ゴキブリ駆除にパーツクリーナーは有効?凍結スプレーとの比較と危険性

ゴキブリにパーツクリーナー

ゴキブリにパーツクリーナーが効くって知っていましたか?

けれど、パーツクリーナを使ってゴキブリを駆除するのには、少しコツが必要だったりします。

こちらの記事では、ゴキブリ駆除にパーツクリーナーが効く理由や使い方の注意・根本的なゴキブリ退治のおすすめを紹介します。

ゴキブリにお悩みの方のお役に立てれば幸いです。

目次

結論:ゴキブリ駆除にパーツクリーナーは有効だが非推奨

ゴキブリ駆除には、なんとパーツクリーナーが効きます。けれどおすすめではないため、こちらではその理由を紹介します。

1. ゴキブリにパーツクリーナーが有効でも非推奨な理由

「目の前のゴキブリを今すぐどうにかしたい」という切実な思いから、パーツクリーナーを吹き掛けたくなることがありますよね。

結論からお伝えすると、パーツクリーナーはゴキブリを殺傷することが可能です。ネットで「瞬殺できた」という情報が多いのは、そのためです。

しかし、安全面から考えて、パーツクリーナーの駆除への使用は推奨できません。その理由が以下です。

  • 有効性(期待できること): 噴射された直後のゴキブリを瞬時に無力化し、駆除できます。
  • 非推奨の理由(知るべきこと):
    • 極めて高い引火性・火災リスクがあり、命に関わる危険を伴う。
    • 本来の目的外利用であり、人体や家具への悪影響中毒リスクがある。

ゴキブリ駆除という目的を達成できても、それ以上の大きなリスクを負うことになるため、専用品ではないパーツクリーナーの使用は避けるべきです。

2. なぜパーツクリーナーでゴキブリを瞬殺できるのか?

車のブレーキや機械部品の油分を洗浄するパーツクリーナーが、ゴキブリに効果があるのか?その「瞬殺」の仕組みは、主に以下の2つの作用によるものです。

  • 冷却による凍結作用(急激な気化熱)
    • パーツクリーナーを噴射すると、中のガスが急激に気化します。このとき、周囲の熱を激しく奪う「気化熱」が発生し、ゴキブリの体表温度が一気に急降下します。
    • この急激な体温低下が、ゴキブリの動きを鈍らせ、麻痺させます。これは、ゴキブリ用の瞬間凍結スプレーと似た原理です。
  • 脱脂・窒息作用(有機溶剤の力)
    • パーツクリーナーの主成分は、油を溶かすための強力な有機溶剤やアルコールです。
    • ゴキブリは、体側にある小さな穴「気門」から呼吸をしています。この気門に溶剤がかかると、呼吸ができなくなり窒息します。さらに、ゴキブリの体表を覆う油分(クチクラ層)が溶剤で奪われることで、生命維持に必要な水分が失われ、急速に弱ります。
    • この「冷却」と「窒息」の複合的な効果により、ゴキブリは逃げる間もなく瞬時に無力化されてしまうのです。

凍結スプレーとパーツクリーナーの違い徹底比較

パーツクリーナーの駆除メカニズムを知ると、「凍結スプレーの代わりになるのでは?」と思われるかもしれません。しかし、両者の決定的な違いは、単なる値段や効果だけではなく、「安全性」にあります。

ここでは、安全のための両製品の致命的な違いを解説します。

比較項目市販のゴキブリ用凍結スプレーパーツクリーナー
主成分HFO系、DMEなど(不燃性のものが多い有機溶剤(石油系溶剤、アルコールなど)
引火性ほとんどなし、または極めて低い極めて高い(製品によっては引火点低い)
残留毒性低い。食品の近くでも使える製品がある。高い。吸入や皮膚接触に注意が必要。
コスト高め安価
使用目的害虫の駆除(安全性を考慮)機械部品の脱脂・洗浄(油汚れ除去)

1. 最大の違いは引火性と火災リスク

「引火性と火災リスク」があることが、パーツクリーナーをゴキブリ駆除に使うことを推奨しない理由です。

パーツクリーナーの主成分である「有機溶剤」は強力な脱脂能力を持つ反面、極めて引火しやすい性質を持っています。

特にガス化した溶剤は空気より重いため床や低い場所に滞留しやすく、以下のわずかなきっかけで爆発的な火災を引き起こす危険性があります。

  • キッチンの火元: ガスコンロやIHヒーターの使用中。
  • 静電気: 服を脱ぐときやカーペットを歩いたときに発生する静電気。
  • 電気火花: 冷蔵庫やエアコンなど、電気製品の裏側でコンセントを抜き差しした際の小さな火花。

ゴキブリは台所や冷蔵庫の裏など、火元や電気製品の近くにいることが多いため、パーツクリーナーを使うことは、火災の引き金を引く行為に他なりません。

目の前の小さな恐怖を解消するために、家全体を失うリスクを負うのは、あまりにも危険です。

2. 凍結スプレーはなぜ高い?安全性にお金を払う理由

凍結スプレーはパーツクリーナーに比べると割高ですが、その理由は「ゴキブリを殺す」ための成分ではなく、「安全にゴキブリを凍結させる」ための不燃性の高価なガス(HFO系など)を使用しているからです。

凍結スプレーは、火災のリスクを回避しながら、冷却によるショックでゴキブリを無力化することに特化して開発されています。

「瞬時に、確実に仕留めたい」という切実な願いは分かりますが、安全に駆除を行うためには、専用に設計された凍結スプレーや毒餌剤を選ぶことが安全です。

パーツクリーナーを使ってしまった時の対処法と注意点

もし、パーツクリーナーを使用してゴキブリを駆除してしまった場合、最も重要なのは安全を確保することです。

有機溶剤は目に見えなくてもガスとして室内に滞留しているため、迅速な対処が必要です。

1. 使用後の最優先事項:徹底的な換気と拭き取り

パーツクリーナーの残留ガスは引火性が非常に高いため、以下の手順で速やかに安全対策を行ってください。

STEP

火の気と電気を遮断する

  • コンロやストーブ: すぐに火を消し、元栓を閉めてください。
  • 換気扇・照明: スイッチを入れる(切る)際に発生する小さな火花(スパーク)でも引火する可能性があるため、その場から離れ、換気するまではスイッチ操作を控えてください。
STEP

徹底的な換気を行う

  • 換気: ドアや窓をゆっくりと開け、空気の通り道を作って速やかに換気してください。部屋の対角線上にある窓を全開にし、滞留しているガスを外へ逃がすことが重要です。
  • 送風機: 可能であれば、電源を入れたままの扇風機やサーキュレーターの電源を一度抜き、ガスのない場所で再接続してから室内の空気を外へ送るように使用してください。
STEP

死骸と溶剤の拭き取り

  • 手袋着用: 必ずゴム手袋などを着用し、ゴキブリの死骸に直接触れないようにしてください。
  • 拭き取り: パーツクリーナーを噴射した箇所は、水で濡らした雑巾やウエスで念入りに拭き取ってください。溶剤成分が残っていると、引火のリスクや健康被害の原因になります。

2. 絶対にやってはいけないNG行動

パーツクリーナー使用直後に以下の行動をとると、大きな事故につながる可能性があります。

  • NG行動1:ライターやタバコに火をつける
    • 残留ガスに引火し、爆発的な火災を引き起こす最も危険な行為です。換気が完了するまで、絶対に火の気を出さないでください。
  • NG行動2:電気製品の裏側に大量に噴射する
    • 冷蔵庫や洗濯機などの電気製品の内部では、常に小さなスイッチのオン・オフやモーターの作動が行われており、わずかな火花が発生しています。溶剤ガスが充満すると、火花が引火し、爆発する可能性があります。
  • NG行動3:密室で顔を近づけて作業する
    • 有機溶剤のガスを吸い込むと、頭痛、めまい、吐き気などの中毒症状を引き起こします。気分が悪くなったらすぐに換気の良い場所へ移動し、症状が続く場合は医師の診察を受けてください。

やはり、危険が伴うため、ゴキブリ駆除には安全性の高いゴキブリ専用の駆除アイテムを使用しましょう。

ゴキブリの恐怖から完全に解放されるための3ステップ

ここでは、一時的な対処ではなく、ゴキブリの発生を根本から断ち切るために、今すぐ実行できる具体的な3ステップをご紹介します。

ステップ1:確実性が高い市販アイテムの賢い使い方

緊急時の「瞬殺」と、潜んでいるゴキブリを「根絶」する対策を組み合わせるのが最善です。

  • ①速攻で仕留めるためのアイテム(緊急時用):
    • 不燃性の瞬間凍結スプレー: パーツクリーナーと同じ冷却効果を持ちながら、引火リスクがないため安全です。目の前に現れた個体を即座に無力化するために、必ず1つ常備しておきましょう。
    • 待ち伏せ型殺虫剤: 侵入経路や潜伏場所にスプレーしておくことで、出てきたゴキブリを接触した瞬間に駆除できます。
  • 巣ごと絶つためのアイテム(根絶用):
    • 毒餌剤(ベイト剤): 駆除のプロも推奨する最も効果的な方法です。ゴキブリが好むエサに毒が仕込まれており、食べたゴキブリが巣に戻り、そのフンや死骸を他のゴキブリが食べることで巣ごと駆除できます。
    • 設置場所が肝心: 冷蔵庫の裏、ガスコンロの下、シンクの下など、暗くて湿気が多く、ゴキブリの通り道になっている場所に設置してください。

ステップ2:ゴキブリを寄せ付けない「環境作り」

ゴキブリは「水」「餌」「隠れ家」があればどこにでも住み着きます。この3要素を断つことが、最も効果的な予防策です。

  • 餌と水を断つ
    • 生ゴミはフタ付きの容器に入れ、キッチンは毎日徹底的に掃除し、水滴を残さないように拭き上げましょう。
    • 特に夜間は、三角コーナーやペットの餌を放置しないでください。
  • 侵入経路の特定と封鎖
    • ゴキブリはわずか数ミリの隙間から侵入します。エアコンの排水ホースの先端、換気扇の隙間、配管と壁の間などを特定し、パテや目の細かいネットで徹底的に塞いでください。
    • 玄関や窓のサッシからの侵入も多いため、隙間テープなどで対策しましょう。

ステップ3:【プロの出番】自力駆除に限界を感じたら

いろいろな方法を試してもゴキブリが頻繁に出る、集合住宅のため侵入経路の特定が難しいなど、自力での駆除に限界を感じたら、プロに相談するタイミングです。

  • プロに頼むメリット
    • 薬剤の専門性: 市販薬では難しい、ゴキブリに耐性ができていない強力な専用薬剤を使用します。
    • 侵入経路の完全封鎖: 素人では見つけられない小さな侵入経路を特定し、徹底的に封鎖します。
    • 長期的な保証: 施工後も再発した場合のアフターフォローがあるため、精神的な安心感が段違いです。

まずは複数の駆除業者の無料見積もりを取り、信頼できるプロを見つけることから始めましょう。

ゴキブリ駆除におすすめの駆除業者3選

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害虫駆除のおすすめ業者に関しては「害虫駆除の優良業者おすすめ9選!料金相場と失敗しない選び方」の記事で紹介していますので、よろしければご確認ください。

こちらでゴキブリ駆除に関する情報を発信しています。是非、こちらの記事もご覧ください。

ゴキブリにパーツクリーナーが効くのかに関してのまとめ

ゴキブリにパーツクリーナーは効きます。

ただし、やはり、ゴキブリには専用のスプレーの方が使用場面なども考慮して作られているため、専用スプレーを使うことをおすすめします。

パーツクリーナーには、可燃性の成分が入っているため、使用時には火の気がないように十分に注意し、使用した後はしっかりと換気し清掃を行うようにしましょう。

ただし、ゴキブリを根本的に駆除したいという場合には、プロの駆除業者に依頼することがおすすめです。

状況に合わせて、良い方法を選んでください。

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この記事を書いた人

さとるのアバター さとる 元駆除会社社員

普段はいくつかのWEBメディアで記事コンテンツを作っています。こちらでは害獣・害虫駆除について書いていきます。

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