開しているかを確認しましょう。

害虫駆除のおすすめ業者に関しては「害虫駆除の優良業者おすすめ9選!料金相場と失敗しない選び方」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

こちらでハエの駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。

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この記事を書いた人

さとるのアバター さとる 元駆除会社社員

普段はいくつかのWEBメディアで記事コンテンツを作っています。こちらでは害獣・害虫駆除について書いていきます。

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